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Nutanixのサイジングツール『Sizer』を使ってみよう(後編)

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この記事はNutanix Advent Calendar 2016、9日目の分として作成しました。

前回のエントリではSizerについて、Server Virtualizationのワークロードを例に解説しました。
今回は、前回紹介していなかったワークロードタイプ「VDI」「RDSH/XenApp」「RAW Input」について解説します。

11-2.PNG

VDI

VDIは、デスクトップ仮想化環境向けのワークロードタイプです。
設定項目は以下のとおりです。
1. VDI Brokerの選択
2. ユーザータイプ、ユーザー数、展開方式の選択

VDI BrokerとしてはVMware Horizon ViewとCitrix XenDesktopが選択できます。
ここで選択したBrokerにより、次のステップで選択可能な展開方式が変わります。
13.PNG

ユーザータイプ、ユーザー数、展開方式の選択を行います。
14.PNG

ユーザータイプは、VDIが要求するリソースのひな形です。
使用リソースが小さい順に、Task Worker, Knowledge Worker, Power User, Developerの4種類から選択可能です。
15.PNG

VDIソリューションごとに、各々が対応している展開方式を選択可能です。選択した方式に基づき、必要となるストレージ容量が計算されます。

Viewの場合
16-2.PNG

XenDesktopの場合
16.PNG

RDSH/XenApp

RDSH/XenAppは、アプリケーション仮想化環境向けのワークロードタイプです。
設定項目は以下のとおりです。
1. アプリケーション仮想化ソリューション、アプリケーションをホストするOSの選択
2. ユーザー数、展開方式、システムデータ容量、ユーザープロファイル容量、(差分データ容量)、GPUカードタイプの選択

RDSH/XenAppについては、リソース計算の元になる情報がVDIとは異なっています。
VDIの場合には、1VMを1ユーザーが使用しますが、RDSH/XenAppでは複数のユーザーが同一のVM上でアプリケーションを使用します。
VMのサイズや割当てるリソース、ユーザー何人あたり1VMを作成するか、といった値がNutanixの経験則に基づいて自動設定されています。

RDSH/XenAppはVMサイズをスケールアップすることで無限にたくさんのユーザーのセッションを捌けるというわけではありません。仮想環境ではWindowsの1VMあたりの処理効率を考慮し、程々なサイズのVMの数を増やすことでスケールアウトしていった方が効率的に多くのユーザーセッションを捌けるようになります。この考え方に基づき、Sizerでも2012R2と2008R2のどちらを選択したかによって、異なる設定値が使用されるようになっています。

2012 R2 2008 R2 説明
Estimated # of RDSH/XenApp VMs - - すべての接続ユーザーの処理を捌くのに必要なRDSH/XenAppサーバーVM数
RAM per RDSH/XenApp Server 23 16 RDSH/XenAppサーバーVMに割り当てるメモリ容量
vCPUs per RDSH/XenApp Server 8 4 RDSH/XenAppサーバーVMに割り当てるvCPU数
Users per RDSH/XenApp Server 50 25 RDSH/XenAppサーバーあたりの接続ユーザー数

RAW Input

ここまではユースケースに合わせたワークロードタイプを紹介しましたが、RAW Inputは少し位置づけの異なります。
このワークロードタイプは、あらかじめサイジング済みの必要リソース情報をそのまま入力する方式です。
Sierの独自のノウハウに基づいてリソース計算をしたい場合や、あらかじめ他のツールで必要リソース調査を実施済みの場合には、こちらのワークロードタイプに各パラメータをそのまま入力することで、即座にハードウェア構成例を出力可能です。

42.PNG

まとめ

2回にわたってSizerについて紹介してきましたが、Nutanixのサイジングにおいてポイントとなるのは、「その基盤で何を動かすのか」「どの程度リソースが必要か」という視点です。

ハードウェアの選定を行うとなると、ついついハードウェアの一覧を眺めながら「どの機種がいいのだろう…」というところからスタートしがちですが、前編でもご紹介したとおりNutanixには数万通り以上のハードウェア構成が存在するため、ハードウェア起点で物事を考えてしまうのは混乱の元になります。

実際にNutanixを導入いただく時には、最初から「この機種をこのスペックで○台ほしい」という形を考えるのではなく、まずは想定用途や必要リソースを元にSizerを使ってみたり、Nutanixやパートナーにご相談頂いたりするのが、最適な構成にたどり着く一番の近道だと思います。

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