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Amazon EC2上にRed Hatインスタンスを作成してElixir Reportをコンソールインストールする手順

Last updated at Posted at 2017-04-13

帳票ツールElixir Reportのレポートサーバーを、Amazon EC2上のRed Hat Enterprise Linuxにインストールした手順をまとめてみました。

デスクトップ環境のないLinuxインスタンスなので、GUIインストールではなく、コマンドラインからコンソールインストールした手順になります。

大きく4つの項目に分かれています。

  1. WindowsにTera Termをインストール
  2. EC2上にRed Hatのインスタンスを作成
  3. Elixir Reportのインストール
  4. Elixir Reportのサンプル確認

Amazon EC2のアカウントはすでに取得済みであることを前提としています。

環境

Windows 8.1
Elixir Report 8.7J
Amazon EC2 Red Hat Enterprise Linux 7.3

SSH接続用にWindowsにTera Termをインストールする

  1. 作成するRed HatインスタンスにWindowsからSSH接続するために、Tera Termを利用します。 Tera Termの日本語ページからダウンロードします。記事執筆時(2016年11月)で最新のバージョン、4.92のインストーラ(teraterm-4.93.exe)をダウンロードしました。

    0TeraTermダウンロード.png


1. ダウンロードしたteraterm-4.93.exeをダブルクリックで起動して、インストールを実行します。選択項目はすべてデフォルトとしました。 ![1TeraTermコンポーネントの選択.png](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/152421/c810e2f3-c1b1-70db-2a8c-092073cf9ffd.png)
1. インストールを完了します。

Red Hatインスタンスの作成と準備

  1. Amazon EC2にログインし、[インスタンスの作成]をクリックします。

  2. “Red Hat Enterprise Linux 7.3”のインスタンスの[選択]をクリックします。
    2RedHatインスタンス選択.png


  1. ステップ6[セキュリティグループの設定]で、Elixir Reportのレポートサーバーが使用するポート”7001”、サンプルで使用するTomcatのポート”9090”を追加します。それ以外のステップはデフォルト設定を使用しました。
    3セキュリティグループ.png

1. インスタンス作成の確認のステップで、キーペアをダウンロードしておきます。 ![4キーペアダウンロード.png](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/152421/0c26bb34-e0db-908c-8581-eddf45c9ed65.png)   1. 作成が完了したら、Tera Termを使って作成したインスタンスにログインできるか試してみます。ホストのアドレスは、EC2ダッシュボードでインスタンスの”パブリックIP”に表示されているアドレスを指定します。 ![5TeraTerm_IP.png](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/152421/f015a503-5487-c8be-4a69-de4932954027.png)   1. 初めて接続するホストの場合は、セキュリティ警告が表示されます。[続行]をクリックして進みます。 ![6TeraTerm_初回接続.png](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/152421/5a8d4613-d702-e9a1-be36-076d1dc663de.png)   1. ログインユーザーに”ec2-user”、”RSA/DSA/ECDSA/ED25519鍵を使う”にチェックし、[秘密鍵]をクリックして、インスタンス生成時にダウンロードしたキーを選択します。 ![7TeraTerm_秘密鍵.png](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/152421/cfdf57e7-4b8c-a57d-0ccb-16dd9e60f3c4.png) 注意:秘密鍵ファイルの選択時は、”すべてのファイル”を選択して.pemファイルを表示します。 ![8TeraTerm秘密鍵の選択.png](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/152421/816e8c24-de99-fac0-ed4d-cec208e979b1.png)   1. 接続できたら、タイムゾーンをAsia/Tokyoに変更しておきます。
```shell-session
$ sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
```

レポートサーバーのインストーラをRed Hatに転送する

  1. レポートサーバーのLinux OS用インストーラ(elixirreport87_linux64.bin)をRed Hat側に転送します。転送はTera TermからSSH SCPを利用して行います。Tera Termの[メニュー]をクリックして[SSH SCP]を選択します。
    9TeraTerm_SCP.png
    【注意】インストーラのzipファイルを転送してRed Hat上で解凍する場合、筆者の環境ではunzipコマンドが”command not found”となりインストールされていなかったため、インストールの必要がありました。

    $ sudo yum –y install unzip
    
  2. [From:]には、Windows側にあるインストーラを、[To:]にはec2-userのホームを指定して、[Send]をクリックします。
    10TeraTerm SCP.png


1. 同様に、インストールで必要になるレポートサーバーのライセンスファイル(*.license)も転送しておきます。

レポートサーバーをインストールする

  1. インストールは現在ログインしているec2-userで行います。ec2-userのLANG環境変数が英語になっている場合は、日本語(ja_JP.UTF-8)に変更しておきます。

    $ echo $LANG  
    en_US.UTF-8  
    $ export LANG=ja_JP.UTF-8  
    $ echo $LANG  
    ja_JP.UTF-8
    
  2. 転送したインストーラに実行権限を与えます。

    $ chmod +x ./elixirreport87_linux64.bin
    $ ls -la
    -rwxr-xr-x. 1 ec2-user ec2-user 279506476 Sep 29 00:00     elixirreport87_linux64.bin
    
