はじめに
10/17にGR-CITRUSとWA-MIKANが発売されました。
[11/5追記]
10/31には、WA-MIKAN-FULLが発売されました。これを使えば、WA-MIKANにピンソケットをハンダ付けする手間が省けます。
GR-CITRUSは、GR-SAKURAと同等のマイコンを搭載し、ROM/RAMが倍(ROM 2M/ROM 256KB)になっている、小さいけどパワフルなマイコンボードです(一方でEthernetコントローラが省かれています)。mrubyという、省メモリ版のRuby実装を動作させることを1つの特徴としてつくられました。
WA-MIKANは、ESP8266という低価格WiFiチップを搭載し、ESP8266の弱点である電源まわりを強化されて使いやすくなったボードです。SDカードもついています。GR-CITRUSと合わせてつかうことで、GR-CITRUSにネットワーク機能(WiFi)とSDカード機能を拡張できます。
さて、何につかおう
GR-SAKURAにmp3を再生するスケッチがあるので、これをもっていけると発売前から思っていたのですが、さっそく中の人がGR-CITRUSに対応され、Webコンパイラーから使えるようになりました。
ということで、GR-CITRUSとWA-MIKANをつかってSDカードからmp3を再生することが簡単にできてしまいます。そこで、今回はGR-CITRUS + WA-MIKAN入門として、この手順をさっくりとまとめてみます。
用意するもの
ここでは一例をあげておきます。アンプやスピーカーは好みのものを用意すればいいです。
- GR-CITRUS
- WA-MIKAN-NORMAL or WA-MIKAN-FULL
- ピンソケット(12Pin) x 2 <- WA-MIKAN-NORMALの場合に必要
- ピンヘッダ(24pin以上) -> 12pinを2本作ります
- ブレッドボード
- SDカード
- スピーカー
- 386メインアンプ キット or 完成版
- 可変抵抗 A10K
- 音声用ケーブル(シールド線が推奨ですが、シールド線でなくてもOK)
- 電池スナップ
- 9V 電池
※モノラルになります。
GR-CITRUSとWA-MIKANをつなげる
まずは、GR-CITRUSとWA-MIKANをつなげます。
WA-MIKANは基板のジャンパ設定で、接続するピン構成を設定できるようになっています。
GR-CITRUSのライブラリはSerial3をつかうということなので、J3とJ5をハンダでショートしてあげる必要があります。
GR-CITRUSのライブラリはSerial3をつかうのですが、J3とJ5は出荷時にショートされていますので、そのまま使えます。
次に、GR-CITRUSにピンヘッダを、WA-MIKANにピンソケットをハンダ付けします。
そして、GR-CITRUSとWA-MIKANかさねて接続し、
そのままブレッドボードにさせば、GR-CITRUSとWA-MIKANの準備は完了です。
アンプの作成と接続
次にアンプを用意します。キットを購入した方は、付属の説明書を元に組み立てて下さい。
このアンプに、スピーカーと可変抵抗器、音声用ケーブル、電池スナップを接続します。
その後、音声用ケーブルをGR-CITRUSの0番ピンもしくは8番ピンとGNDに接続、電池をつなぎます。
ソースとmp3の準備
mp3を再生するスケッチが用意されているので、それを使用します。
がじぇっとるねさすのサイトからWebコンパイラーにログインします。
My Renesasのアカウントが聞かれるので、初めての方は登録してアカウントを取得してください。もしくは、ゲストログインで登録せずに施行することができます。この場合は、作成したプロジェクトは終了時に破棄されます。
Webコンパイラーの基本的な使い方は、公式ページの以下の項目をご覧ください。
今回は、プロジェクトの作成時のテンプレート選択で、「GR-CITRUS_MP3_WAV_V1.00.zip」(V1.00はバージョンアップされると変更になるので注意)を選びます。
プロジェクトが作成されたら、ビルド実行をおこなって、作成されたcitrus_sketch.bin
をダウンロードします。
GR-CITRUSでmp3再生
再生したいmp3ファイルをSDカードに書き込み、WA-MIKANのSDカードスロットに差し込みます。mp3ファイルのファイル名は、「8文字+拡張子"MP3"」という制限があります。より詳しいことは、citrus_WavMp3p
フォルダの中のreadme_j.txt
を参照してください。
次に、GR-CITRUSをUSBケーブルでPCに接続し、リセットボタンを押します。すると、GR-CITRUSがUSBメモリとして認識されますので、そこにダウンロードしたcitrus_sketch.bin
をコピーします。
少し待つと、GR-CITRUSが再起動され、mp3の再生が始まります。
最後に
サンプルプログラムでは、5番ピンをポーズ機能、4番ピンをスキップ機能として動くようになっているようなので、ボタンを追加してあげることで、mp3プレーヤーとしての操作が可能になると思います。
WA-MIKANのESP8266側でWifi通信も同時にできると思うので、これをベースにネットワーク機能を追加して、何か面白いデバイスが作れないかなと思っています。