#内容
VMwareの災害対策ソリューションであるSite Recovery Manager 導入する際の注意点について書いておきます。(2016/10/19付の調査である)
#全体像
オンプレミスとSoftLayerのクラウドの間でのDRを想定します。
両サイトにvCenterが存在しており、そこに無料の仮想アプライアンス(vApp)であるvSphere Replicationがそれぞれのサイトで導入済みです。
さらにRTO短縮のため、災対自動化ソリューションであるSRMを導入することを想定します。
構築や操作についてはこちらを参照ください。
#バージョンに関する注意点
実際にこのような案件の検討を始める場合、
以下に基づいて、両サイトのバージョンを揃える必要があります。
| コンポーネント | 異種または同一種のインストール |
|:-:|:-:|
| Site Recovery Manager | 両方のサイトで同じバージョンにする必要があります。 |
| vCenter Server と Platform Services Controller | **両方のサイトで同じバージョンにする必要があります。**Site Recovery Manager のバージョンは、vCenter Server および Platform Services Controller のバージョンと互換性がある必要があります。 |
| vSphere Replication | **両方のサイトで同じバージョンにする必要があります。**vSphere Replication のバージョンは、Site Recovery Manager と vCenter Server のバージョンと互換性がある必要があります。 |
その詳細について、こちらのサイトを使って、5.5系と6.0系について、みていきましょう。
VMware Product Interoperability Matrixes
#Site Recovery Manager と vSphere Replication の互換性
みてわかる通り、基本的には同じバージョンで揃えなければサポートされません。
(※バージョン違いでも動作する可能性はもちろんありますが、VMwareによる検証・サポートはされていません。)
導入・構築時に揃える必要がある一方で、アップデートをする場合も注意が必要です。
#Site Recovery Manager と vCenter の互換性
こちらは互換性のあるものを選ぶとよいでしょう。
- vCenter 6.0.0 U2 であれば 6.0, 6.1, 6.1.1のいずれか。
- vCenter 5.5 U3 であれば 5.5.1, 5.8.1のいずれか。
#vCenter と vSphere Replication の互換性
こちらも上記と同様に選ぶとよいでしょう。
#vCenter と ESXi の互換性
大まかに言えることは、当然ですが、vCenterのバージョンはESXiと同じか上位である必要があります。
だいたい皆さん同じバージョンに揃えていらっしゃるかと思います。
5.5系の場合は、vCenterのバージョンを据え置きでも、ESXiのUpdateに対応していますが
6.0系の場合は、そのようなサポートポリシーはなくなってしまったようです。
#まとめ
vCenterとESXIについて5.5系、6.0系の最新版を使う、と仮定した場合、このような選択肢になります。
時によっては、バージョンに関する制約がネックになることがあります。
クラウド側に合わせてバージョンアップを実施する、あるいはオンプレミス側に合わせてBYOLでバージョンを揃えるといった対応が必要になるでしょう。
今回はVMwareのソリューションのみで考えていますが、サードパーティのソリューションを使えば、このようなバージョンの制約にも対応できるものがあるので、ぜひご活用ください。