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Apache Archiva 使い方メモ

Last updated at Posted at 2016-07-17

Apache Archiva とは

リポジトリ管理ソフトウェア。

Maven のリポジトリを簡単に構築することができる。

また、セントラルリポジトリなどのリモートリポジトリをプロキシしたり、ユーザー・権限管理、リポジトリのブラウズ、インデックス化することによる高速な検索など、様々な機能を提供している。

同種のソフトウェアとして Nexus Repository OSSArtifactory というものが存在する。

Nexus などは npm のリポジトリにも対応していたりと、 Archiva より高機能なところがある。

環境

OS

Windows 10

Java

1.8.0_92

Apache Archiva

2.2.1

Hello World

インストール

公式サイト からダウンロードする。

zip(tar) と war が配布されている。
zip の方は、 Apache Archiva を単独(スタンドアロン)で動かしたい場合に使用する。
Jetty が内蔵されており、それが利用される。

すでに Tomcat などの Servlet コンテナがインストールされており、そこにデプロイする形で利用したい場合は war を使用する。

今回は zip のほうを選択した。

zip を任意の場所に解凍したら、インストールは完了。

起動する

解凍してできたフォルダの下の bin フォルダの下でコマンドラインを開き、以下のコマンドを実行する。

> archiva console

サーバーが起動するので、ブラウザを開いて http://localhost:8080/ にアクセスする。

apache_archiva.jpg

停止は Ctrl + C

管理者ユーザーを作成する

右上の Create Admin User ボタンをクリックする。
すると、管理者ユーザーの作成画面が開くので、必要な項目を入力して管理者ユーザーを作成する。

動作確認

デフォルトで、 internalsnapshots というリポジトリが作成されている。
internal はリリース版(安定板)のアーティファクトを置くためのリポジトリで、 snapshots はスナップショット(開発版)のアーティファクトを置くためのリポジトリ設定になっている。

メニューの Repositories を選択するとリポジトリの一覧が表示される。

apache_archiva.jpg

internal はセントラルリポジトリのプロキシとして設定済みになっている。

試しに http://localhost:8080/repository/internal/junit/junit/3.8.1/junit-3.8.1.jar にブラウザからアクセスすると、 jar ファイルがダウンロードできる。
裏では、 Apache Archiva が Maven のセントラルリポジトリにアクセスして jar をダウンロードし、ローカルにキャッシュしてからブラウザに返すという動作をしている。

一度ダウンロードした jar は 【Apache Archiva のインストールフォルダ】/repositories/internal の下に保存される。
二回目以降同じ jar にアクセスすると、このローカルに保存された jar が使用されるため、セントラルリポジトリへのアクセスは発生しなくなる。

また、一度ダウンロードした情報は、 Apach Archiva 上で検索やブラウズなどが可能になる。
メニューの SearchBrowse から検索や閲覧ができる。

サービスとして登録してバックグラウンドで動かす

Windows にサービスとしてインストールして、バックグラウンドで起動できるようにする。

管理者権限でコマンドプロンプトを開き、 bin の下に移動して以下のコマンドを実行する。

> archiva install

これで、 Apache Archiva がサービスとして登録されるようになる。

apache_archiva.jpg

あとは、サービスの設定で自動起動にしておけば、マシン起動時に勝手に立ち上がるようになる。

コマンドで起動・停止を制御したい場合は、管理者権限で以下のコマンドを実行する。

# 起動
> archiva start

# 停止
> archiva stop

# 状態の確認
> archiva status

サービスからアンインストールしたい場合は、管理者権限で以下のコマンドを実行する。

> archiva remove

ポート番号を変更する

conf/jetty.xml を開いて、以下のように修正する。

jetty.xml
    <Call name="addConnector">
      <Arg>
          <New class="org.eclipse.jetty.server.nio.SelectChannelConnector">
            <Set name="host"><SystemProperty name="jetty.host"/></Set>
-           <Set name="port"><SystemProperty name="jetty.port" default="8080"/></Set>
+           <Set name="port"><SystemProperty name="jetty.port" default="9090"/></Set>
            <Set name="maxIdleTime">30000</Set>
            <Set name="Acceptors">2</Set>
            <Set name="statsOn">false</Set>
            <Set name="confidentialPort">8443</Set>
            <Set name="lowResourcesConnections">5000</Set>
            <Set name="lowResourcesMaxIdleTime">5000</Set>
          </New>
      </Arg>
    </Call>

これで 9090 ポートで起動するようになる。

Gradle から Apache Archiva を利用する

build.gradle
apply plugin: 'java'

repositories {
    maven {
        url 'http://localhost:8080/repository/internal'
    }
}

dependencies {
    compile 'commons-dbcp:commons-dbcp:1.4'
}
  • repositories で今まで mavenCentral() と設定していたところを、 Apache Archiva を見るように変更する。
  • 各リポジトリは /repository/<リポジトリ名> で参照できる。
    • たぶん、 Tomcat とかにデプロイしている場合は /repository の前にコンテキストパスが必要。

