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AWS BIサービス Quick Sightを触ってみた

Last updated at Posted at 2016-11-21

AWSのマネージドBIツール Quick Sightが、昨年のre-Inventの発表から1年ほど経ち、しばらくプレビューのみでしたが、ようやくリリースされました。

ただし、現時点でリージョンはUS East (Northern Virginia)、US West (Oregon)、 EU (Ireland)のみで、東京リージョンはまだです。(2016年11月現在)

以下に詳しく紹介されてます。
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/category/amazon-quicksight/

最近注目されているBIツールといえば、Tableau、Qlikviewがありますが、Quick Sightがそれらに取って代わるサービスになるのかに注目が集まっている印象です。

軽く触っての印象としては、Qlikviewはexcelとの親和性の高いUIで表ベースの操作に適していると思います(ピポットテーブルとかも簡単に作れる)。一方Tableauはグラフベースの操作で、イメージ先行で分析するには断然適していると思います。(逆に表ベースでの作業や算術には不向き)

Quick Sightは完全にTableauよりのGUIです。Tableauとの違いという点で所感を書きます。
※あくまで触ってみたレベルですが・・・

GUI

データソースを読み込むと、項目をdimensionとmeasureに自動で分類され、ドラッグ&ドロップで項目をグラフスペースに貼り付けて、各種グラフデザインから円グラフや棒グラフなど、自由にビジュアライズできます。Tableauになれた人ならすぐに慣れると思います。
dashboard機能や、スライドをストーリーとして保存できる機能など、Tableauでお馴染みの機能もあります。

スクリーンショット 2016-11-21 17.14.12.png

データソース

データソースには、ローカルのCSVのほか、AWSの各種リソース(RDS/Redshift/Aurora/S3/他)から容易にIMPORTが出来ます。
※ただし東京リージョンはまだ(2016/11現在)
また、上記AWSマネージドサービス以外に立てた各種DBへの接続も可能です。
この辺りはTableauとそれほど差はないかと思いますが、ユーザ制御をIAMで共通管理できるのがAWSユーザにとっての強みかと。

スクリーンショット 2016-11-21 16.17.35.png

AWSリソースへのアクセス制御も指定できます。(基本read-only)

スクリーンショット 2016-11-21 16.13.57.png

ファイルを読み込むと、カラム名などを自動で認識してくれて、編集も出来ます。
※titanicデータで試した例。

スクリーンショット 2016-11-21 17.02.11.png

同一リージョン内に作成したリソースに容易に接続出来ます。

スクリーンショット 2016-11-21 19.09.17.png

インストール

クライアント側へインストールが必要なTableauと異なり、Quick Sightはブラウザベースなのでインストール不要。AWSのアカウントでサインインすればすぐに利用出来ます。
※Tableauもサーバ型でビューワとしてであればブラウザベースもあります

機能

特徴的な機能の一つであるSPICEとは、BIの描画を高速に処理できるようにするオンメモリDB的なもので、Tableauの抽出機能のようなイメージです。

Quick SightがTableauにとって代われるかというと、Quick Sightはシンプルな描画に特化しており、やはり現バージョンでは役不足と感じました。
Tableauでは様々な関数や演算子で独自の算術式を定義したり、詳細なフィルタリング、グラフへの注釈や近似曲線等の描画、デザインのカスタマイズが細かく規定できるなど、洗練されてますが、Quick Sightは、シンプルなフィルタリング機能や、カウントや平均のような基本演算はありますが、基本的にはカラムを指定してシンプルに描画するのが中心のようです。

AWSの紹介でも、詳細な分析はパートナーツールをとあり、高速処理を可能にするSPICEとのIFを提供しているので、データマート的な位置づけに使えるという意味でしょうか。

コスト

Quick Sightはイニシャルコストがかからず使った分だけ月額支払いなので、初期費用もかかるTableau(Server)と比較すると、規模にもよりますが、コストは抑えられそうな印象です。
また、Tableauは機能が豊富な分、学習コストもある程度かかるため、(前処理済みのものをDBに格納して、シンプルに描画する前提であれば) シンプルさに特化した点はメリットかもしれません。

Standard Edition:
$12/ユーザ/月(利用予約無し)
$9/ユーザ/月(1年間の利用契約の場合)
SPICEのストレージ: $0.25/GB/月(SPICEストレージは10GBまで無料。10GBを超えた分)

Enterprise Edition:
$24/ユーザ/月(利用予約無し)
$18/ユーザ/月(1年間の利用契約の場合)
SPICEのストレージ: $0.38/GB/月(SPICEストレージは10GBまで無料。10GBを超えた分)

tableauの価格
http://sios.jp/bigdata/tableau/price.html

最後に

Quick Sightはモバイルデバイスでの閲覧もできるので、エンジニアやアナリスト以外の関係者への結果の共有ツールとしてなら、AWSリソースとの親和性を考えるとAWSユーザにとって大いに期待が持てます。
一方でビジュアルベースでゴリゴリ分析したいという意図でTableauを選択しているユーザにとっては、まだ乗り換える選択肢にはならないといった印象です。

もうちょっと色々触ってみたいと思います

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