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ctpgはコンパイル時コンパイラコンパイラ?

Last updated at Posted at 2012-12-02

D言語erの方もそうでない方も、こんちには!

D言語 Advent Calendar 2012の2日目の記事です。

この記事では、ctpgと言うライブラリを、とても軽く紹介します。

ctpg is 何

@repeatedlyさんの最初の記事にもありましたが、パーサジェネレータです。ScalaのParserCombinatorの影響を強く受けています。

ctpgの特徴

さすがに「パーサジェネレータです!」だけではアレなので、特徴をつらつらと挙げていきます。

コンパイル時にパーサが生成される

パーサジェネレータといえば、YaccやANTLRなどが有名だと思います。

これらのソフトウェアは、予め構文規則が書かれているファイルから、パーサが書かれたソースコードを生成する必要があります。

さくっと小さなパーサが書きたい時、この作業は少し面倒くさいですね。

一方、ctpgではその作業の必要がありません。なぜなら、パーサがコンパイル時に生成されるからです。文字列mixinCTFEの合わせ技により、実現しています。

構文規則を別のファイルに書く必要もありません。Dのソースコード内に書くことができます。

パーサジェネレータはよくコンパイラコンパイラと呼ばれます。なのでこのctpgは、コンパイル時にパーサを生成するという点で、コンパイル時コンパイラコンパイラと呼べるかもしれません。

生成したパーサもコンパイル時に動作する

ctpgが生成したパーサは、基本的にCTFE可能な関数になるので、コンパイル時に動作させることができます。

なので、ctpgを使うことによって、以下のことが簡単に実現できます。

  • JSONをコンパイル時にパースする。
  • GUIが定義されたXMLをコンパイル時にパースし、そのGUIを作るDのソースコードに変換して、mixinする。

入力は、割と何でもいい

文字列はもちろん、任意の型を要素型とするForwardRangeを入力とすることができます。
なので、やろうと思えば、バイナリのパースもできます。

やはり、D言語でライブラリを書いている以上、Range対応は避けて通れませんね。

導入方法

  1. https://github.com/youkei/ctpg から、ZIPで落としたり、git cloneしたりします。
  2. src/ctpg.dを自分のプロジェクトの適当なディレクトリに置きます。
  3. ctpgを使うソースファイルでctpgをimportします。
  4. ctpg.dをおいたディレクトリをインクルードパスに追加しつつ、ctpg.dと一緒にコンパイルします。

例:ctpg.dをincludeディレクトリにおいた場合

src/hoge.d
import ctpg;
import std.stdio;

void main(){
    "Hello world!".writeln();
}
shell
$ dmd -Iinclude include/ctpg.d src/hoge.d

どう使うの?

基本的には

以下のように使います。

hello.d
import ctpg;

mixin(generateParsers(q{
    string hello = "Hello";
});

void main(){
    auto parsed = "Hello world!".parse!hello();
    assert(parsed.match);
    assert(parsed.value == "Hello");
}

generateParsers関数が、Dのソースコードを返すので、それをmixinします。そして、parseテンプレート関数のテンプレート引数に規則を渡して、使います。

generateParsersと言う関数名が、どうにもダサいですね・・・

それはさておき、generateParsersに渡す文字列の中身ですが、上に書いてある通り、

規則名 = 規則 ;

と言う感じに構文規則を書いていきます。

規則は型を持っている

気づいた方は気づいたと思いますが、規則の前に型が書かれています。上の例では、stringと書かれていますね。

規則の型は、パースした時の結果のvalueの型になります。

上の例で言うと、規則hogeの型がstringなので、parsed.valueの型がstringになります。

演算子とか

演算子などは、基本的にPEG(ポリエチレングリコールじゃないですよ!)に従っています。

なので、普通に並べればつなげることが出来たり、/*+?などを使うことができます。

hello2.d
import ctpg, std.string;

mixin(generateParsers(q{
    string Hel = "Hel";
    string o = "o";
    Tuple!(string, string[], string) hello = Hel "l"+ o;
});

void main(){
    auto parsed = "Hello world!".parse!hello();
    assert(parsed.match);
    assert(parsed.value[1].join() == "l");

    parsed = "Hellllllo world!".parse!hello();
    assert(parsed.match);
    assert(parsed.value[1].join() == "lllll");
}

変換する

>>で、結果の値を関数に渡して、変換することができます。
ScalaのParserCombinatorで言うところの^^のことですね^^

parse_num.d
import ctpg, std.conv;

mixin(generateParsers(q{
    int num = "3141592" >> to!int;
});

void main(){
    auto parsed = "31415926535".parse!num();
    assert(parsed.match);
    assert(parsed.value == 3141592);

その他

その他の使い方について知りたい方は、ドキュメントを見てみるといいかもしれません。

と、言いたいところなんですが、ドキュメントは全然書けてません。
本当に申し訳 of the world

まとめ

今回の記事は、軽く紹介という事で、このような感じになりました。次回の記事では、例を挙げながら、複雑な使い方を紹介したいと思います。
ドキュメントは早急に書きます・・・

3日目は、Phobosコミッターでもある@mono_shooさんです!

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