#内容
Cross vCenter NSXと呼ばれるユニバーサル論理スイッチなどの機能を有効化するための設定手順になります。
#はじめに
Cross vCenter NSXとは、NSX6.2以降の新機能です。
こちらのリンクに詳しく書かれています。
NSX 6.2 新機能のご紹介 Part 1 〜 Cross vCenter NSX 〜 - The Network Virtualization Blog
NSX Manager間同士で連携ができるようになり、これによりをすることにより、複数のvCenterをまたいだ管理ができるようになりました。
具体的には、NSX Managerが「プライマリ」または「セカンダリ」というロール(役割)を持つことができるようなり、プライマリなNSX Managerが複数vCenter間をまたいだ管理に関する責任を持ちます。また、セカンダリなNSX Managerは、自分の管理下の環境は自分で管理をしますが、複数vCenterにまたがった管理に関しては、マスターのNSX Managerに任せるようになっています。プライマリなNSX ManagerでvCenterにまたがる設定の変更を行うと、それらは自動的に他のセカンダリNSX Managerにレプリケーションされます。
#要件の確認 (NSX6.2)
以下、抜粋になります。(本環境では太字を採用しています。)
- 単一 vCenter NSX サポートの場合は、VMware vCenter Server 5.5
- 単一 vCenter NSX サポートの場合は、各サーバに VMware ESXi 5.5 以降
- Cross-vCenter NSX サポートの場合は、VMware vCenter Server 6.0
- Cross-vCenter NSX サポートの場合は、各サーバに VMware ESXi 6.0 以降
- Cross-vCenter NSX デプロイ内のすべての NSX Manager を 1 つの vSphere Web Client から管理するには、vCenter Server を拡張リンク モードで接続する必要があります。(必須ではありません)
詳細はこちらを参照してください。
#手順
大まかに以下の手順でCross vCenter NSXを導入します。
今回はSoftLayerとオンプレミスにまたがるユニバーサル トランスポート ゾーンの作成まで行います。
- 両サイトにNSX Managerの導入(【VMware@SoftLayer】NSX導入編を参考にしてください)
- SoftLayer側 NSX Manager へのプライマリ ロールの割り当て(公式ドキュメントはこちら)
- オンプレミス側 セカンダリ NSX Manager の追加(公式ドキュメントはこちら)
- SoftLayer側 プライマリ NSX Manager でのユニバーサル トランスポート ゾーンの追加(公式ドキュメントはこちら)
- SoftLayer側 プライマリ NSX Manager でユニバーサル同期の実行
#SoftLayer側 NSX Manager へのプライマリ ロールの割り当て
SoftLayer側をプライマリとし、下図のように実施します。
#オンプレミス側 セカンダリ NSX Manager の追加
SoftLayer側(プライマリ)のNSX Managerを選択し、セカンダリ NSX Manager を追加します。
ただし、日本語だと下画面以降、うまく進まないため、ブラウザの表示言語を英語にして、やり直します。バージョン6.3では修正されていますので、日本語のまま進めることができます!
例えば、Chromeだと下記のように設定して、ブラウザを再起動します。
再度、SoftLayer側(プライマリ)のNSX Managerを選択し、セカンダリ NSX Manager を追加します。
「Proceed with certificate?」となるので、Yesを選択します。
#SoftLayer側 プライマリ NSX Manager でのユニバーサルトランスポートゾーンの追加
プライマリのNSX Managerを指定して、新規転送ゾーンから作成します。
「ユニバーサル同期の対象」にチェックを入れ、「ユニキャスト」を選択します。
ユニバーサルトランスポートゾーンが作成されたことを確認します。
トランスポートゾーンについては、こちらに詳しく書かれています。
#SoftLayer側 プライマリ NSX Manager でユニバーサル同期の実行
プライマリ NSX Managerを選択し、アクションから実行します。
#さいごに
上記の手順で、ユニバーサル トランスポート ゾーンを作成したことで、ユニバーサル論理スイッチ、ユニバーサル分散論理ルータを活用できる状態になりました。
物理ネットワークからユニバーサル論理スイッチ上のVMにアクセスさせたい場合は、別途Edge Service Gateway経由または論理ルータ経由の接続確立が必要になりますが、別記事で書きたいと思います。