RaspberryPi を産業用途に使う可能性に関するメモ
注意:本記事は、RaspberryPI の産業用途を推奨するものでも、限界について述べるものでもありません。単なるメモにすぎません。
追記:キュウリの仕分けについてはInterface 2017年3月号に詳細な記事があります。
RaspberryPi には 次のように思うことが多いだろう。
・電源スイッチはなぜないの?
・電源の安定性は大丈夫?
・連続運転したときの放熱は大丈夫?
それらの問いに対するアプローチが次のものだ。
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bizright Raspberry Piを堅牢化したIoTゲートウェイ Raspberry Pi 3搭載の「BH3」を発売
![BH3の画像]
(http://bh.bizright.co.jp/_src/sc794/bh2_feature.png)
製造元は意図していなかったものの、2016年に約200万台が産業用途向けとして出荷されたシングルボードコンピュータがあります。この製品はシリーズ累計1000万台を越える台数を出荷しており、なおもその需要は高まる一方。その需要に対応すべく、2016年秋には愛知県にあるソニーの稲沢工場でも生産が開始されています。
Raspberry Piは“ホビイストが電子工作を楽しむためのもの”という印象が強いが、これについてUpton氏は、「ホビイストの中には、実際にエンジニアとして働く人も少なからずいるはずだ。そうしたエンジニアが、産業用途で使える組み込みコンピュータの候補の1つとしてRaspberry Piを見てくれるようになるのではないか」と語り、今や産業用途もRaspberry Piの重要なターゲット市場であることを強調した。
- rs-online 「IoT」という新技術の核にラズベリーパイ
その結果、試作の次のステップとして製品版システムを別途新たに開発する必要もなく、開発期間やコストを圧倒的に短縮できるのです。言い換えれば、その製品版開発コストを製品に転嫁せずに済むということ。たとえば、500個しか使用しない製品に1,000万円の開発費がかかったとすると、1個あたり費用は2万円。それを無くすことが、不確定要素が多いIoT分野におけるお客様への最大 のサービスだと私たちは考えます。
- mechatrax 3GPI(Raspberry Pi 向け3G通信モジュール)
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ビット・トレード・ワン 「PICと楽しむRaspberry Pi 活用ガイドブック」連動企画
PiCCASOは、Raspberry Pi 2 Model Bおよび同3 Model Bに対応。測距センサーによる人感センサーで人物や物の接近を検知したら音声を出力したり、温度/湿度/気圧の複合センサーで気象情報をモニタするといった使い方が可能。マイコンプログラムの学習に最適とする。
拡張モジュールには、16文字×2行表示可能なバックライト付きディスプレイ、ステレオミニジャック、スイッチ3点、1Wパワーアンプ4点などが実装されている。
![測距・湿度・温度・気圧センサーなどの複合センサーを搭載した拡張ボードの図]
(http://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1021/974/01_s.jpg)
もう一方のサーボモーター制御拡張モジュールは、PWM制御でRCサーボモーターを扱うためのモジュールで、トランジスタ技術2016年11月号ではリモコンカメラを作成するための部品として利用。カメラモジュールを組み合わせることで上下左右にカメラがスムーズに動き、スマートフォン/タブレットからブラウザによる遠隔操作ができる。
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Compute Module 3の利用はすでに始まっており、Raspberry Piと提携したNEC Display Solutions Europeは、すでに40インチを超える大型ディスプレイにCompute Module 3を搭載すると発表しています。
2016年にアプトン氏が目にしたRaspberry Piを使ったプロジェクトから、3つを取り上げた。(中略)
元組み込み系SEで現在はキュウリ農家の小池誠氏が、Googleの機械学習ライブラリ「TensorFlow」とRaspberry Pi、Pi Cameraを組み合わせ、キュウリを12の等級に自動的に選別するシステムを構築したこと。
TensorFlowでディープラーニングによる『キュウリ』の仕分け
