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下請けCOBOLERとして生きていた頃のノウハウ Advent Calendar 2016の15日目ぐらいの記事です。


cobolerなら一度は言われるであろう、言葉についてです。

  • COBOLなんてN年後にはなくなる。
  • スキルが身につかないよ

COBOLなんてN年後にはなくなる、よく言われますが、どうやってなくすんでしょうか?
自分のいた現場では30年以上ため込んだデータ、巨大すぎて何をやっているのか解読不能なソースの山々・・
それらを全て移行するにはで巨大ビルが建つぐらいのお金が動くんじゃないでしょうか?
その点でCOBOLをなくすのは無理、むしろ死ぬことが出来ない苦しみのさなかにあるのがCOBOLです。(この病、死に至らず、にも関わらず、プログラマーは死んだ!)

COBOLが患っている病とは、死ぬことではなく、死ねない病のことになります。
この問題については、ここで語ってもしょうがないので、COBOLの仕事は減ってもなくならないよ程度にしておきます。

なので次にスキルが身につかないと言うことについて話をしようと思います。
まずは、以下の一節から

当然のことながら、ニューギニア人は、西洋人が子供の頃から訓練を受けている作業はうまくこなせない。
だから、辺鄙な村に住み、学校教育を受けたことのないニューギニア人が町にやってくれば、町の西洋人の目には間抜けに映るだろう。
その逆に、私には、ジャングルの小道をたどるとか小屋を建てるといった、ニューギニア人であれば子供の頃から訓練を受けている作業はうまくこなせない。
だから、彼らと一緒にジャングルにいるときは、自分はいかにも間抜けに見えるだろうと、私はいつも意識させられたものである。」(銃・鉄・病原菌 ジャレド・ダイヤモンド 倉骨彰(訳) 草思社)

優秀なのはどっち?

Aさんの経歴書

現場 言語 年月
金融関係 COBOL 汎用機、JCL 5年10ヶ月
在庫管理 C# SQLSERVER 1年

Bさんの経歴書

現場 言語 年月
なんか C# 6ヶ月
なんか Java 4ヶ月
なんか Java 4ヶ月
なんか VB5 6ヶ月
なんか PHP 6ヶ月

どちらが優秀かを考えたとき、人月会社の上司からすると売り込める先が多いBさんの方が良いんじゃないでしょうか?
一方で僕の考えではAさんのに軍配が上がります。(というかAさんというのは僕の経歴ですが・・)

下請けが求められるスキルはプログラミング経験の数

スキル・スキルと会社がとやかく言うのは単に経歴書を良い感じの言語でたっぷり埋めたいだけというのが実情だと思ってます。
機能てんこ盛りの空気清浄機の商品の宣伝チラシのように、経歴書には色んな言語が埋め込まれていると一見艶やかでどんな案件にも入れるメッキのスーパーエンジニアに見えないこともありません。(何より売り込み先の選択肢が増えます)
実際に、開発時に人手が欲しいときなんかを専門に渡り歩くなら色々知っていた方が便利でしょう。

一方でCOBOL現場に長くいたようなプログラマーはそういうところに売れなくて困るようです。
なので会社からすればCOBOLしか知らない人間は売れない(スキルのない)商品だと言うことになります。

経歴書が多い人間はすぐ切られるような問題のある人間という見方

自分のいた現場の文化では、経歴書の中身が多い人間は現場で重宝されず製造工程が終わったら契約解除されるような人間だからだめという考えが主でした。
良い人材にはずっといて欲しいんだから一つ一つの案件が長くなると考えるようです。
(それにCOBOL現場ではプログラミングスキルなんてほとんど要求されません)

結局COBOL現場ではスキルが育たないというのは売り込み先がなくて困る程度のことです。
実際にどの現場でもそれなりの成果物を出そうとする人はCOBOLでもrubyでも同じように質の高いものを出そうとすると思います。(しかし、経歴書や面接ではそれは全く伝えられないと思います)

最初の話に戻りますが、ニューギニア人と西洋人、お互いの生活文化で必要とされるスキルは全く別物なのです。
1つのCOBOL現場で長く保守をするのに必要な人材と短期間の季節労働者では会社に求められるものが違うのです。

なので、COBOL現場ではスキルが身につかない
というのはせいぜいお前は売り物にならんという人身売買人の愚痴であって全く何にもならないというのはありません。

そこに長くいられたこと、つまりその現場で重宝されたことがエンジニアのスキルを証明していると思えるンじゃないかと思います。

とはいえCOBOL現場にいることはないよね

とまぁCOBOL現場で身につくスキルだってあると言いましたが、頑張る人間はどこでも頑張れるならCOBOL現場にいることはありません。さっさと抜けてもっと単価の良いお仕事に就くべきです。

ここでは新人の頃からCOBOL現場にいたような俺はもうダメだと悲観することはないと、そう自分に言い聞かせたかっただけのポエムとなっております。

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