1.はじめに
10mm角の立方体が出力対象だとします。
このモデルを 0.3[mm] でスライスした場合、結果はどうなるでしょうか?
理想としては、10[mm]角のものですが、計算上では10[mm]角の四角の層が 33 層積み上がったものになります。
このため高さは 9.9[mm]となり、0.1[mm]足りません。
2.単純にスライスすると
1層目が 0.3[mm]の中間の 0.15[mm]でスライスします。
2層目は 0.45[mm]
...
33層目は 9.75[mm]です。
34層目は 10.05[mm]の高さですので、モデルをスライスできません。(スライス終了)
※スライス面は9.75[mm]ですが、出力時は+0.15[mm]の9.9[mm]となります。
3.本スライサでは
通常は上記のように、指定された積層高さでスライスします。
しかし上記のことも考え、自動積層高さ調整のオプションを設けました。
例えば、10[mm]の高さを、指定の0.3[mm]でスライスするとして、
10[mm]÷0.3[mm]=33[層]
10[mm]-33[層]×0.3[mm]=0.1[mm] 不足
と算出します。
このことから積層数を+1の34とし、
10[mm]÷34[層]=0.294[mm]
10[mm]-34[層]×0.294[mm]=0.004[mm] 不足
と算出します。
この不足分を
0.004[mm]÷2[層]=0.002[mm]
を求め、34層中2層を
0.294[mm]+0.002[mm]=0.296[mm]
とします。(この例では総積層数が偶数であるため、2で割っていますが、実装では奇数層の場合、3としています。)
結果は 32[層]×0.294[mm]+2[層]×0.296[mm]=10[mm]
現状は、上記厚みが異なる2層を全体の中心にくるようにしています。
4.今後
本機能はまだ、全高に対してのみの調整であるため、まだ不十分と考えています。下図のような場合の中間部分の高さ位置についても再現性を高めたいところですが上記のままでは不十分です。
今後、改善していきたいと考えています。