単一の機能を実現する道具として、Pythonや小規模なC/C++プログラムを実行するのは、比較的簡単です。Pythonで作っていけば、WindowsとLinuxによる違いはほとんどありません。C++の場合もBoostやOpenCVのようにOS依存性のないライブラリを使って開発すれば、WindowsとLinuxによる違いはほとんどありません。RaspberryPi3では無線のネットワークを使えるので、簡単にsudo apt-get install モジュール名
すればいいので楽です。ARMの他の組み込み用の評価ボードの場合だと、ケースもなく、値段も高く、静電気で壊してしまう心配をすることや、画面出力やUSBなどのIOが不足することなど、RaspberryPiほど気楽に使えないのが残念なところです。
制限が少なく、気軽に使え、ユーザーが多いので情報も集まるARMボードはRaspberryPiシリーズだけと言えるのではないでしょうか。「ホビイストの中には、実際にエンジニアとして働く人も少なからずいるはずだ。そうしたエンジニアが、産業用途で使える組み込みコンピュータの候補の1つとしてRaspberry Piを見てくれるようになるのではないか」というのは、まさにそのとおりだと思っています。
組み込みチップメーカーへのお願い
気軽に使える評価ボードとそのボードの情報を提供してください。どんなに優れたチップを搭載した組み込みボードであっても、気軽に始められるだけの環境がなければ、エンジニアが、「このボードを次の○○の開発に使いましょうよ」とは言えないのです。組み込み用のチップを作っている日本の会社は、そのことをぜひ考えてください。評価ボートが気軽に買えず、NDAを結ばないと情報が入らないチップでは、とても「使いましょう」などと言えないのです。
日本のチップメーカーが存在感を出し切れない理由の1つは、そういったところにあるのではないかと思っています。FPGAメーカーがFPGAの開発用のソフトウェアを無料提供しているのは、「ホビイストの中で実際にエンジニアとして働く人」が多くいることに気づいているのではないでしょうか。
Raspberry Pi and Arduino in industrial applications
http://embedded-computing.com/guest-blogs/raspberry-pi-and-arduino-in-industrial-applications/
Raspberry Pi の利用例 エッジで安価にディープラーニング活用、Ideinが1.8億円を調達
Ideinの強みは、汎用のRaspberry Pi上で高速にディープラーニングを使うソフトウェア環境を整えたこと。Ideinが使っているのはプロセッサもソフトウェアも汎用のものだ。Raspberry Piはスマホと似たプロセッサだし、ディープラーニングにはChainerやCaffeといったオープンソースのライブラリを使う。難しいのはRaspberry Pi搭載のGPUであるVideoCore IVを使うために、アセンブラ、コンパイラ、数値計算ライブラリなど一通りのツールチェーンを自分たちで作った部分という。これによって10倍から30倍の高速化となり、以下の動画にあるように、30ドル程度の汎用デバイスでGoogleNet(Googleが配布している画像認識の学習モデル)による認識時間が0.7秒という実用的な速度になっている、という。
VideoCore IV を使う話 Raspberry PiでGPGPU
Idein 創業者で代表の中村晃一氏 は qiita の 中村 晃一 さん であるらしい。
東京大学 中村晃一氏(当時)による「パターン認識と機械学習入門勉強会 全23回」の動画が
Youtubeにあります。
[「パターン認識と機械学習入門勉強会 全23回」(]https://www.youtube.com/playlist?list=PLl1oX4Yc8CJaeKmvcKYwJMuLT8dcWzGVo)
「ラズパイ」に訪れた転換期、ホビー・教育から業務用途の拡大が進む
島影氏は、ラズパイを使い続ける理由について、「ラズパイを中心とした確固たるエコシステムが形成されているから」だと述べる。「カメラやバッテリーなど、ラズパイを使って機器を開発する際に必要な部品や、世界中のラズパイユーザーたちによる設計情報のログなどが、エコシステムとして確立されている。蓄積された“知”が共有されるというオープンソースの恩恵によって、スピーディな開発が可能になる」(島影氏)
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実際に産業用途に提供している会社は増えているようだ。
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「Raspberry Piからそのまま量産に移行したい」、その要望に応える産業用ボード・コンピュータ