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strict 拡張モジュールを導入してスカラー型のタイプヒントを利用する

Last updated at Posted at 2014-11-18

PHP 5.6 で標準モジュールとして導入された phpdbg の作者である Joe Watkins さんが strict 拡張モジュールを公開しました。くわしい経緯に関しては Joe さんのブログ記事をご参照ください。このモジュールを導入すると、次のスカラー型のタイプヒントが利用できるようになります。

  • string
  • integer, int
  • float, double
  • boolean, bool
  • resource

まだ正式バージョンはリリースされていないので、モジュールの利用は学習や評価を目的としたローカル環境にとどめておいたほうがよいでしょう。

インストール

strict モジュールをインストールするには次のコマンドを実行します。

pecl install strict-beta

Windows 版は準備中とのことです。パッケージ情報のページによると 0.2.0 では PHP 5.4.0 とそれ以降のバージョンを対象としてます。

php.ini もしくは スキャンの対象となるディレクトリの ini ファイルに次のコードを追加します。

extension=strict.so

ini ファイルのパスを調べるには次のコマンドを実行します。

php --ini

モジュールが読み込まれるかどうかを調べるには次のコマンドを使います。

php -m

試してみよう

string

ユーザー関数を定義して、string 型のタイプヒントを試してみましょう。

var_dump(
    foo('bar'),
    foo(10)
);

function foo(string $str) {
    return $str;
}

実行すれば、次のエラーメッセージが表示されます。

PHP Catchable fatal error:  Argument 1 passed to foo must be string, integer given in /Users/masakielastic/test/test.php on line 8

Catchable fatal error: Argument 1 passed to foo must be string, integer given in /Users/masakielastic/test/test.php on line 8

boolean、bool

0、0.0、"0"、null、[]、など empty 関数が false と判定する「falsy value」(false っぽい値)をユーザー関数の引数に渡すとエラーになることを確認してみましょう。

function accept_bool(bool $bool) {}
accept_bool(null);

resource

cURL ハンドルを受け取り、それ以外のリソースが来たときはエラーにしてみましょう。

function accept_curl_resource(resource $ch) {

    if ("curl" !== get_resource_type($ch)) {
        exit("$ch is not curl handle.\n");
    }

}

$ch = curl_init();

$file = "test.txt";
touch($file);
$handle = fopen($file, "r");

accept_curl_resource($ch);
accept_curl_resource($handle);

制限事項

このモジュールの制限事項はデフォルトの値に null しか指定できないことです。Joe さんのブログ記事によれば、対策を考え中とのことです。

var_dump(
    foo()
);

function foo(string $str = null) {

    if ($str === null) {
        return 'bar';
    }

    return $str;
}

今後の対応

今後、追加する予定の機能として、PHP 7 に向けて提案されている安全な型変換関数 (RFC: Safe Casting Functions) が挙げられています。この RFC が通った場合、PHP 5 系でも利用できるようにし、RFC が通らなければ strict_cast という名前の関数を導入するとのことです。また、戻り値の型宣言 (RFC: Return Type Declarations) の RFC が通った場合にも対応するとのことです。

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