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React on 現場 ~ あるいは Modern JavaScript on Rails ~

Last updated at Posted at 2016-06-20
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これは何

JSer.info 5周年記念イベント - connpass (2016/01/16) にて発表した資料。特に理由はないが公開するのを忘れていた。

スライドモードのリリースにあたって公開する


近況(2016/01/16)

  • 昨年9月 Kobito for Windows => Qiita開発チーム
  • モダンなJS(当社比)を導入しようとした

モダンなJSとは(mizchi主観2016版)

  1. npm/browserifyで依存を解決
  2. Babel/ES2015
  3. React/Flux
  4. Testable
  5. No More jQuery plugins

※これらの基準について今回は割愛


現実(2015)

  1. CoffeeScript
  2. Sprockets / グローバル名前空間渡し
  3. Backbone
  4. JSのテストはjasmineで数件 (※request specは豊富)
  5. jQuery plugins や jQuery UI まみれ

初見での評価

  • Qiitaは2012年から開発されている
    • 当時の選択基準としてはスジ悪ではない
  • 十分にユーザーに価値を提供している(重要)
    • 価値を生まないコードはメンテする価値が無い
  • ただちょっとCTO(yuku_t)の手癖がちょっと強いかな…

降ってきた仕事

=> なんかよくしてくれ


なんかよくする


なんかよく

  • モダンな開発環境を導入する
  • 今のコードを洗練させる
  • 再利用するコードとできないコードを分別する

最初の失敗


失敗

  • 編集画面を書き換えようとした

inline


書き換えようとした理由

  • コードが多いので置き換えればごっそり消せる
  • 拡張の要望が多い
  • エディタならKobitoの開発のノウハウを活かせる

破綻へ

  • まずやっぱり分量が多い
  • つつくと無限に知らない仕様が出てくる
    • そもそもドメイン知識がなかった
  • 判明する仕様を継ぎ接ぎするとコードが綺麗にならない…

進捗

  • 「2週間ぐらいで終わらせるわ〜」
  • 書き直したコードが読み易くならず辛い
  • => 2ヶ月たっても終わらず

結果

  • 一部のぞいてコードを破棄して中断

教訓

  • 仕様を理解してないもののコードは書けない
  • モジュールの境界面が明示されてないものは分解できない
  • 「別実装で元の仕様を完全再現」はエネルギーの無駄
  • 見積もりは失敗する

振り出しに戻る


決意

  • エコシステムを整理しよう
  • 現時点での負債と使える部分を認識しよう

ゴールの設定

  • 新規モジュールを負債を引き継ぐことなく受け入れられる環境
  • Turbolinks(PushState)が導入可能な初期化フローを作る(使うかはともかく)

Rails上のフロントエンドエンジニアの設定

  • React.Component提供おじさん

やらないこと

  • CoffeeScriptのコードはそのまま(段階的に破棄する)
  • Backboneのコードはそのまま(段階的に破棄する)

足元を見直す


やったこと

  1. npmに依存ライブラリを集約
  2. Sprockets => browserify(-rails)
  3. ユニットテストの導入
  4. Reactでコンポーネントを置き換え

1. npmに依存ライブラリを集約


npmに依存ライブラリを集約: 元の状態

  • ライブラリごとに異なるCDNを参照
  • オーバーヘッド大
  • どのライブラリのどのバージョンを使ってるか見通しが悪い

npmに依存ライブラリを集約: 変更後

  • npmとbowerでライブラリの依存を解決するようにした
  • 1つのファイルに固めて自前の S3から CloudFront で配信
  • 更にnpmに集約を進めてbowerを削除
  • bowerやめろ

2. Sprockets => browserify


browserify導入

  • commonjs形式で書かれたファイルを静的解析して1つのファイルにビルド
  • グローバル変数を使わずにモジュールの解決ができるようになる

  1. そして Sprockets を捨てる

Sprockets

  • Rails上のデファクトの標準モジュールシステム
  • 拡張子ごとに変換

Sprocketsの問題

  • ファイルスコープで返り値を持てない
  • nodeで動かない
  • rubyの問題とjsの問題を切り分けられない
  • JSエコシステムに乗れない
  • Sprocketsで動くJS系のgemメンテされない

hoge.js.coffee.erb

# require_tree ./foo_dir
# require app

必ず asset_root(app/assets/javascripts) から解決



書き換える


書き換えたい…

  • 分量が多い
  • 平行して開発している機能がたくさんある
  • ちんたらやってると無限にコンフリクトする

解法


  • なんかやる
function convertSprocketPathToCommonjsPath(root, fpath, spath) {
  if (/^\./.test(spath)) {
    return spath;
  }
  let relToRoot = path.relative(fpath, root);
  let rel = path.join(relToRoot, spath).replace(/^(\.\.\/)/, "");
  return rel.indexOf("..") > -1 ? rel : "./" + rel;
}


fit


達成

  • ファイル単位の依存は明示された
  • グローバル変数依存なのは変わらず

Qiitaのモジュールシステム(旧)

