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[vDSP][信号処理]オーディオ・音声分析への道1

Last updated at Posted at 2014-06-13

#オーディオ・音声分析への道 その1

XcodeとvDSPで行うオーディオ、音声分析について淡々と書いていきます。
言語はCでいきたいと思います。

vDSPはAppleが提供する信号処理ライブラリです。Accelerate.FrameworkとしてXcodeと共にインストールされています。Intel Macはもちろん、iPhoneやIPad用のアプリ開発にも使える便利な代物です。

さて、この「オーディオ・音声分析への道 」はとても単純な配列計算から、FFTを使用した信号処理法、音の性質の分析法、はたまたケプストラムなど専門的な所迄、目指してがんばりたいと思います。

まず、その1では、Xcodeのセットアップからやりたいと思います。

##その1 Xcodeを起動する。

当方、Xcode 5.1.1を使用しております。
MacOSはMaverix です。

すると、下の様な画面が出てきますので、左メニューのOS X/Applicationを選択し、Command Line Toolを選択します。

vDSPXcode01.jpg

選択すると、プロジェクトに名前をつけて保存する画面になります。

vDSPXcode02.jpg

ここでは、vDSP_01と名前をつけて保存します。
適当なディレクトリに保存してくださいませ。

こんな感じになります。

vDSPXcode03.jpg

##その2 Xcodeを設定する。

必要なFramework等を読み込んで、プロジェクトの準備を行います。

vDSPXcode04.jpg

左のファイルメニューのvDSP_01をクリックし、Build Phaseを選択。
この中の上から三番目、Link Binary With Librariesの灰色の三角ボタンをクリックします。
そうするとライブラリのリスト(未だ何も追加されていない)が現れます。

ここで、+ボタンをクリックしてFrameworkを追加します。

vDSPXcode05.jpg

+ボタンを押すと、Frameworkのリストが表示されます。
このリストの一番上に、Accelerate.frameworkという物があります。これを追加するとvDSPが使用できるようになります。

追加された図です。
vDSPXcode06.jpg

では、この中のmain.cにプログラムを書いていきましょう。
その前にこのままビルドしてみます。

するとコンソールに"Hello World"と表示されます。
これでOK。です。

##その3 プログラムを書く

さて、少し丁寧に解説して参りましたが、ここからは飛ばしていきます。
C言語はやった事ある前提でいきます。

vDSPは信号処理用に作られたライブラリなので、配列演算の関数がいくつか用意されています。
今回はそれを使用して、おしまいです。

まず、Accelerate.hをインクルードします。

main.c
#include<Accelerate/Accelerate.h>

次に、input配列2つと、演算結果を格納するoutput配列を1つ作ります。

main.c
int input1[8] = {1,2,3,4,5,6,7,8};    
int input2[8] = {11,12,13,14,15,16,17,18}; 
int output[8];

まず最初に、このinput配列2つを足し合わせてみたいと思います。

main.c
vDSP_vaddi(input1,1,input2,1,output,1,8);

vDSP_vaddは二つの配列の加算処理を行います。
AppleのvDSP Referenceによれば、

main.c
void vDSP_vadd (
   const float __vDSP_input1[],
   vDSP_Stride __vDSP_stride1,
   const float __vDSP_input2[],
   vDSP_Stride __vDSP_stride2,
   float __vDSP_result[],
   vDSP_Stride __vDSP_strideResult,
   vDSP_Length __vDSP_size
);

となっており、つまり

main.c
void vDSP_vadd (
   const float __vDSP_input1[], // インプット1 配列
   vDSP_Stride __vDSP_stride1, // インプット1のストライド (他のインプットに対する長さ = 1)
   const float __vDSP_input2[], // インプット2 配列
   vDSP_Stride __vDSP_stride2, // インプット2のストライド (上に同じ)
   float __vDSP_result[], // アウトプット 配列
   vDSP_Stride __vDSP_strideResult, // アウトプットのストライド(上に同じ)
   vDSP_Length __vDSP_size // 配列のサイズ
);	

となります。
すべての配列が同じ長さで、計算するデータ数も全て同じですので、この場合ストライドは全て1を入れます。
このReferenceはfloat型になっていますが、vDSPには

main.c
vDSP_vaddi(); // int 
vDSP_vadd(); // float
vDSP_vaddD(); // double 

があります。
今回は配列のデータ型が整数なので、vDSP_vaddi()を使用します。

全体のコードです。

main.c
#include <stdio.h>
#include<Accelerate/Accelerate.h>

int main(int argc, const char * argv[])

{
    int input1[8] = {1,2,3,4,5,6,7,8};
    int input2[8] = {11,12,13,14,15,16,17,18};   
    int output[8];
    vDSP_vaddi(input1,1,input2,1,output,1,8);

    // 結果表示
    int i;
    for(i=0;i<8;i++){
        printf("output[%d] = %d\n",i,output[i]);
    }

    return 0;
}

結果は

result
output[0] = 12
output[1] = 14
output[2] = 16
output[3] = 18
output[4] = 20
output[5] = 22
output[6] = 24
output[7] = 26
Program ended with exit code: 0

float型とdouble型も試してみてください。

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