AB=A+B なら AB=BA の証明
(1)「受験数学の回路」より XXX * YYY = I である。ヒント:因数分解みたいなもの !?
実際、単位行列を $I$ とすると $(I-A)(I-B) =I$
(2) 一般に、d × d 行列 F, G が $GF = I$ を満たすなら $FG = I$ である
(3) よって $(I-B)(I-A) =I$ より $B + A = BA = AB$
(2) の証明
行列 F のゼロ空間 $N(F) = \{ x | Fx=0 \}$ の任意の元を $x$ とすると、
$GFx = 0$ だから $GF = I$ より $x = 0$
したがってゼロ空間の次元は 0 なので、F は正則。すなわち G は F の逆行列である。
補足
(2) は「この問題が本のこの部分で出題されている」ことを使えばほぼ明らか。
実際この数ページ前に「逆行列の一意性」が示されている。
蛇足
会社の同僚もほぼ一発で解けたそうである。
パスルみたいで面白かったけど、逆にほぼ一発だったので楽しめなかった、とのこと。
なおわたしは、最初はわざとヒントを無視してやってみたが、途中で行き詰ってしまった。
やはり「最初の一手」を間違えると手間どってしまう。
この問題は「受験数学の回路」で (1) を見つけないとえらく難しいのかもしれない。。。。