『Redmine実践ガイド 理論と実践、事例で学ぶ新しいプロジェクトマネジメント』
アジャイルウェアの川端さんたちが書かれた、「Redmine実践ガイド 理論と実践、事例で学ぶ新しいプロジェクトマネジメント」が出版されました!
今や、アジャイル、ウォーターフォール問わず、さまざまなプロジェクト管理で使われているチケット管理システムの代表格、Redmine の総合的な書籍です。ぼくも序文を寄せています(機会をありがとうございました)。
推薦文
ソフトウェア開発でいちばん大切なことはなんでしょう?
作っているものが、ユーザや顧客に喜ばれることがいちばん大切。もちろん!では、そんな開発をするためにいちばん大切なことはなんでしょう?私は、それを作っているチームが「協働」(コラボレーション)する環境づくりが大切だと考えています。プロジェクトや製品のゴール、ロードマップ、メンバーそれぞれのタスク、残タスクの状況、これらがチーム内で(できれば顧客とも)共有されていることが、協働環境の肝だと考えていきましたし、これからもそうだと思っています。この環境ができあがるると、チームワークが可視化されるだけでなく、コミュニケーションを通して信頼関係ができ、人間が本来持っている助け合いの感情や、チームでプロジェクトを成し遂げるための行動が自然に出てくるのです。
Redmine はこうしたチームコラボレーションを生み出すツールです。アジャイルやウォーターフォールといった開発手法によらず機能しますし、エンジニア間だけでなく、顧客やデザイナー、マーケティングチームといった他の役割の人とのコミュニケーションも支援します。
本書の著者たちは、長年Redmine を使いこなすだけでなく、カスタマイズしたり、プラグインを作っています。本書は、チケット管理を今からプロジェクトに導入しようとしている人、さらに使いこなそうとしている人、便利なプラグインを探している人、チケット管理に関わるすべての人に、よいガイドとなるでしょう。
ちなみに、私は今でもアナログツールが大好きで、付箋紙(ポストイット)と壁やホワイトボードを使ってタスク管理しています。最近では、働き方が多様化し、海外や遠隔、自宅作業している人たちともコミュニケーションを取る必要が多くなり、チケット管理ツールとアナログを併用するようになってきました。そんな環境でも、本書には使えるヒントがたくさんみつかります。
株式会社チェンジビジョン
平鍋健児
以下に目次を添付します。
目次
第1部 Redmineを知る
現状の運用から何が変わるか
導入のメリットは何か
チケットとは何かを説明する
1. Redmineで解決できること
- 1.プロジェクト管理の課題と導入のメリット
2. Redmineでできること
利用者向けの機能(開発チームのプログラマ、プロジェクトリーダー)
初心者のチームが使うために必要最低限知っておくべき内容を書く。
利用者、管理者、システム管理者の簡単な説明を書いてから、各ロールの話をする。
Redmineのロールとシステム管理者の違いがわかるように説明する。
-
1.利用者として
- 1.チケットの管理
- 2.概要
- 3.活動
- 4.ロードマップ
- 5.ガントチャート
- 6.カレンダー
- 7.ニュース
- 8.文書
- 9.Wiki
- 10.フォーラム
- 11.ファイル
- 12.トップメニュー
- 13.アカウントメニュー
- 14.検索
- 15.バージョン管理システムとの連携
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2.マネージャとして
- 1.新しいプロジェクトの作成
- 2.情報
- 3.モジュール
- 4.メンバー
- 5.バージョン
- 6.チケットのカテゴリ
- 7.Wiki
- 8.リポジトリ
- 9.フォーラム
- 10.作業分類(時間トラッキング)
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3.システム管理者として
- 1.Redmineの初期設定(管理メニューでの設定)
- 2.プロジェクト管理(2)
- 3.ユーザー管理
定 - 4.グループ管理
- 5.ロールと権限
- 6.トラッカー
- 7.チケットのステータス
- 8.ワークフロー
- 9.カスタムフィールド(2)
- 10.列挙項目
- 11.設定(2)
- 12.LDAP認証
- 13.プラグイン
- 14.情報
3. Redmineの便利な使い方
- 1.チケット同士を関連付ける
- 2.大きなチケットを細分化する(親子チケット)
- 3.フィルタとカスタムクエリでチケットを探しやすくする
- 4.チケット一覧のオプションでチケットを見やすくする
- 5.チケットを一括で編集する
- 6.複数人のメンバーにチケットを割り当てる - グループへのチケット割り当て
