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参加者650人のイベントをオーガナイズして分かったこと

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参加者約650人という規模のイベントを横浜市金沢区総合庁舎という公共施設で開催し、全体のオーガナイズをするというとても貴重な経験をしました。

今後のイベント開催や他のイベントの参考に少しでもなればと思い、準備段階や当日の学びや反省を書いてみますので、色々とフィードバックをいただけると嬉しいです。

CfJS2016_day2.jpg

イベント概要

開催期間:2016/11/19(土)、20(日) ※11/18(金)にプレイベントを開催
開催場所:横浜市金沢区総合庁舎
参加者数:約650人
主催:一般社団法人コード・フォー・ジャパン
共催:横浜市金沢区、Code for YOKOHAMA
後援:経済産業省、総務省、情報処理推進機構
協力:日本NPOセンター
公式ウェブサイト:http://summit2016.code4japan.org/

全体の流れ

2016/5/19 第1回全体打ち合わせ
2016/7/10 第2回全体打ち合わせ(キックオフ)
2016/9/1 第3回全体打ち合わせ
2016/9/22 第4回全体打ち合わせ
2016/10/27 第5回全体打ち合わせ
2016/11/18 プレイベント開催
2016/11/19,20 イベント開催

スタッフ全体の打ち合わせ

  • スタッフの全体打ち合わせは計5回(週末×2回、平日夜×3回)開催して、毎回15人程度が参加
  • 最初の打ち合わせで前回からの引き継ぎをおこない、2回目でイベントの目的やテーマ、企画の検討や決定をおこなった。テーマなどイベント全体に関わることは全員で考え、企画についてはチームで考えることで、一体感と当事者意識、効率のバランスをとるようにした
  • イベントの目的やどのような場にしたいのかを皆で考えることは本当に重要
  • どんなにいい企画でも自分が何としてもこの企画を実現したいと引っ張っていく人が必要。ただ担当者を決めるだけでは企画だけで終わってしまう
  • 打ち合わせ後には毎回懇親会をおこなった。スタッフ同士が仲良くなったり、新たなアイデアが出たりということに加えて、打ち合わせを時間通りに終わらせることを全員が意識するという効果もあった

個別の打ち合わせ

  • 事前準備はデザインやメディア、事務局などのチームに別れ行い、チームごとに打ち合わせやメッセージのやり取りをして、進めていった
  • 個別の打ち合わせは合計で10回程度だったが、自らが属するチームの打ち合わせのみの参加であるため、負担は軽減できた

20160710_懇親会01.jpg

情報共有

  • スタッフ全体の情報共有はFacebookグループとGoogle Driveでおこなった。個別の連絡はFacebook MessengerがメインでチームによってはSlackを利用した。効率性はSlack(ChatWorkなどでも可)とGoogle Driveだとは思うが、普段Slackを利用していない人がいると機能しなくなるため、利用者が多いFacebook Messengerの利用となった
  • コアとなるメンバーのレスが早いとスピードが上がるし、離脱している人がいる場合にも早く気がつくことができる

会場

  • 会場は公共施設ということもあって無料で借りられた。ただ、利用方法の制約に加えて準備や当日の対応などもあるので、この規模のイベントを公共施設で開催する場合は行政側の担当者の理解と協力が必要。今回のように担当者がイベントを招致するくらいでないと難しい
  • 区役所の利用の決裁者は首長で、当日は職員の方々に出勤していただくことになる
  • 区役所ということで会場準備は前日金曜日の夕方以降、終了後は当日撤収となるため、ロジは極めて重要
  • ネットは各会場にレンタルした利用無制限のWiFiを設置した。基本はスタッフや登壇者のみの利用としたが、一般参加者からのクレームはなかった
  • 託児所があったのでよかった。ただし、スタッフのみで子供を預かることはリスクの点から難しい
  • 飲食については制約があり、懇親会は区役所では開催できなかった
  • スクリーンやプロジェクターは借りることができたが、担当課以外からも借りたので、担当者に調整してもらう必要がある
  • 地元住民への広報を協力していただいたが、紙であることもあり、締切が非常に早い
  • 原状復帰のために準備開始前の写真は十二分に撮影しておき、Driveで共有する
  • 撤収は2時間以上かかったが、移動可能な人から懇親会会場に移動した
  • ゴミに関しては販売したランチのゴミ以外は持ち帰りとした。運営側で発生したゴミは事業者に1,500円で回収してもらった。事業者は事前手配が望ましい