リポジトリを新規作成する

  • メニューの [Repositories] を選択する。
  • [Add] をクリック。
  • 以下を入力する。
項目名 説明
Id リポジトリを識別する一意なID。 test_repository
Name リポジトリの名前(英数字のみ)。 Test Repository
Directory リポジトリの設定やキャッシュを保存するディレクトリのパス。 ./repositories/test_repository
Index Directory インデックスファイルの保存先。未指定の場合は Directory の直下に .indexer という名前で作られる。 ./repositories/test_repository/.indexer
Type リポジトリの種類(Maven 2.x Repository しか選べない)。 Maven 2.x Repository
Cron Expression リポジトリのスキャンを実行するタイミングを cron 風に設定する。 0 0 * * * ?
Days Older スナップショット版のアーティファクトを何日間保持しておくかの設定。 30
Retention Count スナップショット版のアーティファクトを何個前まで保持しておくかの設定。 2
Description リポジトリの説明(日本語可)。 テスト用リポジトリ
Releases リリース版のアーティファクトを含めるかどうか。 true
Snapshots スナップショット版のアーティファクトを含めるかどうか。 false
Block Redeployments 既にリポジトリに存在するアーティファクトの再デプロイをブロックするかどうか。 true
Scanned リポジトリのスキャンを有効にするかどうか。 true
Delete Released Snapshots リポジトリのパージ中に、既にリリース版が上げられているアーティファクトがあった場合、そのスナップショット版を削除するかどうか。 false
Staging Repository ステージング用のリポジトリを自動で生成するかどうか。 false
Skip Packed Index creation IDE 用に圧縮されたインデックスを作成しない。 false
  • 必要な設定を入力したら、 [Save] で保存。

権限を設定する

新規作成された直後のリポジトリは、一般ユーザーからは参照もできない状態になっている。
誰でも参照できるように、 guest ユーザーに権限を設定する。

  • メニューの [Manage] を選択する。
  • guest の [Edit] を選択する。
  • [Edit Roles] を選択する。
  • [Repository Observer] に test_repository が存在するので、チェックをオンにする。

apache_archiva.jpg

  • [Update] をクリックして完了。

Maven のセントラルリポジトリのプロキシとして動作させる

作成したリポジトリは、そのままだとただの素のリポジトリとしてしか動作しない。
Maven のセントラルリポジトリのプロキシとして動作させるには、メニューの [Proxy Connectors] を選択する。

  • [Add] を選択。
  • 以下を設定。
項目名 説明
Network Proxy ネットワークのプロキシサーバーを介する場合は設定する(詳細後述)。 direct connection
Managed Repository Apache Archiva が管理しているリポジトリを選択する。 test_repository
Remote Repository プロキシするリモートのリポジトリを選択する。 central
  • Pollicies については、正直よくわからなかった。
    • Checksum は checksum のチェックに失敗したときにどうするかの設定なんだろうけど、 fix ってなに?
    • SnapshotsReleases は、リポジトリに問い合わせる頻度だろうか?
    • それ以外は、主にエラーがあったときにどうするか、といった設定ぽいけど、厳密な意味はよく分からなかった。
  • とりあえずデフォルトのままにして、 [Save] で保存する。

apache_archiva.jpg

ブラウザで http://localhost:8080/repository/test_repository/junit/junit/3.8.1/junit-3.8.1.jar にアクセスすれば、 junit の jar がダウンロードされる(リポジトリ名の部分は、必要であれば実際に登録したリポジトリ名に要変更)。

セントラルリポジトリ以外をプロキシする

デフォルトではセントラルリポジトリがリモートリポジトリとして登録されている。
これ以外にも、任意の Maven リポジトリをリモートリポジトリとして登録することができる。

試しに Seasar2 の Maven リポジトリ を登録してみる。

  • メニューの [Repositories] を選択。
  • [Remote Repositories Management] タブを選択する。
  • [Add] を選択。
  • 以下を入力(設定したものだけ)。
項目名 設定値
Id seasar2
Name Seasar2 Repository
Url http://maven.seasar.org/maven2/
Type Maven 2.x Repository
  • [Save] で保存。

apache_archiva.jpg

リモートリポジトリが追加できたので、先ほど作成した test_repository とこのリモートリポジトリを紐づける。

  • メニューの [Proxy Connectors] を選択。
  • Add を選択して、 test_repositoryseasar2 を紐づけるように設定する。

apache_archiva.jpg

ブラウザで http://localhost:8080/repository/test_repository/net/arnx/jsonic/jsonic/1.2.0/jsonic-1.2.0.jar にアクセスしてみて、 jar がダウンロードできることを確認する。

設定画面を見ると一番右のところに Order Edition というのがある。
これを選択すると、アーティファクトを検索するときの優先順序を指定できる。
(Chrome だと JavaScript エラーになった。Edge だと動いた)