- 7.バージョン管理システムと連携する
- 8.メールでチケットを登録する
- 9.Redmine2.6.xまでは冗長となるデフォルトのステータスを必ず入れないといけない
- 10.トラッカー毎に適切なデフォルトステータスを設定する(Redmine3.0.0以降)
- 11.textileで使えるWiki記法の一覧
- 12.終了していないチケットにリマインドメールを送る
第2部 Redmineを活かす
4. Redmineで始めるプロジェクト管理
- 1.チケット駆動開発の運用サイクル(3)
- 2.WF型開発にチケット駆動開発を適用する方法(20)
- アジャイル開発にチケット駆動開発を適用する方法
- WF型開発にチケット駆動開発を適用する方法
- 3.チケット駆動開発の基本的なプラクティス(15)
- Ticket First
- チケット無しのコミット不可 (No Ticket, No Commit)
- チケット無しの作業不可 (No Ticket, No Work)
- イテレーションはリリースバージョンである (Iteration is Version)
- チケットは製品に従う
- タスクはチケットで分割統治 (Divide and Conquer)
- チケットの棚卸し
- ペア作業 (Pair Work)
- まとめ
5.Redmineの運用の考え方
- 1.Redmineを運用する時の課題(1)
- 2.運用パターンの説明方法(2)
- 3.障害管理(BTS)(5)
- 4.課題管理(ITS)(5)
- 5.ITILによる運用保守(10)
- 6.ヘルプデスク管理(10)
- 7.PC資産管理(10)
- 8.アジャイルウェア社での運用
- 顧客とRedmineを共有
- 予定工数の粒度を揃える工夫
- 9.Redmine導入を成功させるポイント
- 10.まとめ
6. プラグインによってRedmineを便利にする
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- プラグインとは
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- 便利なプラグイン
- Clipboard image paste
- Advanced Roadmap
- Redmine Banner plugin
- Redmine Code Review plugin
- Did You Mean?
- Redmine Hudson plugin
- Issue Importer
- Redmine Information Plugin
- Redmine Issue Templates plugin
- Redmine Issues Summary Graph plugin
- Redmine Japanese Help plugin
- Knowledgebase
- Redmine Local Avatars plugin
- Redmine Logs plugin
- Redmine Niko-niko Calendar2 plugin
- Redmine Theme Changer plugin
- Redmine Wiki Extensions plugin
- Redmine Wiki Lists plugin
- Redmine Work Time plugin
- Issues XLS export
- Recurring Tasks
- Redmine Backlogs
- My Page Blocks
- Redmine Extended Reminder
- Redmine Comment Only
- Redmine Rest Day
7. Redmineの運用事例
- 1.島津製作所グループ
- 2.広がるRedmineの事例
- 1.三菱電機株式会社
- 2.フューチャーアーキテクト株式会社
- 3.株式会社CACエクシケア
- 4.株式会社マクロミル
- 5.フリュー株式会社
第3部 Redmineを構築運用する
8. Redmineを導入する方法
- 1.Redmineを導入する方法
- 2.Redmineをセットアップする
- 3.Redmineを手軽に利用する
- SaaSで利用する
- AWSで利用する
9. Redmine運用者のためのTips
第4部 Redmineを拡張する
10. Redmine Pluginの開発
#総合的な解説書
日本語で書かれた読みやすい本で、プラグインについてもふんだんに解説されています。
川端さんは、Lychee というプラグインも開発されていて(ガントチャートを表示してそのまま編集、チケットと連動できる)、そこからの知見もたくさんあります。
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