DSC_0618.jpg

プログラム

  • セッションは公募した。多様な内容の応募があるというメリットの一方で全体のバランスをとるためには運営側が企画することも重要
  • 公募などセッションチェアからのセッション内容の申請はGoogleフォームを利用した。ただし、修正や追加情報などはメール等で送られてくる場合がある
  • そのため、どのようにセッションの情報を集約し、タイムテーブルやウェブサイトなどに反映するかといった情報のフローは事前に考えておく必要がある
  • ただし、自動化することは限界があるので、プログラム情報の整理とウェブなどへの反映はかなりの工数を要する
  • セッションのタイトルや説明文などは運営側で適宜修正した
  • ウェブサイトやパンフレットでセッションなのかワークショップなのかが分かるようにした方がよかった
  • プログラムの机やイスの配置、プロッキーや模造紙など必要な物を事前に確認しておいた方がいい
  • セッションチェアには時間厳守を繰り返し伝える。タイムキーパーはデジタルに残り時間を伝えるよりも紙などに書いて必死に伝えるほうが効果的(たぶん)
  • 上記全体を担当するプログラムディレクターがいるのがベスト。ただし、かなり大変

ウェブサイト&告知

  • 担当者が1人だと担当者にトラブルがあった時のリスクが高いため、対応策を決めておいた方がいい
  • Facebookを通じた流入が大きかった。広告にも2万円使ったがある程度効果はあった
  • ただし、一番効果があったのが個人として友人を誘うこと。全体打ち合わせの時に全員でイベントページに友人を招待したときが一番流入が多かった
  • 日程が決まり次第、Facebookのイベントページを立ち上げる。ウェブサイトはティザーサイトでいいのでできるだけ早く立ち上げる
  • ただし、プログラムの内容を見て参加の有無を決める人が多いので、プログラムの内容や登壇者はできるだけ早く反映した方がいい
  • 参加者属性や参加動機はPeatixアンケートでとり、今後の運営の参考にした

スタッフ

  • スタッフは全体で60人超。ただし、グラフィクレコーディングとプログラミング教室のスタッフが多かったため、受付やタイムキーパーなどには計15名程度でスタッフの数は足りなかった
  • 当日対応については受付などの役割ごとにリーダー(指示を出す人)を決めておく
  • スタッフは多いほどいいが、事前に役割の確認などしておき、当日は柔軟に変更する
  • スタッフグッズ(今回はTシャツ)は必要。大して費用はかからないので、各サイズ多めに準備しておく(申し込み忘れや当日手伝ってくれる方に対応するため)
  • スタッフはほとんどセッションを見ることができなかった。また、参加者とのネットワーキングも時間がなくできなかったのは大きな課題

予算

  • 今回のイベントは懇親会やランチを含めた収入と支出は約200万程度、除くと約140万程度で収支均衡
  • イベントの支出額は基本的に個人による立替となる。立替える人を限定することでイベント後の支払い処理をスムーズにするとともに、予算管理(支出のコントロール)をおこなう
  • 主な支出は、関東以外からの登壇者やスタッフの交通費、動画撮影費用、機材費(レンタル中心)。前年度におこなった海外ゲストの同時通訳は、通訳や機材のレンタルが高額であることから断念
  • 最初の段階では収入は不確定要素が多く見通しが立てられない。機材等の手配は直前となることが多いため、ある程度コントロールが可能。登壇者やスタッフの交通費の支給額が全額とならない可能性を伝えることで、交通費を変動費とし、収入が見込めた時点で全額の支払いとした。なお、学生については最初から全額とした

