研修などを考えるときに,ずっと感じていたことを書き出してみた.
何か特別新しいことを書いている訳ではないけど,何かしらコンテンツを投下しようとしている人やこれから何か学び始めようとしている方の参考になると,良いように思っている.
なお,自身でフリーソフトウェアやOSSを開発した人の学び方ではなく,誰かが作ったフリーソフトウェアやOSSを学ぶ人のお話なので留意ください.
OSS時代の学び方とは
- もうン十年も前からフリーソフトウェアやOSSを組み合わせた開発になっている
- フリーソフトウェアやOSSは "しょっちゅうリリース" される
- どこでその "しょっちゅう" に自身の知識やスキルをアプデするかで,コストの種類や金額も変わるよね,というお話
- 書いているうちに,OSS時代だろうが何だろうが一緒に思えてきた
学びはじめるタイミングで学習者をタイプ分け
イノベーター理論で学習を例えると,スッとまとまったので,これで学習者をタイプする.
- イノベーター
- これ便利だから使ってこうぜ,と初めて言う人
- アーリーアダプター
- イノベーターに触発されて趣味開発を始めたり,一部プロダクションで使ってみる人
- ↑ で培った知見を広める人
- アーリーマジョリティ
- 社内のプロダクトやシステムで本採用になったので,身につける必要が出てきた人
- レイトマジョリティ
- 業界(??)標準となったので,身につける必要が出てきた人
- ラガード
- アプデしないで,いまの自身の知識とスキルに固執する人
学習者が "何で" 学ぶのかで傾向分け
学習者のタイプと同じように,イノベーター理論に沿って,学習者が "何で" 学ぶのかをまとめると,コストの内容がスッとまとまった.
- イノベーター
- 論文,その分野のトップカンファやGitHub,OSS等のML,その分野のAuthorのブログなど一次発信で知る
- 情報が全くない(ほとんどない)中で学習するので,無駄や地雷を沢山踏んで,無限に時間が溶ける.道なき道を走っている気分で学習する (強い。。)
- 実質的なお金は掛からないことが多い (とはいえ渡航費とか発生。。)
- 学習したことが無駄になることも多い
- その分野でAuthorとなることが多い
- アーリーアダプター
- イノベーターの発信(ブログ,Twitter,国内カンファ,勉強会など)で知る
- 引き続き,情報がほとんど無い中で学習するので,地雷を踏んで無限に時間が掛かるときもあるが,ある程度,無駄はなくなり,一般道(途中で曲がると,そこは未整備)を走っている気分で学習する
- 実質的なお金はかからないことが多い (とはいえ出張費とか発生。。)
- 学習したことが無駄になることもある
- その分野でAuthorとなることがある
- アーリーマジョリティ
- イノベーターやアーリーアダプターが体系的にまとめたもの(Webメディアや雑誌の連載記事,ワークショップ,書籍など)で学ぶ
- 情報が溢れている中で,学ぶ時間を実質的なお金で買うようになり,よく整備された一般道で走っている気分で学習する
- 一部の学習者はなぜ学ぶのかわかっていて,整備されていることに感謝する
- 有料で学習することが多いので,実質的なお金が掛かる
- 学習したことが無駄になることは,ほとんど無い
- レイトマジョリティ
- つまづきポイントを丁寧に解説した書籍群や,スクールや会社指定の集中的な研修講座(2~3日間)などで学ぶ
- 高速道路で学んでいるのだが,ほとんどの学習者にそんな気分はなく(先達の苦労は知らない),やらされ感がある
- なぜ学んでいるかは分からないケースが多いが,一部興味を持って,掘り下げる人もいる
- 相応のお金も時間も掛かる
- 学ぶものが枯れきっていて,generalな知識になっていればよいが,そうでなく,すでに新しい技術が出てきていることもある (本人は気にしないことが多い)
- ラガード
- 会社の上司や先輩,研修部門から命じられて,ある程度,中長期(1週間~1ヶ月)の研修講座で学ぶ
- 学生時代,新人研修など以来,これまでに登場した技術に,興味をもって学習したことが無いため,アプデするのに膨大な時間がかかる
- 相対的にべらぼうにお金と時間が掛かる
- 学習することに無駄はなく,学習し始めたことに価値がある
- やれされ感しか無く,講座期間中は苦痛の連続で,出席したことに価値を見出すことが多い
まとめ
時間とお金は払うコストなので,意識すると,自分がどう取り組むかが分けられそうだなぁ,ということと,何らかコンテンツを企画するとき,対象となる技術がどのフェーズにあるのかで取り組み方やアウトプットも変わるなぁと思っている.
なお今,私自身はアーリーマジョリティの情報をもとにプロダクト開発にまつわるものを学習していて,巨人の肩に上に乗っている.感謝しかない.