さくらの負荷分散は2種類ありますが、今回はリージョン内で利用するロードバランサを使ってみます。
さくらのロードバランサはDSR(Direct Server Return)方式と呼ばれるものです。
仕様や利用方法などはこちらにまとまっています(ロードバランサ – さくらのサポート情報)。
このページに記載されている内容と実際に使ってみた上で注意点を挙げるとすれば、
- 共有セグメントへの接続は不可(必ずスイッチが必要)
- IPv6は非対応
- 作成後に冗長構成へ変更することは不可(再作成が必要)
- 障害で停止することはほとんどないが、予告されたメンテナンスで停止することがあり得るので冗長化がお勧め
- 構成によってはグローバルIPアドレスを沢山使うことになるのでスケールの最大値をちゃんと見極める
といった感じです。
今回は以下の構成で作成してみます。
- ロードバランサの利用目的はWEBサーバの負荷分散
- ロードバランサの接続先は「スイッチ+ルータ(/28)」
- プランは「標準」
- IPv4アドレスはルータに割り当てられたものから適切に利用
##ロードバランサ追加前の準備
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ルータ+スイッチの作成
さくらのクラウドでルータ機能を利用してみるなどを参考にスイッチ+ルータを作成しておきます。 -
負荷分散対象の実サーバ作成(※今回は後回しにします)
実サーバを必要台数分だけ用意する必要があります。
今回はweb01とweb02という2台を作成しますが、IPアドレスをきれいに割り当てたいのでロードバランサ作成完了後に追加します。
これはロードバランサにグローバルIPを割り当て終わった後に実サーバにグローバルIPを割り当てた方がIPアドレスの管理がわかりやすいと思われるからです。
##ロードバランサの追加
ロードバランサの一覧から「+追加」をクリックします。
追加画面では接続先のスイッチを選択することが必須となります。
ここではあらかじめ作成しておいた「スイッチ+ルータ」を選択します。
今回は冗長化したいので「冗長化」もはいを選択しておきます。
すると「IPv4アドレス」が#1と#2の2つ現れます。
スイッチを選択するとIPv4アドレスなどいくつかの項目が自動的に入力されます。
「プラン」は標準を選択していますが、必要な性能に応じて選択します。
一度作成してしまうと変更出来ないので予算が許せばハイスペックの選択をお勧めします。
コストは約2倍になりますがスペック上の差はそれ以上です。
「VRID」はゾーンでユニークに設定します。VPCルータでも設定が必要なので注意しましょう。
「IPv4アドスレス」はロードバランサ自体のIPですが、実際にサービス用として利用するものではありません。
スイッチ+ルータを接続先に選択すると自動的に入力されますが、すでに他のアプライアンスやサーバに割り当て済でないかちゃんと確認しましょう。
ルータ機能がないスイッチに接続する場合は「IPv4アドレス」、「ネットマスク」、「ゲートウェイ」は自分で任意に設定することになります。
「名前」に適切な名称を入力したら「+作成」をクリックして作成します。
##作成完了
入力内容に問題がなければすぐに作成が完了します。
ただ、VPCルータと同じようにコピーに多少の時間がかかります。
コピー状態が終わると起動状態で利用可能になります。
利用可能になったらダブルクリックして設定を行います。
ロードバランサは情報タブに表示されているIPv4アドレスでサービスが行われるわけではなく、これから設定するVIPでサービスが行われます。
初期状態ではVIPの設定はありません。
実際に利用するIPとしてグローバルIPを追加していきます。
次に続きます。