懇親会&ランチ

  • Peatixでイベントページを立ち上げ、当日以外は出来る限り現金決済をおこなわない
  • ただし、ある程度は現金のやり取りが発生した。当日チケットは1,000円単位とすることで、小銭は不要とし、1,000×30枚を準備した結果、オペレーションは問題なかった
  • 領収書は要求されることがあるので、準備が必要
  • 懇親会は登壇者やスタッフを割引とするので、懇親会単独としては赤字だった
  • 懇親会は前割りチケットを販売することで参加者数の見通しを立てやすくする
  • 事前にチケットを買っても懇親会を当日欠席する人は10〜20%いる
  • Peatixはイベント開催前のキャンセル(払い戻し)には500円かかる。またイベント後はPeatixでの払い戻しができない(主催者に振り込まれるため)、当日以降はキャンセルできないこととし、イベントページに記載しておくのがいい
  • ランチはPeatixの手数料を考えると収支均衡
  • ランチも10%程度は余るので、何時までに取りに来なかったら、チケットの放棄とするとイベントページに記載しておくのがいい
  • 懇親会やランチは事業者への支払い方法を事前に確認し、いくら現金を用意するかを計算しておく
  • ケータリングにする場合、なるべく早く事業者に依頼をして、スケジュールを押さえたほうがいい
  • 参加者リストは前日にPeatixのCSVデータをもとに整理して、紙で準備した。PeatixはQRコードの読み取りやウェブでの受付もできるが、紙のほうが確実に対応できると判断したため
  • リスト作成のためにPeatixでの受付を前日に締め切った。Peatixでは当日受付ができる旨を強調していたが、無理だと勘違いした人が結構いた。リストとウェブ受付でギャップがあっても仕方ないので、当日参加可能な場合はPeatixは締め切らないほうがいい

スポンサー&後援依頼

  • 今回、法人スポンサーは7社。プランによってセッションやブース、懇親会参加などの特典を用意
  • イベント後には報告書を送付。また、一定のプラン以上の場合、御礼&フィードバックの打ち合わせをさせていただいた
  • スポンサーには年に1回、イベントの時に依頼をするのではなく、常日頃からWin-Winの関係を気づいていくことが大事
  • スポンサーブースへの導線はもっとも気を使う必要がある。また、ブース展示に参加者が行く時間やきっかけなどももっと考えたほうがよかった
  • 省庁等への後援依頼の承認は申請から3週間程度かかる場合がある。申請内容はほぼ同じなので、複数申請することはあまり手間がかからない

機材等

  • インカムはあった方が便利。ただし、1つあたり2,000円〜4,000円とそれなりに高い。実際に使うスタッフも限定されるので、多くても10個程度で十分
  • プロッキーを大量に使用したので、終了後にどれが誰のか分からなくなった。事前に1本ずつ印をつけておく必要あり
  • プロジェクターの端子は事前に確認が必要。また、セッションチェア(登壇者)のPCを使用する場合PCの端子も事前確認が必要
  • 短焦点のプロジェクターは焦点を合わせるのがシビアなので、一度設定したら動かさない
  • マイクに関しても担当者を決めて設定をおこなう
  • 模造紙などの消耗品は発注しておくことはもちろん、近隣で調達できるかを事前に確認しておくと安心
  • プロジェクターやスクリーンなどは事前にどの部屋にどれを配置するかを決めるとともに担当者も決めておくとスムーズ
  • スタッフやスポンサーなど多くの人から機材が送られてくる。時間指定にするとともにフォームなどで誰が何を送るのかを事前に把握しておくと管理しやすい
  • 事前に把握した情報をもとに、どの機材をどこに配置するかまで事前に整理されているとさらによい
  • イベント後の郵送はまとめて事業者に取りに来てもらうのが便利。主催者負担は発払い、その他の方が負担するものは着払いにすることで支払い等の処理もスムーズ

最後に

イベントの企画運営をする経験は本当に貴重な経験でした。
仕事であれば依頼をすれば、人は動きますが、ボランティアスタッフで運営されているイベントは人の気持ちが動かないと物事が進みません。
仕事も仕事(お金や組織の論理)としてだけでなく、個人としての動機やチームとしての雰囲気などを考えられるようになりたいと強く思いました。
また、サービスを直接提供する側にまわってサービスの裏側の大変さを実感すると、普段の生活で(有料・無料にかかわらず)サービスを受けられることの有り難さがわかります(Qiitaさんありがとう!)。
そして、仲間と一緒に作り上げることはとても楽しいことですし、イベントから参加者の次のアクションが生まれることは得難い喜びです。
ということで、次のCode for Japan Summitも絶賛スタッフ募集中です!

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