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>/dev/null 2>&1は順序が逆だとダメ

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はじめに

標準出力、標準エラー出力をどちらも破棄したい場合、よく>/dev/null 2>&1という書き方をすると思います。これを間違えて2>&1 >/dev/nullと書いてうまく動かなかったのですが、いまいち腑に落ちなかったので記法を詳しく調べてみました。

まず前提知識

ハマったポイントに進む前に、いくつか前提知識を整理します。下記のサイトを参考にさせていただきました。

ファイルディスクリプタ

まず2>2>&1の数字について。これらの数字は、入出力インターフェースにつけられた識別番号で、ファイルディスクリプタというそうです。それぞれ下記のようになっています。

インタフェース ファイルディスクリプタ
標準入力 0
標準出力 1
標準エラー出力 2

リダイレクト

次に、>の記号について。>に続けてパスを指定することをリダイレクトといい、>以左のコマンドの実行結果の出力先を任意のパスに設定することができます。記法としては下記の通り。

command N>path

ただし、Nは上述のファイルディスクリプタ、commandは任意のコマンド、pathは出力先のパス。ファイルディスクリプタで指定したインターフェースの出力を、pathに指定したファイルに出力することができます。

ちなみに、>とは1>の省略形とみなされるため、冒頭の>/dev/nullは標準出力を/dev/nullに設定することを意味します。

/dev/nullについて

リダイレクト時に、どのファイルにも書き出さず、画面にも表示せず、破棄したいときに指定する特殊なパス。/dev/nullというファイルが存在しているわけではありません。

標準出力と標準エラー出力を同じに設定する

最後に、&の記号について。ファイルディスクリプタの前に&をつけると、「ファイルディスクリプタで指定したインターフェースに現在設定されている出力先」を表すようになります。たとえば、&1とすると標準出力(1)に設定されている出力先を表すようになります。

たとえば、command 2>&1のように指定することで、標準エラー出力(2)の出力先を標準出力(1)の出力先に設定することができます。

ハマりポイント

勘違いの原因

今回2>&1 >/dev/nullと記載して問題に気づけなかった原因は、>記号が矢印のように見えるためか、command > fileの記載に対し、「commandの出力をfileにつなげる」というイメージを持っていたためでした(パイプ|と同じような動きをすると勘違いしていた)。また、&1の表記についても、リダイレクト先に記載するときは&をつけなきゃいけないんだなーくらいの認識でした。

このイメージをもって、下記の記載(誤りです)を見てみると、確かに、「commandの出力について、標準エラー出力を標準出力につなげ、さらにまとめて/dev/nullに捨てる」...なんだかよさそうに見えてしまいます。

command 2>&1 >/dev/null

しかし実際のところ、N>fileは「Nの出力先をfileに設定する」という意味合いですし、「&Nは現在Nに設定されている出力先」のことです。ここまで理解したうえで、再度上記の誤った記載を見直してみると、下記のように、まったくトンチンカンなことをしていることに気づきます。2>&1の時点では、まだ標準出力の出力先は画面なので、2>&1をしても何も起きません。

  • 標準エラー出力の出力先を、標準出力に設定されているパス(ここではまだ画面)に設定する(2>&1
  • さらに、標準出力の出力先を、/dev/nullに設定する(>/dev/null

正しい表記

command >/dev/null 2>&1

正しい記法の場合についても、処理の流れを見直してみると、以下のようになります。

  • 標準出力の出力先を、/dev/nullに設定する。
  • 標準エラー出力の出力先を、標準出力に設定されているパス(ここでは/dev/null)に設定する(2>&1

おわりに

と、ここまで書いたうえで、いい加減、>/dev/null 2>&1と書くのをやめたらどうか (追記あり)内の、下記記載を読んで再度混乱しています。

a.txt 2>&1 と 1> a.txt 2> a.txt は意味が違う

2>&1は「2の出力先として&1(1の出力先と同じもの)を設定する」という理解では、上記の2つに差分ができる理由が説明できません。すんなり説明がいったような気がしていましたが、もしかしたら重大な勘違い
をしている可能性が出てきました。

今後理解が進んだ場合に、追って訂正します。

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