転職 Advent Calendar
こんにちは、 @ma3tk です。
この記事は 転職(その2) Advent Calendar 2016 の 15日目の記事です。
みなさん転職された時のお話が多いですが、本日はちょっとまた違った視点で「いい会社かどうかを見分けるためにどうするべきか」について書きたいと思います!
後ほど見分けるためのチェックリストも記載しています。
いい会社かどうか
この記事を読まれてる方は多分 Web 系の方が多く、ご自身や周りの同僚が転職する機会が多いのではないかなと思います。
知人の紹介で転職される方だと信頼関係があって魅力も伝わりやすく採用される率も高いケースが多いですね。
そうでない場合、「エージェント経由」or 「求人が載ってるサイトを巡る」などで、多数ある企業から絞り込んでいくと思いますが、これって相当大変ですよね。
「会社の名前を聞いてもぶっちゃけ知らない」ってなりますし。
でも、実は「その会社の募集要項(求人票)」を見れば大体その会社がいい会社かどうかがある程度判別出来ると思っています!
なぜ募集要項(求人票)を見れば大体わかるのか
実は今、Findy (ファインディ) というハイスキルなエンジニア向けのプレミアム転職サービスを提供してる会社で CTO やってます。
良い求人かどうかをリアルタイムに分析してくれるそのサービスを作るために、世の中に公開されている募集要項1万件近くを解析してきました。
「あの会社は採用がうまくいってる」という会社があったりして、たまにそういう噂を聞いたりします。その募集要項を改めて見てみると、とても具体的に書かれてて、どういう人が欲しいのかというのがわかりやすいんです!!
逆に募集要項視点からすれば、きちんと欲しい人材が定義できてるから、応募する段階からそこそこ欲しい人材にマッチする人を集めてくることが出来ているとも言えます!
募集要項がよく書けているところはそれだけ人材の大事さを知っているので、将来的にも従業員によりそった経営をしてくれる会社になりえると僕は思っています。
だからこそ、募集要項はその会社の人材に対する熱量の現れなんじゃないかと思っています。
具体的に良い募集要項とは
というわけで、募集要項の重要性についてはある程度わかってもらえたかな、と思います。
では、具体的に転職する際に「良い募集要項かどうか見分けるためにはどうしたらいいのか」について、 6つほど例に上げてみます。
- 表現が正確であるか
- 適切な分類がされてるか
- 開発環境が書いてあるか
- 専門家にしかわからない詳しさがあるか
- 人物像がきちんと書いてあるか
- 会社の魅力が十分に書いてあるか
※会社や業種、職種によって違いはあるので自分が考える一例です
※自分はエンジニアなのでエンジニアの求人の例として以下書いていきます
1. 表現が正確であるか
例えば、
【必須スキル】
HTML、CSS、JavaScript言語の開発と運用
とあった時に、言語の開発
など、ちゃんと書いてないところは不信感出てきますよね。
必要なスキルを詳しく表現しきれてないと混ざって書いてしまうのかもしれません。
ちゃんと欲しい人物をわかって書いているかどうかがここから読み取れます。
【必須スキル】
HTML、CSS、JavaScript によるフロントエンドの開発と運用
と文章はきちんと書いてある方が読みやすいですし、違和感ないですよね。
当たり前のことなんですが、これすら出来てない企業さんが結構あったりするので、まともに書かれているということ自体でも実はプラスの要素であると捉えてもいいと思います。基本中の基本。
2. 適切な分類がされてるか
Ruby、JavaScript、DB設計ができること
という文章があった時に、
- それぞれで何がどれくらいできれば良いのか細分化されるべき
- 例えば、 Ruby は Ruby on Rails とかフレームワークの経験は必要?
- それとも LL 系の言語で MVC アーキテクチャ触ったことあれば大丈夫?
