AWS Route53のFailover機能を利用したSorry Pageの実装

目的

ELBで運用しているEC2上のWebサーバーがなんらかの理由でアクセス負荷になりサーバーすべてが切り離されてしまい、その後サービス続行になってしまうような状況が訪れてしまった場合に、自動的にいわゆるSorryPage（「現在サービスに不具合があります」みたいな）を表示することができるようにします。

利用するサービス

- Route53によるDNSフェイルオーバー機能
- ElasticBeanstalk
- EC2
- S3によるWebホスティング

構成

ElasticBeanstalkで構成した以下のような簡単な構成で実験してみます。
ElasticBeanstalkによる環境の構成手順は省略します。

           ↓
+-----------------------+
| Elastic Load Balancer |
+-----------------------+
  ↓                   ↓
+-----+            +-----+
| EC2 |            | EC2 |
+-----+            +-----+

ELBにぶらさがったEC2が両方ともfailしてしまいELBからアクセスを振り分けられなくなる障害を想定します。

準備

Webドメイン

radioboo-example.xyz というドメインを想定します。

S3静的ウェブホスティング上にSorryページ設置

• S3上にradioboo-example.xyzという名前のバケットを作成します
  • Webサイトホスティングを有効化
  • 適当なindex.htmlなどを配置しそれをSorryPageとします
  • http://radioboo-example.xyz.s3-website-ap-northeast-1.amazonaws.com/ のようなURLでアクセスできることを確認しておきます。

Route 53の設定

Primaryホストゾーンの設定

以下のようにPrimaryホストゾーンを設定しておきます。

• Nameはアクセスドメインを設定。この場合、radioboo-example.xyz を設定します。
• Alias TargetはELBのドメインを指定
• Evaluate Target Healthを"Yes"にしておくことでELBのヘルスチェックと連携してFailoverを実行してくれます。

Secondaryホストゾーンの設定

以下のようにSecondaryホストゾーンを設定しておきます。

• Nameはアクセスドメインを設定。この場合、Primaryと同様に、 radioboo-example.xyz を設定します。
• Alias TargetはS3で建てたウェブホスティングのドメインを指定

挙動テスト

障害をシミュレート

• 挙動を確認するため、EC2をELBからわざと切り離してみます。EC2のコンソールから主導で切り離してみます。
• しばらく待つとS3から配信しているSorryPageに切り替わりました。

復帰をシミュレート

• 障害からの復帰を想定して、ELBにEC2を主導で復帰させます。
• しばらく待つと勝手にEC2から配信している通常のサービスページに切り替わりました。

以上です。
Route53のfailover機能を使えば、非常に簡単に実装できました。