  3. コンソールインストールを実行してみます。次のコマンドで行います。

    $ ./elixirreport87_linux64.bin -i console
    

    【注意】もし、次のようなlibc.so.6のNo such fileエラーが出力されたときは、コマンドで”quit”と入力し、一旦インストールをキャンセルします。

    $ ./elixirreport87_linux64.bin -i console
    Preparing to install...
    Extracting the JRE from the installer archive...
    Unpacking the JRE...
    Extracting the installation resources from the installer archive...
    Configuring the installer for this system's environment...
    strings: '/lib/libc.so.6': No such file
    

    その後、次のコマンドで必要なライブラリをインストールしてください。

    $ sudo yum -y install libc.so.6
    
  4. [使用許諾契約の同意]に”y”を入力して進みます。


5. [ライセンスキーファイルの登録]で、転送しておいたライセンスファイルのフルパスを入力します。
6. ライセンスの登録ができたら、”next”と入力して次のステップに進みます。
7. [インストールモジュールの選択]はデフォルトのまま、”next”と入力して次に進みます。
8. [ポート番号]の設定では、Red Hatインスタンスを作成したときに[セキュリティグループの設定]で追加したポート番号”7001”のまま[Enter]キーを押して次に進みます。
9. レポートサーバーのログレベルは、デフォルトの”2-INFO”のまま[Enter]キーを押して次に進みます。
10. [インストールフォルダを選択]のステップでは、書き込み権限のあるec2-userのホームディレクトリ以下を指定することにします。 ![11インストール先.png](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/152421/59519eb1-c04f-4f25-e126-32c27d7b2562.png)
11. [インストール前の要約]を確認して、[Enter]キーを押します。問題がなければ、”おめでとうございます”という完了メッセージが表示されます。[Enter]で終了します。

インストール後のレポートサーバーを起動する

  1. /home/ec2-user/ElixirReport87J/bin/に移動します。

    $ cd /home/ec2-user/ElixirReport87J/bin
    
  2. レポートサーバーの起動シェルスクリプトを実行します。

    $ ./reportserver-start.sh &
    

    ※&を付加してバックグラウンド実行にしています。

    【注意】起動ユーザーのLANG環境変数が英語の場合、レポートサーバーが英語ロケールで起動され、Webインターフェースのメニュー等が英語表示されます。日本語ロケールへ変更して起動を行います。


3. 起動に成功すると、コンソール上に次のようにCopyrightが表示されます。
```shell-session
INFO  [main] com.elixirtech.ers2.Main - Copyright 2016 Elixir Technology Pte Ltd
INFO  [Thread-19] com.elixirtech.ers2.EnsureServerStarted - Checking server status
```
  1. Windows上のブラウザからレポートサーバーのWebインターフェースにログインしてみます。

    http://<パブリックIP>:7001
    12WebインターフェースURL.png

    【注意】ログイン画面が表示されないときは、以下のような原因が考えられます。
    ・レポートサーバーの起動に失敗している
    ・Red Hatインスタンスの[セキュリティグループの設定]で、ポート”7001”を追加していない


5. ログイン画面が表示されたら、デフォルトで用意されている次の管理者ユーザーでログインします。
```
ユーザー名: admin
パスワード: sa  
```
  1. [リポジトリ]-[samples]以下のレポートテンプレート(*.rml)で、レポート生成を試してみます。レポートは生成されましたが、チャート内の日本語が文字化け(□)している箇所がありました。Red Hat側に必要な日本語フォントがインストールされていないためです。  
    13フォントインストール前のPDF結果.png※/samples/demo/sales2.rmlをPDF形式で生成した例

日本語フォントをインストールする

  1. ブラウザで、Webインターフェースのメニューから[管理]-[サーバー]と選択し、[シャットダウン]ボタンをクリックして、レポートサーバーを一旦停止します。

  1. Tera Termに戻り、日本語フォントを次のコマンドでインストールします。今回は、IPA明朝、IPAゴシック、VLゴシックファイルをインストールします。

    $ sudo yum -y install ipa-mincho-fonts ipa-gothic-fonts vlgothic-fonts
    
  2. また、システムのフォントを管理するfontconfigをインストールします。

    $ sudo yum –y install fontconfig
    
  3. レポートサーバーの起動シェルスクリプトを再度実行してレポートサーバーを起動し、もう一度レポートを生成してみます。今度は正しく表示されるようになりました。
    14フォントインストール後の結果.png

Tomcatを起動してサンプルWebアプリケーションを試す

  1. Tomcatの起動は、同じく/home/ec2-user/ElixirReport87J/bin以下で次のコマンドを実行します。

    $ ./tomcat-start &
    
  2. ブラウザからアクセスします。サンプルのTomcatで使用するポートは9090です。

    http://<パブリックIP>:9090
    
  3. [レポートサーバーAPI基本Webアプリケーション]から次ページの [BasicReportServlet]を選択して、レポートが問題なく作成されるか確認します。
    15Tomcat01.png


4. 問題なく表示できることが確認できました。 ![16Tomcatサンプル03.png](https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/152421/f1a086ee-204a-6c24-0368-d8bb5e2e02f3.png)

以上で終了です。

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