というあたりが気になります。気になること、もっとあるけど一例として。
それぞれが、
- Ruby on Rails を利用した大規模開発経験
- React や Angular2 、 ES2015(ES6) を使ったフロントエンド開発経験
- MySQL によるデータベース設計と実装経験
といった形で複数行にわたって具体的な内容を書くことが出来ると思います。
こう書かれてたほうが求職者側にとってわかりやすいですよね。
3. 開発環境が書いてあるか
これはあまり書いてある会社が多くない印象ですが、「実際に開発するためにはどんな感じでやっているのか知りたい」と思いますよね。
求職者はどんな事を気にするのか、という視点を企業側が持っていれば、開発環境が記載される可能性が高いです。
具体的に、
- 言語
- フレームワーク
- ミドルウェア
- インフラ
- エディタ
- 開発手法
- 人数
などなど。
4. 専門家にしかわからない詳しさがあるか
JavaScript の使用経験
とあった時に、以下のようにもっと具体的なスキル書いたらわかりやすいのに、と思うところがあります。
React と Redux などの Flux アーキテクチャを利用した JavaScript ライブラリの使用経験
しかしながら、これくらい詳しい内容は現場のエンジニアじゃないと書けないですよね。
現場のエンジニアが十分な長さを書いていれば、実際に欲しい人材にマッチする可能性が高くなりますので、良い求人と言えそうです。
5. 人物像(どんな人と働きたいか)がきちんと書いてあるか
具体的な例が難しいところですが、端的に言えば、「どういう事を自分に期待してるの?」「どんな人だと会社にマッチしそうなの?」って事が書かれてるかどうかです。
少なすぎても定義しきれてないし、多すぎても求め過ぎだし、ってところで大体5つくらいになるのではないかなと思っています。個数はそこまで本質的ではないですが、きちんと求めてる人物像が書けていて自分に合いそうかどうかが事前にイメージできるかどうかが重要ですね。
また、「エンジニアにそこまで求めるのか」という募集要項もあったりするのでここもスルーしないで読んでおくと良いと思います。
6. 会社の魅力が十分に書いてあるか
弊社のサービスの開発をしていただきます
と書いてあったところで、なにやるんだろう、というのが一切伝わってこない状態ですよね。
きちんと書かれているものは、
- そもそもなんでやってるの?
- そもそもなんで求人出したの?なんで人足りないの?
- どういうフェーズのサービスなの?
- 他社と違ってどういうところに強みあるの?サービス面での強みは?
- エンジニアリング周りでの強みや面白さは?
といったところが具体的に書いてあります。もちろんここが具体的な方が自分がしたい仕事のイメージに近いかどうかが判別し易いですよね。
チェックリスト
ということで色々書きましたが、チェック項目をいくつか作ってみたので、気になる求人がある場合に確認してみてください。
-
表現が正確であるか
- そもそも文章として正しいか
-
適切な分類がされてるか
- 言語やソフトウェアの種類別に書かれているか
-
開発環境が書いてあるか
- 言語
- フレームワーク
- ミドルウェア
- インフラ
- エディタ
- 開発手法
- 人数
-
専門家にしかわからない詳しさがあるか
- 欲しいスキルに対して具体的な説明がされているか
-
人物像がきちんと書いてあるか
- どういう事を自分に期待してるのか
- どんな人だと会社にマッチしそうなのか
- その職種に求めすぎてないか
-
会社の魅力が十分に書いてあるか
- そもそもなんでやってるのか
- そもそもなんで求人出したか
- どういうフェーズのサービスか
- 他社と違ってどういうところに強みあるの?サービス面での強み
- エンジニアリング周りでの強みや面白さ
もちろん、全部が全部これに当てはまるわけではないと思うので、適宜カスタマイズして使ってみると良いと思います。
まとめ
募集要項が具体化されている企業は失敗しない可能性が高いお話をしてきました。
簡潔に言えば、募集要項は詳しく、正しく、わかりやすく、オリジナリティを持って書かれている事が重要です。
あくまで具体的だから良い企業が完全に成り立つわけではないですし、自分にマッチするかはまた別です。実際に面談や面接などを繰り返してわかる部分もあります。
しかしながら、募集要項を読み込むことで無駄な応募や面接を自分も企業も減らすことで転職の効率化ができると思います。
軽視しやすかった募集要項についても、応募先はきちんと書けている企業かどうかを自分の中の転職の指標に入れてみてはどうでしょうか。
よい転職を!