76
82

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

NW.jsとElectronをしばらく使ってみての比較

Last updated at Posted at 2016-02-12

既存のwebサイトをお手軽にWindowsアプリケーションにするという目的で、しばらくNW.js(0.12)とElectronをいじってみての印象です。

※Windows7(x64)上で実行しています
※NW.jsはVer.0.12.3、ElectronはVer.0.35.06を使用しています

##NW.jsはpackage.jsonを書くだけでアプリ化できる
NW.jsはpackage.jsonのmainオプションにURIを指定するだけでWindowsアプリ化することができる。
Electronは必ず「ウィンドウを開く」処理を書く必要がある。

##ブラウザウィンドウのデフォルトフォント
###NW.js
デフォルトではcjkフォントになってしまう。フォントを指定するインターフェースなし。
アプリ化したいサイトが適切なfont-familyの指定をしていなかった場合、Window.open時のinject-js-endオプションで*{font-family:"適当なフォント"}とかを流し込まないといけない。
###Electron
ウィンドウ作成時のオプションで、デフォルトフォントを指定できる。

##<script>タグで使用できる機能
###NW.js
htmlファイルのscriptタグ内で、node.js、NW.jsライブラリすべてに触ることができる。

NW.jsならこんなこともできる
<!DOCTYPE html>
<html>
    <head>
        <meta charset="UTF-8">
        <script>
            var fs = require('fs');
            var fileContent = fs.readFile(somefile, someFunction);
        </script>
    </head>

###Electron
メインプロセス、レンダープロセスでできる機能が厳密に分化されており、レンダープロセスからnode.jsの機能は使用できない(loadURLで読み込まれたhtmlファイル内の<script>タグのJavascriptはレンダープロセスで動く)。
なおremoteモジュールを使用してメインプロセス内のモジュールを呼び出したり、ipc(プロセス間通信モジュール)を使用してメインプロセスに対してメッセージを送ったりできる。
これがなかなか便利。

##ウィンドウを開いた時、親から子ウィンドウのDOMに触れるか
NW.jsは触れる、Electronは触れない。
###NW.js
子ウィンドウのWindow.windowオブジェクトから、windowオブジェクトにアクセスできる。
###Electron
子ウィンドウのwindowオブジェクトにアクセスするためのインターフェースは用意されていない。

##Javascriptを埋め込んで実行する機能
NW.js、Electronともに、htmlを開く際に任意のJavascriptファイルを読み込んで実行させる機能がある。
これを使用することで、既存のwebページにkeydownイベントを追加し、独自のショートカットキーなんかを追加できる。非常に便利

###NW.js
Window.open時のinject-js-start, inject-js-endオプション
読み込んだjsファイル内で、node.js、NW.jsのモジュール使用不可
###Electron
new BrowserWindowのpreloadオプション
node.js、Electronのライブラリ使用可
たとえBrowserWindowのオプションでnodeIntegration:falseを指定していても使用できる。

##パッケージ化
###NW.js
パッケージ化が楽、かつ実行に必要なファイルが少なくてすっきりしている。
ソースとnode_modulesをzipで固め、nw.exeと連結するだけ。
※他にも実行に必要なファイルはあるが、Electronに比べてはるかに少ない。
https://github.com/nwjs/nw.js/wiki/How-to-package-and-distribute-your-apps#windows-1

###Electron
electron-packagerモジュールを使用してパッケージ化する。
しかし実行ファイルと同じディレクトリに、大量のDLLやらが必要。

var app = require('app'); 
var BrowserWindow = require('browser-window'); 
var mainWindow = null;
app.on('window-all-closed', ()=> app.quit());
app.on('ready', function() {
    mainWindow = new BrowserWindow({width: 320, height: 200});
    mainWindow.loadURL('file://' + __dirname + '/index.html');
    mainWindow.on('closed', ()=> mainWindow = null);
});

上記のようなindex.htmlを表示するだけのプログラムでも、パッケージ化したファイルの実行には、下のような大量のファイルが必要…

      15  content_resources_200_percent.pak*
    8.8M  content_shell.pak*
    4.0M  d3dcompiler_47.dll*
     70M  helloworld.exe*
    9.8M  icudtl.dat*
     13K  libEGL.dll*
    2.1M  libGLESv2.dll*
    1.1K  LICENSE*
    1.2M  LICENSES.chromium.html*
       0  locales/
    645K  msvcp120.dll*
    941K  msvcr120.dll*
    430K  natives_blob.bin*
     12M  node.dll*
     11M  pdf.dll*
       0  resources/
    643K  snapshot_blob.bin*
    103K  ui_resources_200_percent.pak*
    349K  vccorlib120.dll*
       7  version*
    105K  xinput1_3.dll*

Enigma Virtual Box等を使えば、実行ファイルを1つにできるが、動作が少し遅くなる。

##ElectronはES6の文法が使える
NW.jsはpackage.jsonのjs-flagsを指定すれば可能。

##NW.jsはJQueryを問題なく読みこめる
Electronはnew BrowserWindow時のオプションにnodeIntegration: falseが必要。
ただしzepto.jsのようなのJQuery互換ライブラリを使えば問題ない

#現状の結論
既存のwebサイトをアプリ化するだけならNW.jsの方が楽ですが、そこにJavascriptを流し込んで機能を追加したりしたいならElectronの方が扱いやすい、という印象です。
またWebサイトのアプリ化ではなく、(クロスプラットフォーム)アプリケーション開発という目的で使用するのであれば、ipcが使え、ライブラリでダイアログオープンを持つElectronの方が開発しやすそうに感じます。

76
82
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
76
82

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?