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Rubyによるデザインパターン【Strategy】-取り替え可能パーツ群を戦略的に利用せよ-

Last updated at Posted at 2014-06-15

概要

Rubyによるデザインパターン第4章。
Strategy Pattern。

Rubyによるデザインパターン5原則に則って理解する。

どんなパターンか

抽象的な処理と具体的な処理を分離することで、
変化に強い構造を実現する。

→その目的はTemplate Methodとほぼ同等

Template Methodの課題

しかし、Template Methodには欠点がある。それは、
継承をベースにしていること。

継承の欠点
http://qiita.com/kidachi_/items/4b63de9ad5a97726c50c#2-3

  • スーパークラスの振る舞いの変更は、サブクラスの振る舞いを変える
  • サブクラスはスーパークラスの中身を覗くことが出来る

そこでStrategyでは、
変化しやすいコードの塊を抽出し、
全く別のクラスに閉じ込める。

つまり、集約を使う。

異なるオブジェクトからアルゴリズムを引き出す

同じ目的を持った一群のオブジェクトをストラテジ(群)と捉える。
ストラテジ群は、そのすべてが全く同じインターフェイスを提供する。

コンテキスト(ストラテジを利用する側)は、各ストラテジを
取り替え可能パーツとして扱うことが出来るようになる。

→関心の分離 を実現する。

実装

コンテキスト(ストラテジを利用する側)

class Report
  attr_reader :title, :text
  attr_accessor :formatter

  def initialize(formatter)
    @title = '月次報告'
    @text = ['最高!', '順調', '普通']
    @formatter = formatter
  end

  def output_report
    @formatter.output_report(self)
  end
end

ストラテジ1(フォーマット:HTML)

class HTMLFormatter
  def output_report(context)
    puts('<html>')
    puts('  <head>')
    puts("    <title>#{context.title}</title>")
    puts('  </head>')
    puts('  <body>')
    context.text.each do |line|
      puts("    <p>#{line}</p>")
    end
    puts('  </body>')
    puts('</html>')
  end
end

ストラテジ2(フォーマット:PlainText)

class PlainTextFormatter
  def output_report(context)
    puts("*** #{context.title} ***")
    context.text.each do |line|
      puts(line)
    end
  end
end

ストラテジの活用

[9] pry(main)> report = Report.new(HTMLFormatter.new)
[10] pry(main)> report.output_report
<html>
  <head>
    <title>月次報告</title>
  </head>
  <body>
    <p>最高!</p>
    <p>順調</p>
    <p>普通</p>
  </body>
</html>

[12] pry(main)> report.formatter = PlainTextFormatter.new
[13] pry(main)> report.output_report
*** 月次報告 ***
最高!
順調
普通

Template MethodにしてもStrategyにしても、
アルゴリズムの切り替えを1箇所(から多くても数箇所)に集中できる。

コンテキストとストラテジ間でのデータ共有

2者のデータ共有の方法としては2パターン存在する。

  1. ストラテジへ、コンテキスト自体の参照(self)を渡す
  • ストラテジ側で使う必要のあるコンテキスト側のデータは、全て引数として渡す

上の例では、1を用いているが、2のパターンも見てみる。

ストラテジ側で使う必要のあるコンテキスト側のデータは、全て引数として渡す

class Report
  attr_reader :title, :text
  attr_accessor :formatter

  def initialize(formatter)
    @title = '月次報告'
    @text = ['最高!', '順調', '普通']
    @formatter = formatter
  end

  def output_report
    @formatter.output_report(@title, @text)  # (オブジェクトではなく)値を引数として渡す
  end
end
class PlainTextFormatter
  def output_report(title, text)  # (オブジェクトではなく)値を受け取る
    puts("*** #{title} ***")
    text.each do |line|
      puts(line)
    end
  end
end
[3] pry(main)> report = Report.new(PlainTextFormatter.new)
[4] pry(main)> report.output_report
*** 月次報告 ***
最高!
順調
普通

メリット・デメリット

1. ストラテジへ、コンテキスト自体の参照(self)を渡す

メリット:データの流れがシンプルになる。
デメリット:コンテキストとストラテジの結合度が上がってしまう。

2. ストラテジ側で使う必要のあるコンテキスト側のデータは、全て引数として渡す

メリット:コンテキストとストラテジの分離は保てる
デメリット:渡すデータの数によっては、複雑で大量になる可能性がある。

→状況に応じて適切なものを利用すること。

Procやブロックでストラテジを作る

ここまで、コンテキストとストラテジの関係を、
「オブジェクトとオブジェクト(の分離)」として捉えてきたが、
オブジェクトだけでなく、「コード」レベルでも、
分離し、持ち回すことが出来ないだろうか?

→ Proc/ブロックで実現する。

※ Procやブロックの基礎は以下を参照。
[Ruby基礎] ブロックとProcをちゃんと理解する
http://qiita.com/kidachi_/items/15cfee9ec66804c3afd2

コンテキスト2(ストラテジを利用する側)

コンテキスト初期化時に渡されてくるストラテジは、(クラスではなく)ブロックを期待する。

class Report
  attr_reader :title, :text
  attr_accessor :formatter

  def initialize(&formatter)  # 渡されてくるブロックをproc化
    @title = '月次報告'
    @text = ['最高!', '順調', '普通']
    @formatter = formatter
  end

  def output_report
    @formatter.call(self)  # Procをcall
  end
end

ストラテジ3(フォーマット:PlainText、タイプ:ブロック)

report = Report.new do |context|
  puts("*** #{context.title} ***")
  context.text.each do |line|
    puts(line)
  end
end
[11] pry(main)> report.output_report
*** 月次報告 ***
最高!
順調
普通

ストラテジ4(フォーマット:PlainText、タイプ:Proc)

PLAIN_TEXT_FORMATTER = lambda { |context|
  puts("*** #{context.title} ***")
  context.text.each do |line|
    puts(line)
  end
}

report = Report.new(&PLAIN_TEXT_FORMATTER)  # procをブロック化して渡す

[15] pry(main)> report.output_report
*** 月次報告 ***
最高!
順調
普通

procやブロックを活用することで、手軽にストラテジを作ることが出来た。

まとめ

Strategyパターンにより、

  • 変わるもの(ストラテジ)と変わらないもの(コンテキスト)を分離して、変化に強い構造へ
  • 継承より集約を実現
  • ブロックによるストラテジも可能

以下へ続く

【Observer】-本日のニュースをお届けします-
http://qiita.com/kidachi_/items/ce18d2a926c558159689

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