  • Sprocketsでファイル連結
  • グローバル変数渡し
new Qiita.views.HomeView();

//= require foo
Qiita.util.foo();
Qiita.util.bar = function(){...};

const foo = require('./foo');
foo();
module.exports = function bar() {...}

browserify によってもたらされるもの

  • 依存がそれぞれのファイルで完結した状態
  • 単体テスト可能な閉じた参照の提供
  • 名前空間の初期化順に左右されなくなる

この過程でやったこと


gulp

  • 「フロントが更新されたら npm install と gulp を叩いてください~」
  • => しない
  • 「動かないんだけど」
  • => 対応で一日が終わる

Sprocketsを捨てる準備


browserify-railsについて

  • 中で使ってるのはbrowserify-incremental
  • たまに変なキャッシュ握って更新されない
    • なんか tmp/cache/browserify-rails 消すと動くぞ!
  • ぶっちゃけwatchifyの方が速い
    • babelの初期化の差
  • いろんなトレードオフ考えてアリ

結果

すべてを browserifyのtransform で解決した


  1. ユニットテストの導入

状況

  • browserifyによって各モジュールの依存が明示された
  • jasmineが重いのでnodeでユニットテストしたい
  • E2Eテストはまだ考えない

テスト対象

  • 書きなおして分解された再利用性のコード
  • 新規に書かれる react component

重要: Backbone.View/Backbone.Router はテストしない


テストを書く


書き換え

+ module.exports =
Qiita.util.foo = function() {...}

テスト

import foo from "../../src/util/foo";
describe("util", () => {
  describe("foo", () => {
    it("returns foo", () => {
      assert.equal(foo(), "foo");
    });
  });
});

潰す

  • git grep 'Qiita.util.foo'
  • 全部requireに書き換える
  • Jasmineのコードを全部置き換える

カバレッジ


カバレッジ環境を作る

  • isparta/mocha
  • ES6 でテスト書ける(SourceMap)

npm run test-cov

$(npm bin)/babel-node $(npm bin)/isparta cover -x '**/vendor/*' --report text \
  node_modules/mocha/bin/_mocha -- --reporter dot -r \
  client/spec/spec-helper.js --timeout 10000 --recursive client/spec

長い


とにかくカバレッジを下げる

  • 気合でモックする(jsdom使った)
  • 読み込めるだけ読み込む(カバレッジ30%まで低下)
  • 下がる
  • テストを書く => カバレッジ上がる

テストの例

  beforeEach(() => {
    deleteSrcCache();
    let jsdom = require('jsdom').jsdom;
    global.document = jsdom('<html><body></body></html>')
    global.window = document.defaultView;
    global.navigator = window.navigator;
    global.location = window.location;
  });

  afterEach(() => {
    delete global.document;
    delete global.window;
    delete global.navigator;
  });

毎回 require cacheは消す

export function deleteSrcCache() {
  Object.keys(require.cache).map(cachePath => {
    if (/src/.test(cachePath)) {
      delete require.cache[cachePath];
    }
  });
}

グローバル変数に副作用があると require cacheに引っかかってしまうと再定義されない


3 Reactに書き換え


Qiitaのヘッダ

fit


React化

  • Fluxの選定面倒だったのでベタ書きした
  • react-rails の prerender: false で書き出し

flumpt

  • ヘッダみたいな独立した小さいコンポーネントで小さくFluxできるのが必要
  • https://github.com/mizchi/flumpt 作った
  • 本番でちょっとだけ使ってる

fit


react-rails

  • Rails側で = react_component("Header", {a: 1}, {prerender: false})
  • <div data-props='<serialize化されたjson>'..>...</div>
  • Rails => JSのデータ受け渡しプロトコルがほしかった
  • SSRはサーバーの負荷みて段階的に導入(したい)

react-unit

  • pzavolinsky/react-unit: Lightweight unit test library for ReactJS https://github.com/pzavolinsky/react-unit
  • reactのテストユーティリティ
  • 使い続けるか迷ってる
  • ReactのshallowRendererのラッパー

追記(2016/06/20)

今なら airbnb/enzyme: JavaScript Testing utilities for React がおすすめ


まとめ


まとめ


これから

Qiitaよくするんで待ってて


参考1

  • babel-plugin-typecheck を使って flowtype 文法で書かれたJSをランタイムチェックする - Qiita
  • Node.js - nodeのテストの前後で名前空間が拡張されてないか確認する - Qiita
  • JavaScript - テストがないJS環境にモダンなテスト環境を導入していく - Qiita

参考2

  • node環境下で .jade ファイルを react-jadeとして読み込む - Qiita
  • browserify - app/assets/javascripts以下のJSを全てcommonjsのrequireに書き換える - Qiita
  • redux への 不満を解消する為に, flumptというFlux実装を作った - Qiita

おわり

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