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B2コースのはなし

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Qiitaってのはプログラマ向けの記事が多い……というかそのためのサービスであることは百も承知である。しかし、僕はプログラマではないし、プログラムの勉強なんて去年の演習の授業でしかやっていない。
だから、このたびAdvent Calendar企画に参加するにあたって、無理して情報系の記事を書こうとは思わない。

僕の所属はEEICの電のほう、工学部電気電子工学科、その中でも制御やエネルギーを取り扱うB2コースだ。
この記事では僕がB2コースで数ヶ月やってきて思ったことをつらつら書いていこうと思う。企画趣旨にあってるのかとかはあんまり考えないことにした。
これが役に立つ人はそんなにいないかもしれないが、まあ来年以降コース選択で迷った人が読んだりしてくれるかもしれないので、書いていく。

B2コースとは、コース選択とは

EEICのシステムを知ってる人は飛ばそう。さらっとだけ、どういう経緯でB2に入るのか、B2ってなんなのかを書きます。
東京大学では2年の夏頃に進学振り分けがあって、所属する学部学科が決まる。本筋から外れるし冗長になるから、詳しくは「進振り」で検索してほしい。
EEICではさらに、3年の夏にコース選択がある。各学科の中でコースを選ぶのだが、これは進振りや研究室配属とは違って、必ず希望したコースにいける。電気電子工学科は、システム系のBS、デバイス系(たぶん)のB1、そして我らがB2コースに別れる。
進学パンフレットによると、B2コースは「エネルギー、環境、宇宙」に関するコース。
授業も自然、それに寄ったものになっていく。
今年の僕の時間割を参考に載せておく。

 月   火   水   木   金 
制御工学第二 電磁界応用工学 システム数理工学 電離気体論 電子回路
エネルギー変換工学 電力システム工学 数理手法Ⅲ パワーエレクトロニクス 電子情報機器学
実験 実験 実験 電気機器CAD演習
実験 実験 実験 電気機器CAD演習
国際経済学 utmc2
電気系特別講義第二

こんな感じ。他のコースではおそらく見られないであろうワードが並んでいるのがわかる。
もちろん全部が全部特有のものであるわけではない。次に、特徴的だと思われる。幾つかの授業を見ていく。
あくまで個人の感想・印象であることを最初にお断りしておく。

授業紹介

エネルギー変換工学――発電

自然には様々な形でエネルギーが存在する。それらを人間が使いやすいエネルギーの形、特に電気エネルギーに変換するにはどうしたらいいか。それを学ぶのがこの授業だ。
大雑把に言うと、発電の授業。
水力に始まり、火力、原子力、果ては核融合まで、様々な発電方法を学んでいく。
正直初めはシス創とかでやるべき授業なんじゃないかという気もしたが、発電方式はエネルギー系を志す学生には切っても切り離せない項目で、まあ最終的に電気エネルギーにするんだから電気系といえば電気系である。
授業では熱力学的に火力発電の効率を考えたりする。あれ?やっぱり電気じゃない……
関連する3年夏までの講義は「エネルギー工学基礎」。
関連する実験の種目は「核融合プラズマ」。

電力システム工学――送電

エネルギー変換工学が発電なら、こっちは送電
発電された後の三相交流電力について考えていく授業だ。
鉄塔の構造に始まり、複素電力の送られ方、短絡事故の計算方法などなど、送電にまつわるあらゆる事象を取り扱う……という感じか。
エネルギー変換工学とは一転、式をあーだこーだと捻り回す。ふつうにしんどい。
が、よっぽど電気の授業らしいとも言える。
関連する3年夏までの講義は「エネルギー工学基礎」「電気機器学基礎」。
関連する実験の種目は「三相交流」。

