はじめに
この記事はNutanix Advent Calendar 2015の12月8日分として作成しました。
Nutanix Community Editionを試す時にネックになりがちなのが、システム要件を満たすマシンの調達です。
最小システム要件
- CPU: Intel製 物理4コア以上(2コア4スレッドだとNG、インストーラを誤魔化せばAMDも可)、Intel VT-x(商用版だとVT-dを使うがCEでは不要)
- Mem: 16GB以上
- Disk: SSD 200GB以上、HDD 500GB以上(両方SSDでもOK)
- NIC: Intel製(実際にはBroadcomやRealtekでも動くので現在はあまり問題にならない)
もちろんハイスペックなPCやサーバーを使えばいいのですが、お財布が痛かったり設置場所が問題なったりします。究極はクラウド版ですが、1時間あたり約1$なので、ずーっと動かしっぱなしは辛い。
そこで、小さなベアボーンPCでCEを動かせないか画策してみました。結論としては成功。
システム要件を満たすベアボーンPC探し
Intel
小さなベアボーンといえばIntel NUCですよね。
しかしスペックを確認してみると、高性能なCPUを積んだモデルでも2コア4スレッドなので残念ながらNG。
ASRock
変態的なことをしたいときに頼りになるのがASRockですよね!
実際探してみたら、いいものがありました!
Beebox N3150
Intel N3150というのはモバイル向けであるBraswell世代のCeleronなのですが、物理4コアなんです。Intel VT-xも有効。NUCサイズのベアボーンの場合、モバイル版のCore i5等だと逆に2コア4スレッドだったりすることが多いです。)
また、Intel的にはメモリ8GBまでなのですが、ASRockさんは16GBまでのサポート!
サポートしてない容量でも実際は動く、というのはよくある話ですが公式に書いてあるのは嬉しい。
価格としても¥22,000くらいから手に入りますのでお手頃です。
その他のパーツ集め
ベアボーンPCを使えば、CPU・NICは揃いました。
あとはメモリ、SSD・HDD、あと忘れてはいけないのがCEのイメージを入れるUSBメモリ。
メモリ
BeeboxはSO-DIMM スロット×2なので8GBを2枚使います。
DDR3L 1600MHzに対応と書いてあります。(=PC3L-12800)
通常のDDR3は1.5Vですが、DDR3Lは1.35Vの低電圧版です。
パッケージにDDR3と書いてあっても、動作電圧が1.35Vに対応しているという表記があればおそらく大丈夫。
SSD&HDD
Beebox非常に小さな筐体サイズのため、2.5インチスロットは1つしかありませんが、mSATAスロットがあります。なので
- mSATAスロット:200GB以上のSSD
- 2.5インチスロット:500GB以上のHDDまたはSSD
という組み合わせで搭載しましょう。
USBメモリ
Nutanix CEのイメージを書き込むには8GB以上の容量が必要です。
NUCから大きなUSBメモリが飛び出しているのは残念なので、小さいものを選ぶと見栄えは良いかと思います。私はBuffaloのを使ってます。
http://buffalo.jp/product/usb-memory/design/ruf3-ps/
差し込むUSBポートによって起動デバイスとして認識しなかったりするので注意。私の構成では背面下側に指して動作してます。
組み立てた
ちゃんと動きました!ただしCPUクロックがMaxで2.08GHzなので遅いです。
また、メモリが16GB構成だとCVMに12GB持っていかれるので、あまりゲストOSを動かせません。
Nutanixの画面を見てみたいとか、勉強してみたいとか、そういう用途に限られますね。
おわりに
部品さえ集められれば、Nutanix CEを動かすのは全く難しくないので、ぜひトライしてみてください。
今回ご紹介した構成は、6万円ぐらいで作れました。ほとんどメモリとSSDの値段。
高性能ものだとベアボーンだけでそれぐらいの値段になったりするので…。
また、サイズが気にならない方は、ヤフオク等で古めのワークステーションやサーバーのほうが、CPUやメモリ容量の点で幸せかもしれません。結局のところ、単に私が「CEをNUCサイズのPCで動かしたかった」というだけです。
余談ですが、Beeboxには別件で制作したNutanixシールがピッタリの大きさでした。
シールが欲しい方はぜひお声掛けくださいませ。(だいたいいつも何枚か持ち歩いてます)