はじめに
・Growth Hack Talks by Repro #1 が2016年8月2日、19:30より、イベントスペース21Cafeで開催されました。
・アプリのディレクター・マーケター・エンジニアなど、アプリの成長をミッションとする人たちがグロースハックのノウハウをシェアし合うイベントです。
・ビジネス寄りの知識をオープンソースのように公開していくイベントにしていきたい。
・モバイアプリのグロースハックツールのReproが主催しました。
今回のテーマ
テーマは「アプリの立ち上げ〜リリース初期のグロースハックあれこれ」でした。
MERYアプリの3つのKPI
・株式会社ペロリの有川鴻哉さんによる。
・500万DL突破。
・月間2000万UU、月間4億PV
・重要視しているKPI: DAU, RR(Return Rate=Retention Rate), CPI(Cost per install)
・DAUが最重要の指標である。DL数よりも重要である。DLが多くてもアクティブでないとサービスはダメだから。
・DLしたユーザがどれだけDAUに転換したかの指標としてRRを使う。1day, 1w,1mでチェックしていく。
・CPIがLTVを下回っていれば事実上、無限に広告を打つことができる。CM、Web2App、デジマ、広告は全チャンネルとして見る。
・LTVをどう見ているか?→基本的にはApp AUを見る。期間を定めて、施策を打った後でApp AUの反応を見る。平均値を見る。個別のユーザを見るとバイアスがかかってしまうため。毎月の売上を日数で分割して、仮の1日のLTVを計算する。
・アプリ改善でやったことは? →思い浮かぶことは何でもやって、評価している。
・数字をベースに考えていく。
・(Reproを使うと、ラストタイムアクセス解析で最後のセッションを動画で撮影して分析することができる。例えば、読み込みが遅かったのが敗因だとかがわかる。)
感想: 複数の施策を同時に入れてしまうと、どれか加功したのかわからなくなってしまうので、なるべく一つずつ試して数字を見ていく必要がありますね。
アプリ「100億人の俺の嫁」で効果のあった施策
・株式会社マスカチの池田純平さんによる。
・カジュアルゲームは、規模が小さくて、運用をしないタイプのゲーム。
・めっちゃ結婚するゲーム。200万DL。76%がandroid。日本ではiOSのほうが多いが。米国、韓国、台湾が多い。
・お金をかけずにDLをどれだけ増やすのか。バイラルが大切。
・ツッコミがやすいゲームのテーマ。
・シェアするとアイテム獲得。シェアすると、アイテムをもらえる仕組み。
・ARPU20円くらいなので、普通に出稿すると割が合わない。売上/DL=ARPU。
・fb広告を出してみた。良いケースではCPC 1円とか、CPI 3円を実現できた。
・AppStore総合3位。
・動画広告を入れてみた。動画を見るとアイテムを獲得できる仕組みを導入した。ARPUが1.6倍にアップした。fiberというメディエーションツールで有利な動画広告が表示される仕組みになっている。
・超ひも理論。100万DL超。海外比率70%超える。
・自社アプリから送客。DLが4倍になった。
・アイコンのABテスト。Androidのストアではコンソールから登録できる。
・話題にしたくなる画像でシェアされる確率が1.4倍アップした。
・ネット受けしやすいテーマを選ぶようにしている。
・1本は1ヶ月とかで開発している。50万円くらい。
感想: ネット受けしやすいテーマかどうかを予備的にテストして、その知識をアプリ企画に生かすのは良いと思いました。
初期フェーズにおけるプロダクト成長戦略
・日本経済新聞社の赤間夏樹さんによる。
・アプリのフルのリニューアルから1年経過したので振り返りをまとめたい。
・リニューアルから4日目でAppStoreのベスト新着アプリで掲載された。3週間のうちに過去最高だった。DL数は伸びたけど、獲得したユーザ数は課題になった。
・UXを高めて、リテンションを向上させる必要があった。
・細かい単位でリリースして、仮説を検証する仕組みをつくる。自動化に力を入れた。