パワーエレクトロニクス――変換

wikipediaによると、パワーエレクトロニクスとは「電力用半導体素子を用いた電力変換、電力開閉に関する技術を扱う工学」だそうだ。
そう、半導体が出てくるのだ。だからどことなく電子回路とか、そういう授業を思わせる。
内容的には、サイリスタやダイオードを使い、どのような回路を組めばうまく電力を変換できるかを考える。直流を交流にしたり、その逆だったり。
内容に踏み込んで書くつもりはないが、おそらくここに来て始めて登場する項目である。
一応「電気機器学基礎」の最後に少しだけ取り扱うことになってはいるが、僕らの年は時間がなくてパワエレに触れないまま講義が終わってしまったため、本当に初めて聞く話の連続であった。
難しい。数式も登場するし、新しい素子も出てくる。正直今学期で一番エグい授業だと思っている。
関連する実験の種目は「パワーエレクトロニクス」

電気機器CAD演習――設計

端的に言うと、製図の実習。jw_cadというフリーのCADソフトを用いての実習と、製図板での手書き製図実習。ネジやシャフトから始まって、最後には同期電動機の組図を描く、なかなかにハードな授業だ。
今年は先生が大変素晴らしい人で、先生個人への人気から履修を続けている人も多い(個人の感想です)。また裏番組が某数学と某無線なので、他のコースからの履修者も多い。
とにかく授業がフリーダムで、仕上がれば何でもオッケーみたいな雰囲気がある。あとイキがってMacでwine入れてjw_cad動かしたろwとかしないでおとなしく学科PCのWinで走らせることをおすすめする。僕はMacでやってる。
関連する3年夏までの講義は「電気機器学基礎」。
関連する実験は特にない。

以上、4つの特徴的な授業を見てきた。これらはエネルギーの発生から輸送までを網羅しているといえる、B2コース「らしい」ものだと僕は思っている。
さて、授業についてざっと見てみたので、今度はB2コースのいいところ、わるいところをみていく。

B2コースの光と影

いいところ

-課題が少ない
ただ、情報系のコースに比べると圧倒的に授業中の課題が少ない。だから生活が楽かというとそんなことはない。われわれには実験がある。僕はこの3年冬の学生実験で、B2コースに属する実験ばかり6個とった。今回は授業について書いているから実験についてはあまり述べないが、基本的に実験課題自体は楽である。しかしレポートは6本である。自分で調べてゴリゴリ計算する感じのが多い。課題が多かったら多分途中で破綻していたと思う。情報系と比較するなら、彼らは授業の課題が多くて実験も思い代わりにレポートは楽である(ようだった)。どっちもどっちといったところか。
-実験とリンクしている
実験課題と授業内容がリンクしている授業が多く、実験中にはわからなかったことが授業で解決したりする。ただまあこれにも問題があるので……。
-人数が少ない
いいのかわるいのかわからない。悪いところもある。悪いところは後述する。ただ教室は基本空いてて生きやすい、これはいいところ。

つらいところ

-実験とリンクしている
内容がリンクしてはいるものの、どうもどの授業も、実験で扱うような話を取り扱うのは授業の後半であって、もう終わったよそれ!というのを何度も経験した。あまりアテにはできないものと考えたほうがいい。結局信じられるのは自分だけなのだ。教科書をあたるとか、図書館で調べるのが良い。
あとこれは余談だが、電験の対策ホームページみたいなのがある。これが一番役に立った。
-人数が少ない
これについて話すと長いのだが、これが不便なケースがいくつかある。レポートの相談をしづらいとか、そういう類のものだ。自分でやるしかないのである。
加えて、少し特殊な事例であるが、僕が今年経験した不便を載せておく。今学期は十数名の友人とともに勉強会を開いていた。毎週、自分の担当する授業の復習用スライドを作って持ち寄り、発表するという形式での簡単な復習の時間を設けたのだ。ところがこの勉強会、B2コースは僕しかいなかった。あとはお察しである。エネ変も電力もパワエレも全部自分でやります言い出しっぺなのにどうしてこうなったんだ

最後に

散々文句を言ってきたが、基本的にはどのコースに行ってもつらいのは同じだろうし、やはり興味のある無しでコースを決めるのがまるいだろうとは思う。
制御やエネルギーの話ができるのはB2しかないわけだし。
他のコースの人とはまったく話が通じないことがあるけど、それはそれ。
B2の中で楽しくやるしかないんです。
まあもうコースでの生活も終わるんですけどね。研究室配属で圧倒的成長しような。

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