はじめに
先日開催されたばかりの、Google I/O 2016で、Android Wear 2.0が発表されました。特に力を入れてフォローしている分野だけに、バージョンアップが行われてとてもうれしいです。
現在は、開発者向けプレビュー版が公開されているという状況です。そこで、実機やエミュレータを用いて、Android Wear 2.0の世界を体験すべくAndroid Wear実機(以降、Wear実機と表記)に最新OSを導入する手順を紹介したいと思います。
公式サイトの内容をベースとして、具体的な手順を解説します。
必要なもの
実機の場合は、LGE Watch Urbane 2nd Edition もしくは Huawei Watchが必要です。現時点では、これら2機種向けのシステムイメージのみが公開されているためです。他の機種をお持ちの方は、しばらく待つ必要があります。対象実機をお持ちでない方は、エミュレータで動作を確認することもできます。
実機への導入手順
簡潔に書くと、以下のステップで導入できます。スマホ(Nexus)に、システムイメージを焼く手順と同様の手順です。プレビューイメージを導入するには、ブートローダーの解除が必要で、端末の保証が無効となります。また、端末内の全データが削除されます。これらのリスクを理解した上で、自己責任の元に実行してください。
- 該当実機向けのシステムイメージをダウンロードする。
- Wear実機のadbデバッグを可能にする。
- Wear実機のブートローダーを解除する。
- Wear実機にシステムイメージを焼く。
1.該当実機向けのシステムイメージをダウンロードする。
Preview image for testingが開発者向けプレビューのシステムイメージです。PCの任意の場所にダウンロードしましょう。ちなみに、Non-preview imageは、Android Wear 2.0 プレビューのテストを終了し、元の安定バージョン(1.x)に戻すためのシステムイメージです。
2.Wear実機のadbデバッグを可能にする。
Wear実機の「設定」メニューの**「開発者向けオプション」**を有効にしているか否かによって、手順が異なります。
- 有効にしていない場合
- 「端末情報」をタップ後、メニューから「ビルド番号」を7回タップすると、「開発者向けオプション」が表示されるはずです。次の手順に沿って設定しましょう。
- 有効にしている場合
- 同メニューをタップし、ADBデバッグを有効にしましょう。
3. Wear実機のブートローダーを解除する。
PCとWear実機をUSBケーブル(もしくはコネクタ経由)で接続しましょう。 adbコマンドを用いて、adb接続ができているかを確認しましょう。
$adb devices
次に、fastmodeへ移行するため、以下コマンドを実行しましょう。
$adb reboot bootloader
Wear実機が再起動したら、ブートローダーのロックを解除するため、以下コマンドを実行しましょう。
$fastboot flashing unlock
幾つかの機種では、上記では解除できません。その場合は、以下コマンドを実行しましょう。
$fastboot oem unlock
4. Wear実機にシステムイメージを焼く。
最後に、1.のステップでダウンロードしたzipをPC上で解凍し、以下コマンドを実行しましょう。
- Mac/Linuxの場合
$flash-all.sh
- Windowsの場合
$flash-all.bat
しばらく待つと、焼き込みが完了するはずです。
おまけ
Android Wear 2.0の内容については、勉強会やセミナー等を通じて、情報発信していく予定です。こちらも楽しみにしていただけると幸いです:-)