・プロトタイプをデザイナーの前にチーム内で作って検証することにした。
・過去一年間の開発割合としては、新規機能開発はほとんどやらず、既存機能の改善を行った。軽快さ。
・Speakerdeckに資料を掲載してある。
・読みやすさ。見た目を綺麗にして自動改行する機能をつけた。
・ユーザの課題解決は、技術的に面白いことと一致しない。
・愚直な試行錯誤のためには、強いモチベーションが必要。
・WAU(Weekly Active User)はリニューアル当初の1.9倍に増えた。
・レビューを促す仕組みを導入したらレビューの星をつける人が増えた。
・初期段階では、リテンション向上に集中することが大切。
・紙にプロトタイプを書くほうが、プロトタイピングツールを使うよりもエンジニアにとっては作業が早い。
・朝にスマホのDLが増える時間。PCが増えるのは昼。
・4人で開発している。エンジニアしかいない。
・社内Qiitaや開発者定例週一で、草の根的に、効果の良い施策をweb/appで共有している。
・記事の閲覧数はweb/appで共通の指標になっている。ただし、同一の意味を持つのかという点について意見がある。
・(Repro代表: ECを総じてみると、webよりもappのほうがコンバージョン率が3〜5倍高い。アプリはダウンロードするプロセスを経由しているので、ロイヤリティが高いからではないか。)
感想: 初期段階ではリテンションに集中してUXを高めることが大切ですね。
MAU率80%のyentaのすべて(UX設計・チーム作り・立ち上げ・グロースなど)
・株式会社アトラエの岡利幸さんによる。
・androidは未対応。
・リリースして半年。
・17万マッチング。
・MAUが約80%。
・今も4人で開発している。
・iOSエンジニアいないなかで、iOSアプリを初めて開発。c向けのアプリも初めてリリースした。
・社内で企画を出したが、それっておいしいの?状態だった。
・食べてもらうために、エンジニアなのでプロトタイプを作って出した。3,4日でweb版を作った。
・社内テスト。15〜60人を社内全員でテストしてみた。疲れたら休憩してくださいという形で、心理的なところも含めてテストした。
・最初は、思った以上、外のビジネスパーソンと会いたいという人が少なかった。
・社外テストをした。300人のイケているfb友達にテストしてもらった。好反応が良かった。社内よりも4倍よかった。
・その数値を得てから、社内の同意を得ることができた。
・Prottで本格的なプロトタイプ作りになる。チームで議論を始めた。なぜこれを作るのか、ペルソナは誰なのか、UXの設計にこだわる、チームビルディング(信頼関係構築。腹を割ってお話しができる空気作り)。
・UX designの本: ハマるしかけ ニール・イヤール おすすめの本。汎用性がある。
・Prottでこれはハマるという感覚を得るまで320〜1000?くらいの画面を作った。
・他の使われているアプリの分析をして、なぜ使われているのかを考えた。
・影響あるビジネスパーソンが使い始めると、シェアされる。上位のビジネスパーソンにクローズドベータを利用してもらった。
・300人の利用からチューニングをして、一般リリースをした。
・初期段階で人を集める→継続利用(1日10人に制限。スワイプとマッチングのタイミングの分離=即時にマッチングをいうのではなく、夜に結果を示す=全く頭を使わないアプリにする=スワイプを止めないようにする。結果ペースの存在。初回登録すると5人とかに興味を持たれる仕組みで、承認欲求を満たすようにする)→人が人を呼ぶ仕組み(グローバルに使える仕組み。なぜプッシュ通知が12/20時なのか。社内でランチをとっている確率が高いので、そこで話題が起きるから。)→ユーザと一緒にサービスを作る(yentaユーザ限定のイベントをやる。ユーザミートアップ。ワイン会、会員限定でレストラン会など。フィードバックをもらう機会を増やす。自発的にエヴァンジェリストが生まれた。マッチング事例のインタビュー記事を公開する。)
感想: 太字のところが具体的ですごく参考になりました。おすすめの本、「ハマるしかけ」を読もうと思いました。