LoginSignup
24
23

More than 5 years have passed since last update.

SAKURAの共有サーバで環境変数を使う

Last updated at Posted at 2012-08-02

Gitに入れられない固有の値は「環境変数」に入れておく、というのがPaaSを使い慣れた人の共通認識だと思います。でも、SAKURAの共有サーバで同じことをやろうとすると、ApacheのsuEXECが有効になっているらしく、上手くいきません。

(結論から言うと、環境変数を取り出すのは色々難があるのですが、既存のコードにちょっと細工して、それっぽく使う方法を紹介します)

普通のやり方

Apacheの設定経由で、SetEnvを使うのが一般的でしょうか。

httpd.conf
SetEnv DB_HOST localhost
SetEnv DB_NAME my_db_name
SetEnv DB_USER db_admin
SetEnv DB_PASS *******

※もちろん、単純にシェルから環境変数を入れておく手もあります。

でも...

前述の通りSAKURA(の共有サーバ)では...

  • Apacheの設定ができない (※.htaccessではGitリポジトリに含まれてしまう)
  • 設定で来たとしても、suEXECに阻まれる。

suEXEC は、安全な環境変数のリスト (これらは設定時に作成されます) 内の変数として渡される安全な PATH 変数 (設定時に指定されます) を設定することで、 プロセスの環境変数をクリアします。
cf. suEXECサポート

仕様がないので。

環境変数をエミュレートする方法を考えます。

まず、前提としてディレクトリ構成が次のようになっているとします。(太字は元々SAKURAで用意されているディレクトリ)

  • /home/username/
    • www
      • yourwebsite.com/ : virtual hostのルート
        • index.php
        • evlfs.php
    • env_vars
      • yourwebsite.com : 環境変数がiniファイル形式で納められたテキストファイル

SAKURAのデフォルトでは、/home/username/www/がドキュメントルートになっていますが、マルチドメインで使うケースが多い(と思う)ので、上記のようにwwwの下にディレクトリを置いています。

iniファイル形式で値を書く

PHPには、iniファイル形式をパースする便利な関数があります。環境変数にセットしたい内容も、iniで書くことにしましょう。

yourwebsite.com
DB_HOST = localhost
DB_NAME = my_db_name
DB_USER = db_admin
DB_PASS = *******

これを、env_varsディレクトリ内に置きます。他ドメインでも利用する場合は、ファイル名をドメイン名にしてドメイン毎に用意します。

$_SERVERにセット

後は、PHPからiniファイルを読込めばOKです。evlfs.phpファイルの内容は次のような感じに。

evlfs.php
<?php
/**
 * Enviroment Variable Loader for SAKURA
 */
$path = "{$_SERVER['DOCUMENT_ROOT']}/../env_vars/{$_SERVER['HTTP_HOST']}";
if ('support@sakura.ad.jp' == $_SERVER['SERVER_ADMIN'] && file_exists($path))
    $_SERVER = array_merge($_SERVER, parse_ini_file($path));
  • SAKURAのサーバ上で実行されているか、
  • iniファイルが存在するか、

をチェックして、iniファイルの内容を$_SERVER配列に追加します。

最後、フロントコントローラ(index.php)から evlfs.php を読込みます。

index.php
require_once 'evlfs.php';

これで、$_SERVER['DB_HOST']で'localhost'を取得できるようになりました。PaaS的な書き方をしてしまったコードも、この一行だけで無事動くようになるはず!

24
23
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
24
23