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PostgreSQL9.3でのストリーミングレプリケーション環境の構築

Last updated at Posted at 2015-01-02

はじめに

PostgreSQLのレプリケーションは、WEBに情報があるが、実際に構築した際には、細かい手順が省かれていたり少しハマったので、ここに簡単にまとめておく。

レプリケーションしたDBへの、クエリ分散にはpgpool-IIを利用したため、それについては別記事で書く予定。

前提知識

ストリーミングレプリケーション環境を構築する上で、一応知っておいたほうがいいこと。

レプリケーションの仕組み

マスタDBで発生したWALファイルを、スレーブとなるDBに反映させることで、レプリケーションを実現している。

レプリケーションの同期モード

こちらの記事がわかりやすい。
http://codezine.jp/article/detail/7109

同期・メモリ同期は、スレーブが1台の場合はスレーブに障害が発生すると、マスタへの更新も行われず、全体の障害につながってしまうので注意。

今回試した環境

  • CentOS 6.5
  • PostgreSQL 9.3.2
  • マスタ1台、スレーブ1台

構築手順

SSH鍵認証の設定

今回は、マスタサーバ上に出力したWALファイルを、スレーブサーバからSCPで受信する方式を取る。
マスタ・スレーブ間でWALファイルの送受信をするために、双方向のSSH鍵認証の設定をする。

マスタからスレーブへのSSH接続

LinuxユーザはPostgreSQLの実行ユーザ。(デフォルトでは、postgresのはず)

マスタサーバ上で、認証用の鍵を生成する。
※パスワードは未入力にする。

ssh-keygen -t rsa

公開鍵をスレーブサーバに転送。

scp ~/.ssh/id_rsa.pub [スレーブIP]:/tmp/

スレーブサーバ上で、転送された公開鍵をauthorized_keysに登録する。

cat /tmp/id_rsa.pub >> ~/.ssh/authorized_keys
# 念のためパーミッションを設定
chmod 700 ~/.ssh
chmod 600 ~/.ssh/authorized_keys

これでマスタからスレーブに対しては、鍵認証で接続できるようになったはず。
マスタ上で下記コマンドを実行して、スレーブにログインできればOK。

ssh [スレーブIP]

スレーブからマスタへのSSH接続

上記手順の逆を行う。詳細は割愛。

スレーブ上で下記コマンドを実行して、マスタにログインできれば完了。

ssh [マスタIP]

マスタDBにレプリケーション用のユーザを作成

REPLICATIONという権限を保持した、レプリケーション専用ユーザを作成する。
※ ユーザ名、パスワードは任意。

=# CREATE USER repl_user REPLICATION PASSWORD 'replication';

マスタDBのパラメータ設定

作成したユーザが、replication というDBへの接続できるように、pg_hba.conを書き換える。

pg_hba.conf
host replication repl_user 127.0.0.1/32 md5
host replication repl_user [スレーブIP]/32 md5
host replication repl_user [マスタIP]/32 md5

ストリーミングレプリケーションを行うために、postgresql.confを変更する。

postgresql.conf

#WALの出力内容をレプリケーションに対応
wal_level = hot_standby 

#同期方式:スレーブ非同期
synchronous_commit = local

#スレーブの数 + 1 
max_wal_senders = 2 
#スレーブDBの名前(任意)
synchronous_standby_names = 'slave-1'

#WALセグメントをアーカイブする
archive_mode = on 

#WALをアーカイブする時に利用するpostgresが利用するコマンド
#ここでは、マスタサーバの別ディレクトリにコピーしている
archive_command = 'cp -i %p /var/lib/pgsql/archive/%f < /dev/null'

#レプリケーション用に残しておくWALファイルの数
#WALファイルは順次削除されていくが、ここに指定した数だけはKeepされる。
#スレーブサーバへのレプリケーションが一時的に停止した場合でも、Keepされた範囲までは追いつくことができる。
wal_keep_segments = 16 

変更を反映させるために、postgresql再起動する。

pg_ctl stop -D /var/lib/pgsql/data
pg_ctl start -D /var/lib/pgsql/data

basebackupの作成

WALの送受信によるレプリケーションを開始するには、ある静止点の状態でマスタとスレーブのDBを同期させる必要がある。

スレーブで、pg_basebackupコマンドを実行することで、マスタDBのベースバックアップを行える。

pg_basebackup -h [マスタIP] -U repl_user -D /var/lib/pgsql/data -P --xlog

スレーブDBのパラメータ設定

pg_basebackupにより、スレーブサーバにはマスタサーバの設定ファイルがコピーされているので、下記部分だけを追加する。

スレーブへのWAL反映は、PostgreSQLのリカバリ機能を利用して行う。

recovery.conf
# onにすることで、全てのWALファイルを適用してもリカバリ完了状態とならず、WALの受信待ち状態となる
standby_mode = on

# マスタサーバのWALアーカイブの保存先を指定
restore_command = 'scp [マスタIP]:/var/lib/pgsql/archive/%f %p'

# マスタサーバに作成したレプリケーション用ユーザで接続する
primary_conninfo = 'host=[マスタIP] port=5432 user=repl_user password=replication application_name=slave-1'

postgresql.confも1行だけ変更する。
もし、マスタとスレーブでサーバスペックが異なるようであれば、メモリ関連のパラメータとなどは適切に見直す。

postgresql.conf
hot_standby = on

スレーブのPostgreSQLを起動する。

pg_ctl start -D /var/lib/pgsql/data

これで正常に起動が終了すれば完了。既にレプリケーションが行われている。

レプリケーションの確認

マスタサーバ上のpg_stat_replicationテーブルで、レプリケーションの状態が確認できる。

psql -c "select * from pg_stat_replication"
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