習慣とは
脳が負荷を減らし、自動作業モードで行うこと
良い習慣もあるし、悪い習慣もある。
毎日の行動の、じつに40%以上が、「その場の決定」ではなく「習慣」だという
"習慣の力" P.2
習慣がおきるメカニズム
- 脳が常に楽をしようとするから
- 脳はできるだけ介入を避け、決まった手順をなんでも習慣にしようとする
- ただし節約しすぎると危険を察知できなくなるおそれがあるので、脳の基底核は習慣にバトンタッチするタイミングを決めるシステムをつくりあげた。
- 一連の行動が始まるとき、あるいは終わるときに必ず起こることだ
「きっかけ」「ルーチン」「報酬」
習慣は、きっかけ、ルーチン、報酬の3つに分類される
脳の中で起こっているこのプロセスは、3段階のループだ。
第一段階は「きっかけ」で、これは脳に自動作業モードになるように、そしてどの習慣を使うかを伝える「引き金」である。次が「ルーチン(きっかけに反応して起こる慣例的な行動や思考)」で、これは身体的なものだったり、脳や感情に関わるものだったりする。
そして最後が「報酬」で、これはある具体的なループを、将来のために記憶に残すかどうか、脳が判断するために役立つ。
時間が経つにつれ、この「きっかけ→ルーチン→報酬」というループは、どんどん無意識に起こるようになる。きっかけと報酬が相互につながると、強力な期待や欲求が生まれる。やがて、そこに一つの習慣が生まれる。
きっかけ
「ルーチン」となる行動・思考が起こるスイッチ。
その行動が起きるときに毎回あるもの
ルーチン
実際の行動・思考
報酬
行動・思考の結果、得られるもの。
身体的なものだったり、心理的・感情的なものだったりする。
習慣の例
- ストレスを感じる → 酒を飲む → 感情が開放される・リラックスする
- 退屈になる → 爪を噛む → 指先に適度な刺激を得る
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習慣を作り出す手法
- きっかけ、ルーチン、報酬を設定する。
- 起こしたい行動(ルーチン)によって得られる報酬と、それが行われるきっかけを設定する
- きっかけと報酬をアピールしつつ、ルーチンをおすすめする
- きっかけが起きたタイミングで、報酬が得られますよとルーチンを促す
- 脳がその報酬を求めるようになって初めて習慣化する
習慣を作り出して成功した例
ファブリーズ
「布から嫌なにおいを取り除こう」というキャッチフレーズで、単に消臭・除菌効果がありますよ。と訴えていたときは全然売れなかった。
そこでファブリーズを使う「きっかけ」と使ったことで得られる「報酬」と特定し、「生活のにおいを一新します」とキャッチフレーズも変更。
掃除のあとに、ファブリーズを使うことで お部屋に快適な香りが広がることを訴求して成功した。
習慣を変える手法
- きっかけ、ルーチン、報酬を特定する。
- 変えたい習慣(ルーチン)を引き起こす、きっかけ・報酬を特定する
- きっかけ・報酬はそのままに、ルーチンを変えてみる
- 変えたい習慣と同じ報酬を得られる、別の手段(新しいルーチン)を検討しきっかけが発生した際に、その新しいルーチンを促すように仕掛ける。
- 仲間を見つける
- 同じ境遇の仲間もしくは支援グループなど、習慣を変えられると自分が信じるのを助けてくれるコミュニティを活用することで、挫折せずに続けることができる。
習慣を変える例
- ストレスを感じる → 酒を飲む → 感情が開放される・リラックスする
- 酒を飲まずに感情が開放される仕組みを作る。
- 退屈になる → 爪を噛む → 指先に適度な刺激を得る
- 爪を噛む以外の方法で指先に刺激を得る方法を提示する
アルコール依存症更生会の施策
P.111
AA(アルコール依存症更生会)のプログラムが効果的なのは、アルコールの習慣を助長させるきっかけと報酬を自分で突き止めさせ、その後、新しい行動を見つけるのを手助けするからだと専門家は言う。P.112
次にAAはその人がアルコールからどんな「報酬」を得ているのかを自問させる。どんな欲求が習慣のループを動かしているのか。「酩酊状態」が答えとして出てこない場合も多い。通常、アルコール依存症患者が酒を求めるのは、逃避やリラックス、仲間との交流、不安の軽減、感情の解放の機会が得られるからだ。P.113
AAはアルコール依存症患者がバーで得るのと同じ報酬を与えるため、会合と仲間のシステムをつくり上げ、金曜の夜に酒を飲んで騒ぐのと同じだけの逃避と気晴らしとカタルシスを提供しようと努めている。安堵感が欲しければ、飲み仲間と乾杯するのではなく、支援者と話したり、グループの集まりに参加したりすることでそれが得られる。