様々なノベル制作ツールがある中、「プログラミング&Unity未経験だけれども、宴でゲームを作りたい」という方は、「他のノベル制作ツールでは実現できない仕様や機能を実装したい」といった思いをお持ちの方が多いのではと思います。
とはいえ、プログラミングやUnityの経験がない場合、どうすれば自分がやりたいことを実現できるのか分からず、途方に暮れてしまうこともあるかもしれません。
この記事は、そういった方に向けてのアドバイスを目的としています。
自分のやりたいことが宴でできることかどうか確認
まずは、ご自身のやりたいこと(例えば、キャラクターの好感度をハートの数で表示させたい、タイトル画面でランダムにボイスを再生させたい、等々)が、「宴の機能を使ってできること」なのか、「宴の機能ではできないこと=Unityの機能を使ってできること」なのか、調べてみるのが良いと思います。
「宴の機能を使ってできること」であれば、ほとんどの場合、宴の公式ホームページのリファレンスやマニュアル、Q&Aにやり方が掲載されています。
公式ホームページ右上の「サイト内を検索…」に、自分がやりたいことのキーワードを入力して検索してみてください。
もし、自分のやりたいことが宴の標準機能で実現不可能であった場合も、Q&A等に実装のヒントが掲載されている場合があります。
例えば、「好感度」と検索すると、以下のように、好感度に関する記事が表示されます。
標準機能ではありません。
・パラメーターを反映するUIとスクリプトを自作する
・宴のシナリオから、UI操作コマンドで表示のオン、オフをする
http://madnesslabo.net/utage/?page_id=3406というのが良いかと思います。
このように、宴では実現できない機能であったとしても、実装のヒントを得られる場合があります。
宴で実現可能だった場合
宴の公式ホームページや、インターネット上の記事等を参考に制作しましょう。
解説を読んで難しいと感じても、実際にやってみると「あっ、こういうことだったんだ」と理解できる場合もあります。
自分ではどうしても分からないことが出てきたり、エラー等が発生して困った時は、宴公式ホームページのQ&Aで、開発者の時村様に質問すると良いと思います。(私もとてもお世話になっています。時村様、いつもありがとうございます。)
宴で実現不可能だった場合
この場合については後述します。
宴で実現できるかどうか分からなかった場合
調べても分からなかった場合は、宴公式ホームページのQ&Aで質問すると良いと思います。
また、現在宴に実装されていなくても、宴公式ホームページのロードマップに今後実装予定の機能として掲載されている場合もあります。
宴で実現不可能な機能を実装したい場合
この場合、宴ではなくUnityの機能を使って実装することになります。
そのために、まずはプログラミングやUnityに関する基礎的な単語の意味を身につけることが必要になってくるかと思います。
プログラミングやUnityを一度もやったことがない人の場合、「Unity パラメータ 表示」等、自分が知りたいことを検索をかけてヒットしたページを見ても、専門用語のオンパレードで、何が書かれているかさっぱり分からない、という状態になってしまいがちです。
解説を読むにしても、ゲームオブジェクト(Game Object)、ヒエラルキー(Hierarchy)、コンポーネント(Component)といった基本的な単語が身についていない場合、そこに書かれている内容を理解することは非常に困難です。
例えるなら、(現実には考えられない状況ですが)野球をしたいと思っている人が、「バット」や「バッターボックス」といった単語すら知らなかった場合、「バットを持ってバッターボックスに立ってください」と言われても、何をすれば良いのか全く理解できないのと同じ状況です。
少し回り道をすることになってしまいますが、C#やUnityの入門書を読んで、基礎的な知識や単語を身につけてから自分のやりたいことを調べるのが良いかと思います。
入門書を読むとは言っても、全てを読んで理解するのは大変ですので、ごく基本的な部分と、あとは自分のやりたいことに関係しそうなところを読むだけでも、検索でヒットした記事に対する理解度が違ってくると思います。
C#やUnityの入門書はいろいろありますので、ご自身に合った本をお求めになるのが良いかと思います。
おすすめの入門書
C#の絵本
イラスト入りでとても分かりやすいです。
私が知る限り、最も易しいC#の入門書です。
Unity5入門 最新開発環境による簡単3D&2Dゲーム制作
Unityの基本的な概要やインターフェイスは、この本のChapter1とChapter2を読めば理解できると思います。
Unity5の教科書 2D&3Dスマートフォンゲーム入門講座
C#スクリプトについての解説もあり、イラスト入りで分かりやすいです。
Unity ゲームエフェクト入門 Shurikenで作る! ユーザーを引き込む演出手法
ゲーム内でパーティクルを使用したい方におすすめです。
設定されている数値等、参考になります。
UnityゲームUI実践ガイド 開発者が知っておきたいGUI構築の新スタンダード
こちらは入門書ではありませんが、UIで何かをしたい方へのおすすめ書籍です。
宴の開発者である時村様が共著で書かれています。
公式ホームページの動画で実際の操作が分かりやすく解説されていて、理解しやすいです。
入門書を読んだ後
基礎知識を身につける前は、検索してヒットした解説を読んでも「知らない専門用語ばかりの状態」だったと思うのですが、入門書を読めば「少しは知っている単語や概念がある状態」になるので、解説を理解できる可能性が以前よりも高くなります。
あとは、解説の中にある分からない単語を検索にかけたり、書籍で調べたりすれば、以前は全く分からなかった内容を理解することができるかもしれません。
分からないことを質問したい場合
どうしても分からないことがあった場合、ネット上のコミュニティやサービスを利用して質問するという方法があります。
また、イベントや勉強会に参加するという方法もあります。
ネット上で質問可能なコミュニティやサービス
Unityユーザー助け合い所
最も有名なコミュニティです。
facebook上にあるため、実名での登録および助け合い所への参加申請が必要です。
質問の内容は全体的にハイレベルなものが多いです。
SlackにUnityのコミュニティを作成しました
Slackはfacebookと異なり、実名でなくてもOKです。
teratail(テラテイル)
Unityに関する回答は、2016年10月22日現在950件以上あります。
質問投稿時、タイトルの左側をクリックすることで、初心者マークをつけて質問することが可能です。
参考:プログラミングの質問サイト『teratail』が超便利!初心者でも安心して質問できる!
Yahoo!知恵袋
Unityに関する回答は、2016年10月22日現在3000件以上あります。
stack overflow(スタック・オーバーフロー)
Unityに関する回答は、2016年10月22日現在270件以上あります。
イベントや勉強会に参加する
unity県人会議
ATND
Doorkeeper
connpass
ノベじゃむ
最後に
初心者が自分がやりたいと思うこと(なおかつ、宴の機能にはないこと)を実現するには、かなりの時間と労力(勉強や試行錯誤等々)が必要です。
ただ、Unityは自由度が高いので、やりたいことを実装する手段はきっとあると思います。
自分で調べて実装していくことは大変ではありますが、がんばってください。