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gdnsdでかんたんGSLB(その3)

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皆さんそんなにソーリーサーバを設定したいのですか!?

前回までの記事はこちらです。

→ gdnsdでかんたんGSLB(その1)
→ gdnsdでかんたんGSLB(その2)

gdnsdを使ってGSLBを構成する方法について紹介してきました。今回はその続編です。

ロードバランサでよく設定される項目に「ソーリーサーバ」というものがあります。これはロードバランシング先のメインサーバが全てダウンした時に、フォールバック先のサーバを指定するものです。サービス停止により「ごめんなさい」の意を伝えるページを表示するための機能であることから、このような名称で呼ばれることが多いようです。

GSLBでもサービス用のサイトが全てダウンした際に、アクセスをソーリーサーバに誘導したいケースがあるでしょう。以下ではgdnsdでソーリーサーバの設定方法について紹介します。

ソーリーサーバの動作イメージ

gdnsdでソーリーサーバを指定する設定例

まずはgdnsdの設定例を以下に記載します。

/etc/gdnsd/config

plugins = {
  metafo = {
    resources = {
      www = {
        datacenters = [ main , sorryserver ]
        dcmap = {
          main = {
            plugin = multifo
            up_thresh = 0.00000001
            service_types = ping_mon
            www1 = 153.120.ccc.ccc
            www2 = 163.44.ddd.ddd
          }
          sorryserver = 133.242.eee.eee
        }
      }
    }
  }
}

service_types = {
  ping_mon = {
        plugin = extmon
        cmd = ["/usr/bin/ping", "-c", "3", "-W", "1", "%%ITEM%%"]
        interval = 10
        timeout = 5
        up_thresh = 5
        ok_thresh = 3
        down_thresh = 2
  }
}

/etc/gdnsd/zones/gslb.src.sakura.ad.jp

$TTL 86400

@     SOA ns1 hostmaster (
       2016092100   ; serial
             7200   ; refresh
             30M    ; retry
             3D     ; expire
             10     ; ncache
)

@     NS      ns1
@     NS      ns2
ns1   A       133.242.aaa.aaa
ns2   A       163.44.bbb.bbb

www     10      DYNA    metafo!www

直接的にソーリーサーバを設定することはできないので、metafoプラグインを使用します。これは前回までに紹介したmultifoプラグイン(DNSラウンドロビン)やweightedプラグイン(重み付け応答)と組み合わせて使用します。

metafoプラグインでは、datacenterという概念を定義できるようになっています。先頭に定義したdatacenterより順次フォールバックすることが可能です。

上記設定例では、mainsorryserverの2つのdatacenterを定義していますので、mainが全てダウンするとsorryserverがアクティブとなります。結果的に、2台のWebサーバ(153.120.ccc.ccc, 163.44.ddd.ddd)が両方ともダウンした際に、ソーリーサーバ(133.242.eee.eee)をレスポンスする挙動になります。

なお、上記設定例においてsorryserver側にいずれのプラグインも適用していませんので、ヘルスチェックは行われません。sorryserverで指定したIPアドレスが生きてようと死んでようと、mainがダウンした時にはこのIPアドレスを応答しますのでご注意ください。

ちなみに、metafoプラグインのマニュアルは以下にあります。
https://github.com/gdnsd/gdnsd/wiki/GdnsdPluginMetafo

動作確認

digコマンドでDNS応答を確認します。

両方のサーバがアップしている状態

$ dig +short www.gslb.src.sakura.ad.jp
153.120.ccc.ccc
163.44.ddd.ddd

両方のサーバがダウンしている状態

$ dig +short www.gslb.src.sakura.ad.jp
133.242.eee.eee

後者のケースで正しく指定したソーリーサーバのIPアドレスのみをレスポンスできていることが確認できます。

なお、metafoプラグインを使用せず(前回までのようにmultifoやweightedプラグインのみを使用した設定)全てのサーバがダウンした場合、全てのサーバがアップしているとみなしてDNSレスポンスを行います。

weightedプラグインと組み合わせる場合

勘のいい方ならお分かりかと思いますが、weightedプラグインを使用しつつソーリーサーバを指定するには、以下のようになります。

        dcmap = {
          main = {
            plugin = weighted
            up_thresh = 0.00000001
            service_types = ping_mon
            www1 = [ 153.120.ccc.ccc, 1 ]
            www2 = [ 163.44.ddd.ddd,  3 ]
          }
          sorryserver = 133.242.eee.eee
        }

ところで・・

だいぶ前になりますが、さくらのクラウドのGSLBでもソーリーサーバ設定機能が実装されました。是非ご活用ください :-)
http://cloud-news.sakura.ad.jp/2016/06/30/gslb-sorryserver/

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