Delphi で NSDictionary.objectForKey を使う方法（Berlin では簡単になったよ！）

概要

NSDictionary の objectForKey を Delphi から呼ぶ方法です。

なぜ解説が必要なのか

NSDictionary の objectForKey がポインタ（ID型）を受け取る様になっているからです。
そのため、下記の様なコードは失敗します。

var
  Dic: NSDictionary;
  KeyStr: String;
  Value: Pointer;
begin
  Dic := GetDictionary; // なにか NSDictionary を返す関数とか
  KeyStr := 'なんらかのキー';

  // 単に NSString をポインタにキャストしてもエラーになる
  Value := Dic.objectForKey(Pointer(StrToNSStr(KeyStr)));
end;

正解のコード

var
  Dic: NSDictionary;
  KeyStr: String;
  Key: NSString;
  KeyID: Pointer;
  Value: Pointer;
begin
  Dic := GetDictionary; // なにか NSDictionary を返す関数とか
  KeyStr := 'なんらかのキー';

  // まずは NSString に変換
  Key := StrToNSStr(KeyStr);

  // こんな感じで ID 型（実体へのポインタ）に変換してやる
  KeyID := (Key as ILocalObject).GetObjectID;

  // これで呼び出せる
  Value := Dic.objectForKey(KeyID);
end;

ILocalObject

Macapi.ObjectiveC に定義されているインターフェース。
TOCGenericImport など ILocalObject を継承しているクラスでは GetObjectID で Objective-C の生のポインタが手に入ります。

Berlin !!

上のコード面倒くさいと思った？思いましたね！
なんと 10.1 Berlin からは StringToID 関数や NSObjectToID 関数, NSStringToID 関数が使えます。
これらは Macapi.Helpers に定義されています。

これを使って上記を書き直すと…

var
  Dic: NSDictionary;
  Value: Pointer;
begin
  Dic := GetDictionary; // なにか NSDictionary を返す関数とか

  Value := Dic.objectForKey(StringToID(’何らかのキー’));
end;

たったこれだけになりますよ！奥さん！
スゴい簡単！！

まとめ

Pointer を受け取るメソッドが上手く動かないときは ILocalObject を思い出して下さい。