すぐ使えるインシデントレスポンス用の汎用的なツールを主に書いています。
フォレンジックやバイナリ・プロトコル解析,ペネトレーションテストなど
専門性の高いツールについては,触れていません.すみません.
Windows編はこちら
(3月完成予定)
疎通確認 nping http://nmap.org/nping/
任意のパケットを定期的に送ることが可能.nmapのサブセット.
pingで用が足りず,telnetが面倒なときに利用すると便利.
最近は開発が止まっているらしく,hping3の方が高機能.
経路確認 mtr http://www.bitwizard.nl/mtr/
tracerouteを何度も繰り返すことで,RTTの統計値を取得するツール.
割と高負荷になるため,利用時は注意.
パケットスニファ dsniff http://www.monkey.org/~dugsong/dsniff/
タップやミラーポートが使えない環境で,パケットをスニファするツール.
ARP偽装をするため,本番環境での利用は要注意.悪用厳禁.
認証情報確認 ettercap http://ettercap.github.io/ettercap/
認証情報(ユーザ名やパスワード)が安全な状態でネットワーク通信されているか
確認するためのツール.Windowsでも動くらしい.これもARP偽装する.
疎通確認(その2) nc (netcat / ncat) http://netcat.sourceforge.net/
即席のエコーサーバ.-lオプションでサーバとして動く(LISTEN).-pでポート指定.
クライアントとして使う場合は,httpリクエスタで便利.catと同じように使う.
名前がいろいろあるのは,バージョン?の違いらしい.学習にも使える.
パスワード安全性確認 John the Ripper http://www.openwall.com/john/
LinuxやUNIXで設定されているパスワードの強度を確認するためのツール.
shadowファイルを使っている場合は,同梱のunshadowを使ってから,johnを使う.
> unshadow /etc/passwd /etc/shadow | john 的な.
ハニーポット dionaea http://dionaea.carnivore.it/
未使用のIPアドレス宛てに到着した不審なパケットを収集するツール.攻撃者の存在や手口を知るためのツール.
作りこみが必要だが,プロトコルごとに特定に応答パケットを送ることも可能.
インタラクティブな応答生成には向かない.(できなくはない)
ネットワークスキャナ nmap
ネットワークの脆弱性(不要なオープンポートなど)を発見することができる.
最近はOSのバージョンやアプリケーションのバージョンを調べるオプションが標準である.
調査にはそれなりの帯域を使うことがあるので,よく理解してから使うこと.
-o: OS検知
-v: アプリケーションのバージョン など
ためしに使ってみたいときは,"scanme.nmap.org"宛てにスキャンしてみるとよい.
(高負荷のかかるスキャンはNG)
脆弱性スキャナ
- Nexpose Rapid7社の脆弱性スキャナ.Community(無償)版は32IPまで使用可能.仕事で使う場合は,Enterprise版がおすすめ.30日は無償トライアル可能.
- Nessus 個人で使用するときは無償.
- OpenVAS NessusからForkしたオープンソース版.ただ,NessusはFork後,コードを書き直したそうで,共有しているコードはないとのこと.クラサバで運用.
無線LAN調査(アクティブスキャン) NetStumbler http://www.netstumbler.com/
無線LANを可視化するツール.あるメッセージを発信すると,辺り一帯が通信でなくなるので,その調査などで使用する.
無線LAN調査(ステルススキャン) Kismet https://www.kismetwireless.net/
無線の傍受のみを行う.通常はこちらを行って調査.どうしても必要な時に,アクティブスキャンを行う.
Bluetoothスキャナ Bluescanner http://sourceforge.net/projects/bluescanner/
最近はBluetoothから情報漏洩が起こることもあるので,利用状況を調査するためのツール.
但し,Bluetooth通信していないときには見つけることができない.
Javaで動くため,Windowsでも動作可能.
WEP調査ツール WEPWedgie http://sourceforge.net/projects/wepwedgie/
無線LANでWEPを使っている場合,簡単に暗号を解くことができる.
WEPは使わないようにしましょう.