Swift1.2からSwift2.0へ自動変換できなかったエラーの対応（Xcode7 + Swift2） #iOS

Xcode7.1にアップデートしたら、上のダイアログが表示されました。
どうやら、Swift1.2を使い続けるという選択肢はないようなので、しぶしぶ対応することに……。

環境

項目	旧	新
OS	Yosemite(10.10)	El Capitan(10.11)
Xcode	6.4	7.1
Target iOS	8.2	9.1
Swift	1.2	2.0

プラクテイス

地道に、Xcodeのbetaを追いかけていた方は、Swift2.0の文法に少しずつ書き直していって、緩やかに移行したと思います。
が、私みたいにとりあえず、xcodeの正式版が出てから対応しようと考えた人は、xcode自体のアップデート、iOSのアップデート、Swiftのアップデートと3つ重なり、数十のエラーと警告が表示されているのではないでしょうか。

とりあえず、自動変換を行ってみる
- Swift1.2のプロジェクトを開くと、前述の"Convert to Latest Swift Syntax?"ダイアログが表示ます
- 手順に従って、機械的に修正できる部分を修正する
- ビルドを行い、エラー＆警告がないか確認します
- この時点で、問題なくビルドが通り、実行できた場合にはラッキー
自動変換後、エラー＆警告が出た場合には、内容を確認して切り分けます
- Swiftの文法の問題なのか？（後述）
- iOS9に関する問題なのか？（実行は出来るけどネットワークで落ちるなどは、ATSの問題かもしれません)
- 外部ライブラリの問題なのか？（CocoaPodを使っている場合には、Podfileの『platform :ios, '9.1'』をxcodeのTargetOSに合わせるなどして試してみる）

自動変換されたケース

言語仕様として新しく追加されたもの

do
try, catch

戻り値で明らかに型がわかるもの

『as!』でのダウンキャスト指定が削除されていました
- うろ覚えだけど、『as!』自体、Swift1.1から、1.2にアップデートした際に追加されたような気が……。

sample_1_1.swift

// 1.2
func tableView(tableView: UITableView, cellForRowAtIndexPath indexPath: NSIndexPath) -> UITableViewCell {
    let cell = tableView.dequeueReusableCellWithIdentifier("MyCell", forIndexPath: indexPath) as! UITableViewCell
    return cell
}

// 2.0
func tableView(tableView: UITableView, cellForRowAtIndexPath indexPath: NSIndexPath) -> UITableViewCell {
    let cell = tableView.dequeueReusableCellWithIdentifier("MyCell", forIndexPath: indexPath)
    return cell
}

その他

println() -> print()

自動変換はされないけど、QuickFixが効いたケース

varからletへ

とにかく一度しか使われない値は、すべて定数（let）へ。安全性第一という言語仕様なのでしょう
エラーではなく、警告レベルだったと思います

sample_2_1.swift

// 1.2
var iconNum:Int = 2
// 2.0
let iconNum:Int = 2

自動変換しきれなかったエラーと対応

そのものズバリな回答にはならないかもしれませんが、どのようなメッセージが、どのような理由で表示されているか、イメージできるようになると思います。

Value of optional type 'String?' not unwrapped; did you mean to use '!' or '?'?

非オプショナル型への代入で、Forced Unwrapping(!)か、Optional Chaining(?)のどちらかを選択させられる
う〜ん、これも安全性への配慮でしょうか

sample_3_1.swift

// 1.2
var title:String = textField.text
// 2.0
var title:String = textField.text!

Use of unresolved identifier 'EKEventEditViewActionCanceled'

EKEventEditViewDelegate

EKEventは、カレンダーやリマインダーの操作をするクラスですが、微妙に定数が変更されていました
ドキュメントに『This information is subject to change,〜』と書いてあるので責められません……。

sample_3_2.swift

// 1.2
EKEventEditViewActionCanceled.rawValue
// 2.0
EKEventEditViewAction.Canceled.rawValue

// 2.0
enum EKEventEditViewAction : Int {
    case Canceled
    case Saved
    case Deleted
    static var Cancelled: EKEventEditViewAction { get }
}

Redundant conformance of 'HogeMainViewController' to protocol 'AdViewDelegate'

プロトコルの　冗長定義（二重定義）
たぶん、親クラスで同じクラスを呼び出しているので、子クラスで呼び出しをやめる（削除する）

sample_3_3.swift

// 1.2
class HogeMainViewController: HigeViewController, AdViewDelegate, UIScrollViewDelegate, WSCoachMarksViewDelegate {
}

// 2.0
class HogeMainViewController: HigeViewController, UIScrollViewDelegate, WSCoachMarksViewDelegate {
}

Nil is not compatible with expected argument type '()'

一部オプションに nil が指定できなくなりました

sample_3_4.swift

// 1.2
item.managedObjectContext!.save(nil);
// 2.0
item.managedObjectContext!.save();