ライブラリをアップロードする

画面から jar をアップロードする

  • アップロードしたい jar を用意する。
  • メニューの [Upload Artifact] を選択する。
  • 以下を入力。
項目名 説明
Repository Id アップロード先のリポジトリ。 Test Repository
Group ID アーティファクトのグループID。 mine
Artifact ID アーティファクトのID。 mylib
Version アーティファクトのバージョン。 1.0.0
Packaging アーティファクトのパッケージ種別(jar, war, ear など)。 jar
Generate Maven POM pom ファイルを自動で生成されるか。 true
  • アップロードしたい jar を画面にドラッグ&ドロップする。
  • [Start Upload] をクリック。
  • [Save Files] をクリック。

アップロードが成功すると、成功のメッセージが表示される。

アップロードされたファイルを確認する。

アップロードされてすぐは変更が反映されないようで、自分の環境では以下の操作をすることで [Search] から検索できるようになった。

  • メニューの [Repositories] を選択する。
  • test_repositories の [Actions] を開き、 [Directories Scanning] と [Index Scanning] を実行。

あとは、しばらく待っていたら、 [Browse] からも見れるようになった。

apache_archiva.jpg

Gradle からアップする

ユーザーを作成する

guest ユーザーにアップロード権限をつけてもいいけど、誰でもアップできる状態にするのはアレな気がするので、専用のユーザーを作ってそれでアップロードしてみる。

  • メニューの [Manage] を選択。
  • [Add] を選択。
  • 各項目を入力して [Save] を選択。
    • 今回は deployer という名前のユーザーを作ってみた。
  • 作成された deployer ユーザーの [Edit] を選択する。
  • [Edit Roles] を選択する。
  • [Repository Manager] の test_repository にチェックを入れる。
  • [Update] で保存。

build.gradle を作成する

build.gradle
apply plugin: 'java'
apply plugin: 'maven' // maven プラグインを有効にする

repositories {
    mavenCentral()
}

// groupId
group = 'mine'
// artifactId
jar.baseName = 'mylib'
// version
version = '1.0.0'

uploadArchives {
    repositories {
        mavenDeployer {
            // Archiva のリポジトリを指す URL を設定
            repository(url: 'http://localhost:8080/repository/test_repository') {
                // 先ほど作成した、アップロード用のユーザー名とパスワードを指定
                authentication(userName: 'deployer', password: 'deployer9')
            }
        }
    }
}

// 以下、ソースコードと Javadoc も一緒にアップするための記述
task sourcesJar(type: Jar, dependsOn:classes) {
     classifier = 'sources'
     from sourceSets.main.allSource
}

task javadocJar(type: Jar, dependsOn:javadoc) {
     classifier = 'javadoc'
     from javadoc.destinationDir
}

artifacts {
     archives sourcesJar
     archives javadocJar
}

アップロードを実行する

> gradle uploadArchives

上記コマンドでアップロードが実行される。

ネットワークプロキシの設定

社内から外部に接続するときにネットワークプロキシを介さなければならない場合に設定する。

  • メニューの [Network Proxies] を選択。
  • [Add] を選択。
  • 必要な項目を入力して [Save] を選択。

ここで登録したプロキシの設定は、 [Proxy Connectors] の [Network Proxy] で選択できるようになる。

パスワードの有効期限設定を変更する

コメントで @sh-ogawa さんに教えていただきました。ありがとうございます。

注意事項

ここで説明している操作を、ブラウザにログインユーザのパスワードを記録した状態で実行すると、エラーが発生して Archiva が起動しなくなります

理由は、 [LDAP] タブを開くとわかります。

apache_archiva.jpg

ブラウザでパスワードを記録して自動でログイン情報を埋め込む設定にしていると、 LDAP タブの [bindDn] と [password] に記録されているログイン情報が勝手に入力されます。

これに気付かずに [Save] を実行すると、 Archiva は起動時に LDAP への接続を試みるようになり、結果エラーが発生して Archiva が起動しなくなります。

Archiva ではパスワードを記録しないようにするか、毎回 LDAP のタブを開いて [bindDn] と [password] を空にしてから [Save] を実行するなどの対処が必要です。

注意事項ここまで...


デフォルトだとパスワードには有効期限があり、 90 日で失効してしまう。
実際に日数を待って確認はできていないが、おそらく以下の操作で設定を変更できる。

  • メニューの [Users Runtime Configuration] を選択する。
  • [Properties] タブを開く。
  • いくつかページを進めると、 security.policy.password.expiration.*** という設定が出てくる。
  • security.policy.password.expiration.enablefalse にすれば、たぶん有効期限の管理が無効になる(失効しなくなる)。
  • security.policy.password.expiration.days を変更すれば、たぶん有効期限の長さ(日数)を変更できる。

apache_archiva.jpg

参考

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