組込みクラスの変更

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    継承は強力な概念ですが、もし仮に継承を使用せずにpalindrome?メソッドをStringクラス自身に追加する (つまりStringクラスを拡張する) という、より自然な方法を使用することが可能だとしたら、わざわざWordクラスを作らなくてもpalindrome?をリテラル文字列に対して直接実行できるようになるはずです。そんなことが可能なのでしょうか (なお、現在のコードはそのようになっていないため、以下のようにエラーになります)。

    "level".palindrome?
    NoMethodError: undefined method `palindrome?' for "level":String
    驚いたことに、Rubyでは組み込みの基本クラスの拡張が可能なのです。Ruby のクラスはオープンで変更可能であり、クラス設計者でない開発者でもこれらのクラスにメソッドを自由に追加することが許されています。

    class String
    # 文字列が回文であればtrueを返す
    def palindrome?
    self == self.reverse
    end
    end
    => nil
    "deified".palindrome?
    => true
    (Rubyで組み込みクラスにメソッドを追加できるということは実にクールですが、"deified"(=神格化された) という単語が回文になっていることも、それに劣らずクールではないでしょうか。)

    組み込みクラスの変更はきわめて強力なテクニックですが、大いなる力には大いなる責任が伴います (訳注: 「スパイダーマン」の名台詞)。従って、真に正当な理由がない限り、組み込みクラスにメソッドを追加することは無作法であると考えられています。Railsの場合、組み込みクラスの変更を正当化できる理由がいくつもあります。たとえば、Web アプリケーションでは、変数が絶対に空白にならないようにしたくなることがよくあります (ユーザー名などはスペースやその他の空白文字になって欲しくないものです) ので、Railsはblank?メソッドをRuby に追加しています。Railsの拡張は自動的にRailsコンソールにも取り込まれるので、以下のようにコンソールで拡張の結果を確認できます (注意: 以下のコードは純粋な irb では動作しません)。

    "".blank?
    => true
    " ".empty?
    => false
    " ".blank?
    => true
    nil.blank?
    => true
    スペースが集まってできた文字列は空 (empty) とは認識されませんが、空白 (blank) であると認識されていることがわかります。ここで、nilは空白と認識されることに注意してください。nilは文字列ではないので、Railsが実はblank?メソッドをStringクラスではなく、そのさらに上の基底クラスに追加していることが推測できます。その基底クラスとは、(この章の最初で説明した) Object自身です。RailsによってRubyの組み込みクラスに追加が行われている例については、8.4で説明します。