2016年のニュースからAPI ツールについて気になったものをピックアップしてみました。
1.APIgee をGoogle が買収
API 管理ツールの大手APIgee をGoogle が600億円超で買収。このニュースで「API 管理ツール」という言葉を初めて聞いた方も多かったのではないでしょうか。Google の開発力をもってしても、増え続けるSaas に対するAPI アクセスを提供する事業は、サードパーティで行うということが浮き彫りにに。大手によるAPI 管理、API 統一アクセスなどを提供するサードパーティの活用は一気に加速すると思われます。
http://jp.techcrunch.com/…/20160908google-will-acquire-api…/
2.IBM がAPI 管理の本格的マーケティングを展開
業界の巨人IBM が日本においてもAPI Connect 製品とBluemix によって、銀行から、製造・サービス業の幅広いAPI エコノミーまで幅広くAPI ホスティング・活用にむけたマーケティングを展開。あらゆるメディアに「APIエコノミー」をキーワードに露出。多くの非ITの経営層の目にAPI が急速に浸透。市場の作り方はさすがです。
3.銀行APIが住信SBI 銀行を皮切りに本格化
https://www-01.ibm.com/common/ssi/cgi-bin/ssialias…
更新系を含めた本格的Open Banking API の時代を先取り。
API で外部サービスから振込などができるようになると、個人や企業の銀行の利用方法はどう変わるのか?3メガはこれからです。
4.PokemonGo の不正API が広く利用される
https://www.programmableweb.com/news/how-automated-attacks-pok%C3%A9mon-go-api-happened/elsewhere-web/2016/08/26
初めての実用ARアプリとして大人気となったPokemonGo ですが、リリース当初は接続が悪かったですね。それもそのはず、実は不正に取得したAPI を使ったPokemon Locator のようなサービスがトラフィックの半数以上を占めていたとの報道も。
すぐにNiantic 側は不正API からのアクセスを禁止しました。
よくも悪くもAPI という言葉と利用方法がコンシューマーの目に入りました。
5.インフォテリアがCData と提携
http://www.cdata.com/jp/news/20160328-Infoteria.pdf
日本のETL/EAI ツールの最大手インフォテリア社とアメリカのCData Software がデータアダプターで提携。日本に共同出資会社を設立。(皆様のご支援ありがとうございます)
60以上のデータソースが新たにASTERIA の接続先として提供されます。これはWeb API へのアクセス機能をETL/EAI ツールが内包することを意味します。ユーザーの多くはサービス毎に異なるWeb API を自分で習得し利用することよりも、ETL/EAI、BI、帳票などのデータを扱うツールがネイティブに内包して提供してくれることを望んでいると言えるでしょう。今後のツール・サービスベンダーはいかに「API の難所を意識せずにAPI を利用してもらうか」を考えなければならないでしょう。
6.NRI がCA と提携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000017027.html
これも海外のAPI ツール企業と日本の大手IT企業との提携ニュースです。
7.MS がMS flow でAPI連携サービス参入
https://flow.microsoft.com/ja-jp/
ハイレベルOffice ユーザーを意識したPoint-to-point 型のAPI 連携サービスにMS が参戦。Zapier, IFTTT など大変便利にAPI 連携ができるサービスの利用が盛り上がっておりますが、エンタープライズでも使えるサービスMS Flow が出てきました。YahooもMyThings で同様のサービスに参入。新しいパーソナライズされた連携サービスに期待です。
8.市場調査でAPI管理市場が80%の伸びと
https://www.itr.co.jp/company/press/161213PR.html
「API管理市場」が意識され始めました。市場はまだ小さいですが、年率80%と急成長中。
5年で5倍増するとの予測。
このように日本での2016年は、API関連ツールにとって大きなトレンド変化が起こった年だったと思います。これまでの各企業や各ツールベンダーがAPI 連携を手組で作り上げることを重視する文化から、サードパーティのツールを上手く利用してユーザーの期待に応える方向に変わってきたと言えます。
以上、徒然に印象に残ったニュースをまとめてみました。