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systemdはどうやってコンテナ・仮想化環境を判別しているのか

Last updated at Posted at 2014-09-28

systemdにはコンテナやハイパーバイザの検出用関数detect_virtualizationが存在する。v230現在では、まずコンテナを判別するdetect_containerを実行して、判別できなければ仮想化環境を判別するdetect_vmを実行する。

detect_container

OpenVZ, LXC, LXC (libvirt), Docker, RKT, systemd nspawnを判別できる。

  • OpenVZ
    • /proc/vzが存在して、/proc/bcが存在しない
      • ルートコンテキストには両方存在する
  • それ以外
    • 自分がPID=1であれば、containerという環境変数を調べる
    • PID!=1であれば、/run/systemd/containerの中を調べる
      • PID=1のsystemdプロセスが当該ファイルを生成する
    • それもなければ、PID=1のプロセスのcontainer環境変数を調べる

detect_vm

KVM, QEMU, Bochs, Xen, UML, VMware, VirtualBox, Microsoft Azure, IBM z/VM, Parallels Desktopを判別できる。

systemdは仮想化環境を判別する方法をいくつか持っており、それらを順次実行していく。

detect_vm_dmi

DMIはDesktop Management Interfaceのことで、シリアル番号やBIOSのリビジョンといったハードウェア情報を取得するためのインタフェースである。Linuxでは、sysfsで以下のような情報が手に入る。

$ ls /sys/class/dmi/id/
bios_date     board_asset_tag  board_vendor       chassis_serial  chassis_version  product_name    product_version  uevent
bios_vendor   board_name       board_version      chassis_type    modalias         product_serial  subsystem
bios_version  board_serial     chassis_asset_tag  chassis_vendor  power            product_uuid    sys_vendor

systemdは以下のDMIを順番に調べる。

  • /sys/class/dmi/id/product_name
  • /sys/class/dmi/id/sys_vendor
  • /sys/class/dmi/id/board_vendor
  • /sys/class/dmi/id/bios_vendor

最近のVMMだと、これらのファイルのいずれかに識別のための文字列が入っている。

  • KVM
  • QEMU
  • VMware, VMW
  • innotek GmbH (VirtualBox)
  • Xen
  • Bochs
  • Parallels

detect_vm_cpuid

CPUIDの調べ方は後述するが、これもDMIと同様に設定されている文字列を元に仮想化環境を判別する。

  • XenVMMXenVMM
  • KVMKVMKVM
  • VMwareVMware
  • Microsoft Hv

detect_vm_xen

/proc/xen/capabilitiesが存在しているかチェックする。とりあえず、ここでXenであると判別するが、後でDom0のチェックを行なう(後述)。

detect_vm_hypervisor

/sys/hypervisor/typeを調べてxenと書かれていればXenと判別する。

detect_vm_device_tree

ARM, AArch64, PPC, PPC64の場合はデバイスツリーを調べる。

  • /proc/device-tree/hypervisor/compatibleが存在する場合
    • linux,kvmと書かれていればKVMと判別する
    • xenと書かれていればXenと判別する
  • 存在しない場合
    • /proc/device-treeのディレクトリを調べて、fw-cfgというファイルが存在すればQEMUと判別する

detect_vm_uml

/proc/cpuinfo\nvendor_id\t: User Mode Linux\nという文字列が含まれていればUMLと判別する。

detect_vm_zvm

s390の場合、/proc/sysinfoVM00 Control Programというエントリを調べる。

  • z/VMと書かれていればz/VMと判別する
  • そうでなければKVMと判別する

detect_vm_xen_dom0

もしこの段階でXenと判別されていた場合Dom0か否かを調べる。

/proc/xen/capabilitiesの機能リストにcontrol_dが存在していれば、Dom0だと判断し、仮想化環境ではないと判別する。

CPUIDの調べ方

ハイパーバイザ用のCPUIDについては、CPUID usage for interaction between Hypervisors and Linux. [LWN.net]に詳しい説明が書かれている。CPUID命令は、EAXレジスタに欲しい情報のIDを入れてCPUID命令を呼び出すと、情報毎に決められた特定のレジスタに情報が設定される (CPUID - Wikipedia, the free encyclopedia)。EAX=1がプロセッサ情報に対応し、EAXにプロセッサモデルやファミリ、EDXとECXにプロセッサの個々の機能が設定される。ECXの31ビット目はハイパーバイザ向けに予約されており、ハイパーバイザは1にセットして返すことになっている。ハイパーバイザが存在することがわかると、今度はEAX=0x40000000を入れてCPUID命令を呼ぶことで、ハイパーバイザ用ベンダIDを取得することができる。

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