インスタンスメソッドと同名のクラスメソッド

Rubyで普通に使っていた（というより標準ライブラリにすらArray.[]とArray#[]がまったく別目的で定義してあるぐらいの）「インスタンスメソッドと同名のクラスメソッドを作ること」ですが、言語によってできるできないが分かれることに気づきました。

できない言語

PHP

はじめはPHPで似たようなことをやろうとして、行き詰まったところでQiitaの記事にたどり着きました。結局、クラスメソッドもインスタンスメソッドも「同じクラスで定義されるメソッド」なので同名にはできない、ということでした（両方をマジックメソッドで対応するなら別ですが）。

C++

PHPでできなかったところで、C++でも試してみました。

class Foo
{
public:
    void hoge() {}

    static void hoge() {}
};

int main()
{
    return 0;
}

上のプログラムは、コンパイルしただけで

test.cpp:11:17: error: 'static void Foo::hoge()' cannot be overloaded
test.cpp:6:10: error: with 'void Foo::hoge()'

と、エラーになってしまいました。

Java

同じようなことをpaiza.ioでJavaについてもやってみましたが、やはり「error: method foo() is already defined in class Hoge」とのことでした。

まとめ

クラスメソッドを「そのクラスに属するstaticなメソッド」とする言語では、staticでないものと同じ名前（と、言語によってはシグネチャ）だと衝突してしまう、という感じでした。

できる言語

Ruby

Rubyの場合、「クラスメソッド」=「（何らかの方法で）クラスオブジェクトに生やすメソッド」なので、インスタンスのメソッドとはそもそも別系統になります。

TypeScript

となると、「クラス」がオブジェクトとして存在しているTypeScriptだとどうなるだろう、と気になって試してみることにしました。

シンタックスハイライトはJavaScriptモード

// TypeScript
class Test{
    foo() { }

    static foo() {  }
}

// JavaScriptへの翻訳後
var Test = (function () {
    function Test() {
    }
    Test.prototype.foo = function () { };
    Test.foo = function () { };
    return Test;
}());

と、「クラスメソッド=オブジェクト自身に生えるメソッド」「インスタンスメソッド=prototypeのメソッド」ということがはっきりしています。