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ブラックリスト(DNSBL)の仕組みと掲載を防ぐ方法

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これはSendGrid Advent Calendar 2016の16日めの記事です。
昨日は@shibayanの、SendGrid のアカウントを環境ごとに使い分けるでした。サブユーザはまじ便利なので絶対使った方がいいです。

レピュテーションエンゲージメントIPアドレスに続いて、今日はブラックリストについて説明します。

そもそもブラックリストってなんぞ

「ブラックリスト」、よく聞く言葉だと思いますが、のってしまうとメールが届かなくなるやばいリスト、というなんとなくイメージを持っているだけという方は多いのではないでしょうか。大きく分けて以下の2種類が存在します。

DNSBL

一般的にブラックリストと言うとDNSBLのことを指し、スパムの送信元のIPやドメインをリスト化して保有しているISPとは別の第三者サービスのことを意味しています。メールの送信リクエスを受けた宛先サーバは、DNSBLに問合せをして、送信元IPアドレスやドメインが掲載されているかどうかを確認します。その後の判断は、宛先サーバ次第ではありますが、拒否したり、スパムフォルダに入れたり、Inboxに入れたりします。

DNSBLで最も有名なものはSPAMHAUSで、こいつに掲載されてしまうとあらゆる宛先から受信を拒否されてしまうほどの強力なものになります。

spamhaus_dnsbl_diagram.gif
source: https://www.spamhaus.org/whitepapers/dnsbl_function/

各ISPが保持しているブロックリスト

DNSBLのようにグローバルで使われるものに加え、各ISPがレピュテーションに応じて受信するかどうかを判断する基準として保持しているブロックリストもあります。

SendGridの立場からよく見るのがMSのメールサービス(hotmail, outlook, liveなど)はプアなレピュテーションの状態で大量に送信してしまった送信者をブロックリストに掲載してその後の受信を拒否するということがあります。これは、そのISPだけで有効で、他のGmailなどでは問題なく受信が可能です。

これらの各ISPが保持するブロックリストはある意味特殊なので、今後の話は、DNSBLに絞って進めます。

何をしたらブラックリストに掲載されるのか

ブラックリストに関してはこちらの記事で説明してますので、詳細はそちらをご確認ください。
で、その中に、

ブラックリストに登録されてしまう主な原因のひとつは、迷惑メール報告数の多さです。

とありますが、経験上およびSendGridのコンプライアンスチームの話によると、DNSBLに記載されてしまうのは、十中八九、

スパムトラップにメールを送り続けてしまうこと

が原因であるように思われます。
スパムトラップとは、ISPやDNSBLが用意したスパマーをあぶり出すためのメールアドレスで、使われなくなったアドレスを罠として残しておくのが一般的なようです。詳しくはこちら

どうやって防ぐ?

一度スパムトラップが保有してしているリストに紛れ込んでしまうと本当に厄介で、それを取り除かなければいずれはブラックリストに掲載され、何度削除をしてもらってもいずれ掲載され、掲載⇒削除を繰り返すことになってしまいます。
そのため、ブラックリストに掲載されるのを防ぐには、リストからスパムトラップを取り除く必要があります。

Re-confirmation campaign(再確認メール)

スパムトラップをリストから除去する方法で一番有効なのがこのRe-confirmation campaignです。これは、読者に対して、メールの購読を希望するかを再確認するメールで、希望するとした購読者以外のメールアドレスを全て削除することで、スパムトラップを一掃します。

スパムトラップは開封も、クリックもすることがないので、開封/クリックがあったリストはそもそも有効なアカウントとして、それ以外に対してRe-confirmation campaignを実施するのが有効です。

かなり痛みを伴う方法ですが、やむをえないですね。まぁ、いくら送っても読むことがない読者に送り続けることは無意味なので、エンゲージメントが高い読者に絞ることができたと、ポジティブに捉えるのがよいと思います。

まとめ

この一連の記事で一貫しているのが、適切なメッセージを、適切な人に、適切な時に、適切な頻度で送るのが一番ということです。

日々エンゲージメントをモニタリングしていれば、ブラックリストに掲載されることもありません。
「ちょくちょくブラックリストに掲載されちゃうんですが、SendGridで送れば改善されますか」というお問合わせもよくいただくのですが、同じプラットフォームを利用している不届き者の影響を受けた掲載でないのであれば、リストをクリーンにする以外回避する方法はありません。

メルマガなんて同じメールをどがっと一斉に送ればいいんでしょ(batch and blast)という時代はとうに終わりました。今後事故らないためにも、今回紹介したような対策を日頃から取りながら健全な送信を心がけてください。

Happy Sending!!

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