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UnityとBluemix Watsonでドラえもんのひみつ道具「ほんやくコンニャク」を作る

Last updated at Posted at 2017-01-15

追記(2017年3月3日)

Language Translatorが日本語対応したみたいです

前置き

Bluemixとは

  • IBMが提供するPaaS(Platform as a Service)。
  • 迅速かつ簡単にクラウド上でアプリケーションを作成、デプロイ、管理することができる。
  • 数多くのアプリやサービスが提供されており、自然言語を解釈するWatsonなどが有名。

Watsonとは

  • IBMが提供するBluemixのサービスの枠組みの一つ。
  • 自然言語解析を主な機能として、複数のサービスを提供している。
    • Speech to Text : 音声言語をテキストへ変換
    • Text to Speech : テキストを音声へ変換
    • Natural Language Classifier: 質問テキストに対する自然言語の分類
    • Language Translator : 多言語への翻訳

ほんやくコンニャクとは1

  • これを食べると、日本語が外国語に、外国語が日本語に聞こえる。
  • また本来食べる事の出来ないロボットにも、対象の上に乗せれば自動的に翻訳してくれる。
  • 会話だけでなく、外国語で書かれた文章を読む事も可能。
  • さらに外国人だけではなく、宇宙人、動物、ロボットの言葉、古い言語なども翻訳出来る。
  • 映画「のび太の日本誕生」では、お味噌味が登場した。
  • 『ほんやくコンニャクアイス味』もある。

経緯

Bluemix Watsonが(というよりもIBMが)UnityのSDKを提供していたので使ってみた。

やりたいこと

日本語で喋ると英語(またはその多言語)に翻訳されて喋ってくれる。

必要な機能

  1. 話した言葉をテキストに変換
  2. 特定の言語から、別の言語への翻訳
  3. 翻訳された言葉を音声として出力

やってみる

前提

ユーザ登録

各ツール・プラグイン等

  • Unity 5.5.0p3
  • Watson Developer Cloud Unity SDK v0.12.0

プラットフォーム

  • 開発&リリース
    • macOS
    • Windows

実行環境

マイクのついたPCであること

内容

Unityの基本的な部分

  1. Unity Projectの作成
    • 2Dで作成する(3Dの必要はないため)
  2. Watson SDKのimport

Watson資格情報の設定

  1. Watsonサービスの立ち上げ
    • Speech to Text スクリーンショット 2017-01-14 00.45.00.png
    • Text to Speech スクリーンショット 2017-01-14 00.43.43.png
  2. 資格情報のコピー(作成していない場合は作成)

    • Speech to Text、Text to Speechのサービスから資格情報を開き、{から}までをコピー スクリーンショット 2017-01-14 00.47.16.png 補足)右上のファイルアイコンのクリックでもクリップボード上にコピー可
  3. UnityにWatsonの資格情報を設定

    • Unity EditorのメニューからWatson - Configuration Editorを選択 スクリーンショット 2017-01-13 00.07.30.png
    • 以下のWindowが開かれる スクリーンショット 2017-01-14 00.49.01.png
    • 「PASTE CREDENTIALS BELOW」の下のテキストエリアに、先ほどコピーした資格情報をそのまま貼り付け、「Apply Credentials」をクリックする
    • すると、以下のように資格情報を登録したサービスがグリーンに変化する(=資格情報の登録完了) スクリーンショット 2017-01-14 00.51.53.png

Watson APIの実装

  1. SpeechToText.csの修正

    • 提供されているSDKでは日本語対応していないため、日本語対応する(半ば強制的に)
    • 対象ファイル
      • Assets/Watson/Scripts/Services/SpeechToText/SpeechToText.cs
    • 修正内容

      • 下記文字列の一括置換
        • 検索文字列:en-US
        • 置換文字列:ja-JP
      • 例)

        SpeechToText.cs(修正前)
        private string m_RecognizeModel = "en-US_BroadbandModel";   // ID of the model to use.
        
        SpeechToText.cs(修正後)
        private string m_RecognizeModel = "ja-JP_BroadbandModel";   // ID of the model to use.
        
  2. Speech to TextとText to Speech呼び出し用スクリプトの作成

翻訳の実装

  1. Simple Jsonをimport
    • Google Translateを用いるために利用(APIの結果がjson形式で返ってくるため)
    • SimpleJSON.zipからダウンロードして解凍後、SimpleJson.unitypackageをimportする
  2. Google Translate2の入出力を行うためのスクリプト作成

UIの作成とイベントの紐付け

  1. 各種スクリプトの追加

    • 適当なGameObjectの作成(例ではScriptsと名称変更)
    • GameManager.cs、WatsonManager.cs、GoogleTranslate.csを作成したGameObjectに追加
    • 音声の出力のため、Audio Sourceも合わせて追加
    • 例)
      スクリーンショット 2017-01-15 22.25.29.png
  2. 音声録音開始ボタンの作成

    • UI - Buttonを選択してボタンを追加(適当に装飾)
    • クリックイベントにGameManager.SpeechStartOnClickを追加
    • 例)
      スクリーンショット 2017-01-15 22.19.14.png
  3. 音声録音終了ボタンの作成

    • UI - Buttonを選択してボタンを追加(適当に装飾)
    • クリックイベントにGameManager.SpeechEndOnClickを追加
    • 例)
      スクリーンショット 2017-01-15 22.32.51.png
  4. 発声した言葉をテキストとして表示するフィールドの作成

    • UI - Textを選択してテキストを追加(適当にサイズ、フォントを修正)
    • 例) スクリーンショット 2017-01-15 22.37.20.png
  5. 翻訳された言葉をテキストとして表示するフィールドの作成

    • UI - Textを選択してテキストを追加(適当にサイズ、フォントを修正)
    • 例) スクリーンショット 2017-01-15 22.39.03.png
  6. 上記で作成した4つのコントロールを、GameManagerに紐付け

    • 例)
      スクリーンショット 2017-01-15 22.41.28.png

実行

  1. 実行ボタンを押す
    スクリーンショット 2017-01-15 22.46.23.png

  2. 録音開始ボタンを押す
    スクリーンショット 2017-01-15 22.48.08.png

  3. 何か話す

    • 注意)長文は控える
      • GoogleTranslate.csが対応していない(適当に作ったので、最初の一文しか翻訳取得しない)
      • 音声データのやりとりが発生するので、リターンが遅くなる
  4. 録音停止ボタンを押す
    スクリーンショット 2017-01-15 22.48.16.png

  5. 話した言葉と、翻訳された言葉が、画面に表示される

以上

補足

上記で紹介したUnity C#スクリプトは、https://gist.github.com/sear-azazel にUPしている。

注釈


  1. 出展:http://www.doraemondb.com/ddb/index.php?item=ほんやくこんにゃく 

  2. Bluemixにも翻訳サービスLanguage Translatorがあるが、現時点で日本語対応していないため、こちらを用いる 

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