(2021/11時点の情報に合わせて更新しました)
IBM Cloud上でよくご利用いただいているサービスの一つにNo SQL DatabaseのCloudantサービスがあります。このCloudantを利用する際にはカタログページから無料のLiteプランか有料のStandardプランをご利用いただきます。特にStandardプランを利用いただく場合に、価格に関する説明が非常にわかりにくいというご指摘をよくいただきますので、今回は補足の説明をしたいと思います。
Cloudantサービスのカタログページ:
https://cloud.ibm.com/catalog/services/cloudant
ご利用条件
https://www.ibm.com/support/customer/csol/terms/?id=i126-6627
Standardプランはスループットに応じた課金モデルでご提供
Standardプランに関する価格はカタログのページを見ただけでは正直よくわかりません。実はここには重要な考え方の説明が抜けています。
StandardプランではRead/Write/Query(旧称Read/Write/Global Query)という3つの操作のスループットに応じた課金が行われます。具体的には 100 Reads/秒, 50 Writes/秒, 5 Querirs/秒を1つのユニット(ブロック)とし、ユニット単位でスループットの増減することができます。
IBM Cloud Docs:
https://cloud.ibm.com/docs/services/Cloudant?topic=cloudant-pricing
サービス・インスタンスをプロビジョニングする際には、1ユニット分のスループットでプロビジョニングされ、後にお客様はスループットを管理コンソールから変更することができます。変更の際は無停止で新しい設定値が反映されます。
1ユニット | |
---|---|
Readの実行回数上限(毎秒) | 100 |
Writeの実行回数上限(毎秒) | 50 |
Queriesの実行回数上限(毎秒) | 5 |
個々のドキュメントのサイズの上限 | 1MB |
標準価格に含まれるストレージ領域 | 20GB |
スループットとして指定された実行回数の上限を上回る頻度でAPIが呼び出された場合には、実行エラーが発生します。このときHTTPレスポンスコード 429 Too Many Requests
の応答が返されます。このようなケースではスループットのユニット数を増加するか、業務的に許されるのであれば少し時間をおいてリトライするように呼び出し元のアプリケーションで工夫する必要があります。
スループットのユニット数を変更するには、Cloudantのサービス・インスタンスの管理コンソール画面で変更できます。「Select Capacity」のスライドバーをスライドさせることで変更が可能です。最大で100ユニットまで拡張できます。
1ユニット分の設定
3ユニット分の設定
利用料金は?
スループットを構成する要素ごとに単価が定められ、ユニットあたりの料金を算出することができます。
なお実際には1ヶ月730時間で計算しており、若干の増減が見込まれます。年間の平均額としてご理解ください。
1回/秒あたり(月額) | 1ユニットあたり(月額) | |
---|---|---|
Read | 28.000775円 | 2,800円 (100回/秒) |
Write | 56.00155円 | 2,800円 (50回/秒) |
Queriey | 560.0155円 | 2,800円 (5回/秒) |
1ユニットあたり合計8,400円 |
なお、ストレージは20GB分が標準で追加料金なくご利用いただけますが、超過分はGBあたり112.0031円/月でご利用いただけます。
請求時にはユニット数ならびにストレージ量は1ヶ月間のご利用の平均量に基づき請求が行われます。また月の途中でご利用開始もしくはご利用終了された場合にはご利用期間に応じて按分された料金が請求されます。
ご利用料金見積もり金額の例)
1ユニットご利用かつ、ディスクは1ヶ月間で平均で0GB容量オーバーしていた(20GBの枠内で利用)とすると
8,400[円/ユニット] x 1[ユニット] + 112.0031[円/GB] x 0[GB] = 8,400円が見積もり金額となります。
この金額が1ヶ月ご利用時の最低料金となります。
3ユニットご利用かつ、ディスクは1ヶ月間で平均で15GB容量オーバーしていた(つまり35GBを使っていた)とすると
8,400[円/ユニット] x 3[ユニット] + 112.0031[円/GB] x 15[GB] = 26,880円が見積もり金額となります。
勘違いしやすいポイント
- Read/Write/Queriesの利用頻度に基づく従量課金ではありません。選択されたスループットの上限以内での利用が可能で、スループットの大きさに応じた課金が発生します。
- スループットの上限値を動的に変更することはありません。お客様にてスループットの上限を設定いただきます。
- 月額の料金の記載は月間730時間として時間課金の料金を積算したものです。実際には時間課金でご利用料金が発生します。