対象
Emacs及びHelmの初心者〜初級者を対象にしています. これを書いているのは初級者です.
あらまし
初心者〜初級者のためのHelm事始め : 前編
の続きです.
A Package in a league of its own: Helm
スルーしたコマンドがいくつかあります. 別のコマンドで代用可能だと感じたものが主です:
- 正規表現はそんなに喋れることないなあ...
- registerはkill-ringで代用可?
- eshellは重いしなあ...あんまり使わないや
コマンド: helm-resume
キーバインド:
<prefix> b (デフォルトではC-x c. この記事の設定ではC-c h)
解説:
これは直前まで開いていたhelmセッションとミニバッファの履歴をレジュームするコマンドです. これは複雑なコマンドを入力するときに便利です. ちょっとコマンドを間違えちゃったりしてもコマンド全部を入力し直す必要はありません.
コマンド: helm-all-mark-rings
キーバインド:
<prefix> C-c SPC (デフォルトではC-x c. この記事の設定ではC-c h)ですが, コレだと長いので以下のバインドがいいでしょう:
(global-set-key (kbd "C-h SPC") 'helm-all-mark-rings)
解説:
mark-ring
とglobal-mark-ring
をセットしたところにジャンプすることができます. もちろんインターフェイスはhelmで. マークはC-SPCでつけられます.
コマンド: helm-top
キーバインド:
<prefix> t (デフォルトではC-x c. この記事の設定ではC-c h)
解説:
UNIXのtop
コマンドをhelmインターフェイスで扱えるようにするものです. 以下のコマンドでプロセスをキルできます:
Key | Binding |
---|---|
[f1] | Kill(SIGTERM) |
[f2] | Kill(SIGKILL) |
[f3] | Kill(SIGINT) |
[f4] | Kill(Choose signal) |
さらに以下のようなhelm-top
専用のコマンドもあります:
Key | Binding |
---|---|
C-c C-u |
helm-top をリフレッシュ |
M-C | コマンド名でソート |
M-P | CPU使用率でソート |
M-U | ユーザーでソート |
M-M | メモリ占有率でソート |
コマンド: helm-surfraw
キーバインド:
<prefix> s (デフォルトではC-x c. この記事の設定ではC-c h)
解説:
surfraw
はコマンドラインからウェブの検索(GoogleとかGoogleとか...)ができるUNIXのコマンドです. helm-surfraw
はそれをhelmインターフェイスで扱えます.
EmacsからのWeb検索というと
eww
ですが, テキストベースなのでちょっと不便です. このhelm-surfraw
を使うとフルブラウザの検索をEmacsからオペレートできます. ただし, Emacsの標準ブラウザがewwになっているのでChrome(FirefoxとかOperaとか...)に変更しましょう:
(setq helm-surfraw-default-browser-function 'browse-url-generic
browse-url-generic-program "google-chrome")
コマンド: helm-google-suggest
キーバインド:
<prefix> C-c g (デフォルトではC-x c. この記事の設定ではC-c h)ですが, コレだと長いので以下のバインドがいいでしょう:
(global-set-key (kbd "C-c h g") 'helm-google-suggest)
解説:
入力したパターンについてインタラクティブにGoogleのサジェストを候補に出してくれます. また, そのパターンについてGoogle・Wikipedia・Youtube・Google Map...などで検索をかけることができます. 候補が出てくるまでにすこし時間がかかるかもしれません.
検索をかけるブラウザはEmacsで設定されているブラウザになります.
helm-surfraw
の節で設定をしていればChromeで開くことになります.
コマンド: helm-color
キーバインド:
<prefix> c (デフォルトではC-x c. この記事の設定ではC-c h)
解説:
カラーマップをhelm-color
で検索できます. 色の名前とそのカラーコードをkill-ringに追加したり, バッファに挿入したりできます.
あとがき
今回はかなり端折ってしまいました. Helmのメインコマンドは前半に固まっていたので, 後半は随分とライトな感じで...画像も載せていません. 息切れでございます.
後編のMVPはhelm-surfraw
とhelm-google-suggest
でしょうか. 最近リリースされたEmacs25.1ではWebKitがサポートされ, Emacs上でフルブラウザが動くという衝撃的な機能が追加されましたが, いかんせん使い勝手はまだまだです. helm-surfraw
はEmacs内で完結はしないものの, フルブラウザによるWeb検索をEmacs上でオペレートすることができるという点で便利だなーと思いました.
おそらくこの記事に載せたもの以外にも便利なコマンドがたくさんあることでしょう. 是非さがしてみてください.