#これはなに?
Adobe After Effectsとftrack(後述)との連携について
ftrackが提供しているプラグイン**「ftrack-connect-after-effects」**を使ってみました
#ftrackとは?
下記のような機能を持ったクラウドサービスです
- プロダクショントラッキング
- アセットマネジメント
- レビュー、チームコラボレーション
主に映像コンテンツ制作のための
「スケジュール管理(ガント、進捗集計、掲示板)」+「動画共有(ストリーミング+クラウドストレージ)」ツール、といったところでしょうか。
スウェーデンはストックホルムで開発されています。
同種のツールとしてShotgun、Tactic、Alienbrain...あたりが挙がるでしょうか。
Blackmagic Fusion Studio付属の『Generation』もそれ系かもしれない。違うかもしれない。
##インテグレーション
これらのツールに共通して、
制作ツールとの連携を志向します。
MayaやPhotoshopのUIを拡張して、そこからクラウドサービスと連携して機能を呼び出したり
情報共有プロセスを半自動化したりします。
インフラとして稼働することで、アーティストにとってクリエイティブでない作業を減らし、
かつログの取りこぼしを減らしてマネジメントに役立てる、というのが実現されます。
(ちゃんと運用できれば)
ftrackについては
Maya、Photoshop、HIERO等とのインテグレートが用意されています。
(Adobeツールは、ShotgunではPhotoshopのみですがftrackはPs、AE、Premiereがラインナップされています)
また、それらのツールとの連携の基幹になるツールとしてftrack connectが用意されており、
これは単体ツール(MayaやAEや、ブラウザ等を経由せずftrackとやりとりするツール)としても使えます。PySide製。
ftrack - AE インテグレーションは2015/10/20デビューです。
https://www.ftrack.com/2015/10/adobe-effects-integration.html
##前提
ftrackにログインできることが前提となっています。
30日間の試用も可能らしいので、気になった方はお試しいただくと楽しいかもしれません。
#準備等
website
ドキュメント
http://ftrack-connect-after-effects.rtd.ftrack.com/en/stable/index.html
ソースが公開されています
##環境
ftrack-connect-after-effectsの要求環境は
- AE -> CC2014以上
- ftrack connect -> 0.3.2以上
今回の実施環境は
- AE -> CC2015
- ftrack connect -> 0.3.3
- ftrack(web) -> 3.3.13.4399
##いるもの
さきほどのドキュメントの、インストールページに準じます
http://ftrack-connect-after-effects.rtd.ftrack.com/en/stable/installing.html
- ftrack connectをインストールしておきます。
https://www.ftrack.com/downloads
- ftrack-connect-after-effectsをダウンロードしておきます(直リンク注意→)
https://s3-eu-west-1.amazonaws.com/ftrack-deployment/ftrack-connect-adobe/ftrack_connect_after_effects_0.2.1.zxp - ZXPInstallerというのをインストールしておきます
http://zxpinstaller.com/
2番目が、AEに入れるプラグイン本体。
3番目は、Adobe製品のエクステンションをお手軽にインストールするためのツールです。ソースも公開されてます。
website : http://zxpinstaller.com/
github : https://github.com/CreativeDo/ZXPInstaller
できました
画面には「Adobeアプリケーションを立ち上げ直してくれ」って出るんですが
それは一般的なエクステンションの場合で。
今回はftrackとの連携なので、いきなりAE立ち上げ直してもあまり意味がありません。
ちなみに、どこにインストールされるかというと、
C:\Program Files (x86)\Common Files\Adobe\CEP\extensions
に「com.ftrack.connect.after_effects」というフォルダ名で置かれています。
#使ってみる
##(いきなり脇道)
ZXPInstallerの表示通り、取り急ぎAEを立ち上げ直してみました
この時点でも、プラグインとしては無事動いてます
- 「ftrack - Info」パネル = ftrack(web)でいうサイドバー
- **「ftrack」**パネル = AEからftrackへアップロードするための設定をあれこれするためのパネル
ただ、まだログインしてない状態なのでちゃんとは機能しません。
##ftrackからAEを起動
ftrack connectを起動しておきます。
ftrack利用者なら当然マシン立ち上げた時に起動するようにしてるよね、くらいのノリを感じます。
作業したい項目へ階層をおりて
サイドバー右上のアクションボタンを押す
すると、さきほどは不活性だった2種類のftrackパネルに情報が読み込まれました
##パブリッシュ
ためしに、素敵な稲妻を作成してパブリッシュしてみます。
ftrackパネルにて書き出し設定を済ませてから「Publish」をクリックすると
ftrack connectが現われます。
適宜必要な情報(ステータス、進捗状況、連絡メモ等)を記入してから
「Publish」するとftrackへのアップロード(パブリッシュ)が始まります。
(……「Publish」が2段階なのは、若干まだるっこしい気もしますね。慣れでしょうか)
ftrack Info パネルで見ると、「Activities(アセットやショットごとのTL)」に情報が追加されています。
##ftrack connectから開く
さきほどはブラウザ上から開きましたが、
ftrack connect単体からもタスクを選択してActionsからAEを開けます。
ftrack connect は、起動していれば右下のタスクトレイに常駐しています。
(ちょっと前の画像よりもActions対象アプリが多いのは、単に読み込みとスクリーンショットのタイミングによるものです(笑))
#まとめ
やったこと:
- ZXPInstallerをつかって .zxp プラグインをインストール
- ブラウザもしくはftrack connectからタスクを選択→AE起動
- AE上からftrackへパブリッシュ
理想的に運用されれば
- 作業者側はAE上から情報共有が可能
- マネジメント側は半自動的に情報収集が可能
になります。
##備考
今回の方法で起動したAEは、プロセス的にはftrack connectの子プロセスに入るんですね。
ftrack connectを閉じると平のプロセスになります。(一緒にお亡くなりはしません)
CEPHtmlEngineというのが今回のプラグインを動かしています。
Adobe CEP @ Github
https://github.com/Adobe-CEP/
CEPスーパー メガ ガイド: HTML5+Node.jsでAdobeのツールを拡張する
http://aphall.com/2014/08/cep-mega-guide/