ssl対応でサイトパフォーマンスがあがるらしい
あるサイトのはじめてのSSL対応の作業中、「SSL対応するとはやくなるで!!」という記事を見つけました。
いわく、
Web サイトのパフォーマンスについて、「SSL 化でパフォーマンスが悪化する可能性」 と、一方で 「HTTP/2 や SPDY が利用可能な状況では SSL 化でパフォーマンスが向上する可能性」 という両方の可能性
だそうです。
なるほど、本来ならSSLで接続するとパフォーマンスが悪化する(SSLハンドシェイクなどによる)けど、HTTP/2やSPDYを使うとパフォーマンスが向上するんか!
じゃあSSL接続もさることながら、HTTP/2やSPDY対応させなければ!!
SPDYでサイトにアクセスできるようにする
EC2上で動いているnginxのバージョンをたしかめてみたところ、1.8.1
とのこと。
めでたくSPDYに対応しておりました。
SSL化をチャチャッと済ませて、SPDY対応したろ〜と、とりあえずSPDYに対応させました。
server {
listen 443 default ssl spdy;
ssl on;
ssl_certificate /etc/nginx/ssl/server.ssl.pem;
ssl_certificate_key /etc/nginx/ssl/server.key;
:
:
よっしゃこれではやくなるわ!!
とおもっていた矢先でした。
ChromeのSPDYサポートが終了(していた)
今、Googleは同社のブラウザー、ChromeからSPDY対応を外す準備が整い、5月15日でChromeのSPDYサポートを終了すると発表した。
Chrome、SPDYのサポートを5月15日に終了 | TechCrunch Japan
わあ〜〜〜。
ま、まあ落ち着いてgoogle analytics見てみよう...。chrome少なければ良いよね別に...。
ですよね。
少ないわけもなく、HTTP/2に対応せざるを得んと心の中で決意するのでした。
nginxのアップデート
さて、SPDYをあきらめて、HTTP/2の対応をしていきます。
前置き
この項は、新しくnginxをインストールする際にopensslを指定しないといけないと気づいただけなので、流し読み程度で大丈夫です。
nginxをソースからインストール
HTTP/2をnginxで対応させるためにはバージョン1.9.5
からだそうです。
EC2上のnginxは前述の通り1.8.1
。
残念なことに対応していなかったのでアップデートします。
# yum update nginx
が!
EC2(Amazon linux)の標準リポジトリではnginxの最新バージョンが1.8.1ですので、アップデートできませんでした。
なのでソースからインストールしていきます。
$ sudo yum install pcre pcre-devel pcre-devel zlib-devel openssl-devel
$ wget http://nginx.org/download/nginx-1.10.1.tar.gz
$ tar -xvzf nginx-1.10.1.tar.gz
$ cd nginx-1.10.1
$ ./configure --with-http_ssl_module --with-http_v2_module
$ make
$ sudo make install
/usr/local/nginx/sbin/nginx
にインストールされているので
/etc/init.d/nginxを変更しときましょう。
$ nginx -v
nginx version: nginx/1.10.1
できた!
HTTP/2に対応するnginxだ!!
設定ファイル編集もできた!
server {
listen 443 default ssl http2;
ssl on;
ssl_certificate /etc/nginx/ssl/server.ssl.pem;
ssl_certificate_key /etc/nginx/ssl/server.key;
:
:
そして運命の時
ちゃんとできてるか確認のために、chromeの拡張機能を入れておきましょう。
HTTP/2 and SPDY indicator - Chrome ウェブストア
早速nginxを起動してアクセスしてみます。
あれ。拡張機能壊れてるのかな??
ちなみに、firefoxだと現在(2016/06)、HTTP/2で接続をしてくれています。
(あとで気づいたのですが、chromeは2016/05/31からNPNやめてALPN一筋です。)
opensslをアップデートしなければならない
そういえば、さっきSPDYについて調べていた時に、
Googleが提案したTLSのNPN(Next Protocol Negotiation)拡張を利用することで実現しています。この拡張仕様は、現在IETFにドラフト仕様が提出されており、既にオープンソースのOpenSSLに実装されている機能です。
Web表示の高速化を実現するSPDYとHTTP/2.0の標準化 | 最新の技術・取り組み | IIJ
とありました。
さらに、
なお現在仕様検討中のHTTP/2.0では、NPNの手順を改良したALPN(Application Layer Protocol Negotiation)仕様を利用することが採用されています。
Web表示の高速化を実現するSPDYとHTTP/2.0の標準化 | 最新の技術・取り組み | IIJ
とあります。
なーるほど。opensslがALPN対応してないようです。
ここにたどり着くまでかなり時間つかいました。
例のごとくバージョンチェックです。
$ openssl version
OpenSSL 1.0.1k-fips 8 Jan 2015
案の定ですorz
ALPN対応は1.0.2
からですorz
アップデートしなければなりません。
と思ったのですが、opensslを指定してnginxをインストールすることが可能ですので今回はそうします。
$ wget https://www.openssl.org/source/openssl-1.0.2h.tar.gz
$ tar -xvzf openssl-1.0.2h.tar.gz
きちんとopensslを指定してインストールします。
$ cd
$ cd nginx-1.10.1
$ ./configure --with-http_ssl_module --with-http_v2_module --with-openssl=/home/username/openssl-1.0.2h
$ make
$ sudo make install
nginxをrestartしてアクセスします。どきどき。
救われました。
きちんとHTTP/2、ALPN対応したか確認したい場合は
HTTP/2 Test | A simple HTTP/2.0 test toolでどうぞ
さいごに
読みづらくてすみませんでした。
サーバーサイドのことはもちろん、文を書くのも不慣れですし、最新の情報に疎かったため非常に難儀しました。
もし、間違い、アドバイス、オススメのサイトなどありましたら、教えていただけると嬉しいです。
#参考(ありがとうございました)
yum は止めて nginx をソースからインストールする | 脳無しの呟き《土鍋と麦酒と炬燵猫》
常時 SSL 化による Web サイト表示速度向上の可能性について | WWW WATCH
Web表示の高速化を実現するSPDYとHTTP/2.0の標準化 | 最新の技術・取り組み | IIJ
The day Google Chrome disables HTTP/2 for nearly everyone: May 31st, 2016