自分がプログラマから起業して沢山失敗したので、同じミスをプログラマ、エンジニアの方にして欲しくないという想いから、よくある失敗をまとめました。(常に追加中)
プログラマでなくても、フリーランスや起業する方に役立つでしょう。
特に技術分野の経験だけしかない人は、気をつけましょう。
技術以外の大量の会社関連の知識、実行能力、実行する時間、経験が必要になります。
従業員との最も大きな違いはリスクかと思います。
従業員は金銭的なマイナスリスクは非常に少ないですが、フリーランスや取締役は数百万円以上のリスク負うことが非常に多いので、リスクヘッジをするための知識と経験が(嫌でも)多く必要になります。
技術も持っているのでプロダクトを作りたい方も多いと思いますが、会社の場合プロダクトを作るだけではなく、市場で勝てるプロダクトを作る会社組織も同時に作らなくてはなりません。どのような人材をどの順番でどのような方法で採用するか考え、実行しつつ、資金調達しつつ、内部組織を作りつつ、プロダクトを作ることになります。
未払い: 払ってもらえない
僕も含め、周りのフリーのエンジニアに聞くと9割位が経験したことあるのが、「未払い」です。数百万円や数ヶ月の仕事の努力が、吹っ飛びます。
対策
- 契約書を必ず作る。(少額訴訟などのため)
- 企業との契約でNDAや契約書の話が出てこなかったら、まともな企業ではないと思ってよい。
- 契約の種類や、契約書の重要な項目、内容の意味をちゃんと理解し、問題がある場合は修正を依頼する。
- 前金を頂く。
- 細切れに支払いしてもらう。(例: 切りのいいところで支払い、毎月貰う)
- 仕事をした、お願いされた証拠を残す。
- 初めての取引先の場合は気をつける。
- はじめから払う気がない、払うお金がなかったのでは?と思うようなケースもあるので注意する。 (いつかエスクローで解決したい)
- 少額訴訟の仕方を知っておく。 参考: 【訴状の雛形付き】少額訴訟とは?簡単にお金を回収する方法
怪しいクライアント、怪しい取引と判断するためのパターンや契約書の注意点もあるけど、長くなるので割愛。
あと、契約は瑕疵担保責任に注意。
[営業・交渉]金額の相場を知らず、安く契約する
相場価格を知らないがために、相場より安い金額で契約してしまうミスです。
価格交渉の仕方を知らない、交渉経験がないため、相手が交渉や営業のうまい人の場合に安く契約してしまうという初期にありがちなミスです。
対策
- 相場を知る。 (周りの経験者に聞く)
- 価格交渉の方法を勉強する。 (交渉や営業の本を読む)
- 契約に置ける強い立場、弱い立場を理解して、カードを持つ、強い立場にいられる方法を学ぶ。
- エージェントなどに交渉してもらう。
[技術者]技術のことだけしていたいのに独立してしまう
技術が好きで独立した場合、よくあるのが「技術のことばかりしていたい」という矛盾です。
組織人の場合は、技術以外何もしなくて済みますが、独立する場合、プログラミング以外に自分で経理、税務、宣伝・営業、人材確保、マネージメント、法務、資金調達の実務をする時間が取られます。さらに上記をするための勉強をする時間が必要です。経営があなたの仕事なら、技術のことは一切できなくなる、経営に集中してくれと株主や別の取締役からお願いされる可能性もあります。
対策
- 何をしたくて独立、起業するのかを明確にする。
- 技術だけをやりたいなら、独立しないか、代表にならずCTO等になるか、全部やってくれる人を探す。
「技術のことだけしていたい」だけを目的にするのは危険です。顧客側から見て、自分のメリットを優先していて、顧客のことを考えてない形になってしまわないように気をつけましょう。
[技術者]技術的にすごいプロダクトを作ろうとする
僕もやってしまった技術者が本当によくやってしまいがちなダメなパターンです。
ユーザや顧客にとって素晴らしいプロダクトを作らないと、誰も使わない「すごい技術のプロダクト」ができあがります。
例えば、凄いCPU、GPU、グラフィックを使った売れないゲームと、2Dでも超人気のゲームがわかりやすい例でしょう。
対策
- 技術屋の物差しだけでビジネスを考えない。
- 技術的に凄いかどうかを判断基準にしない。
- マーケティングの基礎を学ぶ。
- 顧客とマーケットについて深く知る。
[技術者]良いプログラムを書いてしまう
汚いプログラムを綺麗にしたり、リファクタリングしたりしてしまうミスです。
自分も汚いコードを見たら修正したくなりますが、目的や優先順位と合わない場合、如何に我慢するか?が重要です。
誰かの指示の下でするプログラミングと、自分の事業をしている場合のプログラミングは、状況が違うのでやり方がかなり違います。事業という観点から見てプログラミングの目的を理解したプログラミングをする必要があります。
対策
- 事業や顧客の視点を理解する。
- 事業や顧客の視点から見たプログラミングをする。
- プログラミングの優先順位に対するステークホルダーとの利害調整とコミュニケーションをしっかりする。
スタートアップにおけるプログラミングの仕方を時間がある時に書くかも。
Kent Beck氏がアジャイルとリーン・スタートアップを含めたスタートアップの開発方法について書いているので、こちらが参考になります。
Startupプログラマの為の新アジャイルマニュフェスト(Kent Beck: beyond agile programming) - Qiita
[起業]事業のアイディアに熱狂する
このビジネスアイディアは、凄い!と思ってしまう病です。
初回の独立、起業でよくあるんではないでしょうか?
現実的には、ほとんどの最初のアイディアは変更されますし、ほとんどのビジネスは数年でなくなります。
対策
- あくまで仮説ということを理解する。
- ちゃんと何が仮説を分解して一つ一つ検証していく。
- 仮説検証のやり方は、リーン・スタートアップを参照。
[技術者]すごい技術から事業アイディアを考えてしまう
技術屋なので、すごい技術を思いついたり、新しい技術が出てくるとそこから事業を考えるという思考をしがちです。ユーザや他の事業リスクも考慮にいれましょう。
世界初、今までにないプロダクトは、認知してもらうのに時間とコストがかかる、マーケットの立ち上がりに時間がかかる(=コストが先にかかるので倒産リスクが高い)ので気をつける。
「こんな凄い技術なのに理解できる人(出資者)がいない」と嘆く技術者はよくいますが、需要、マーケットがあるのかの確認や、出資者の選定(海外に行く)など基本的なことをしてないと、起業家としての能力がないと判断されます。
対策
- ちゃんと技術以外の事業リスクを検証する。
- ユーザの既存の解決方法をちゃんと調べる。
- 既存プレイヤーと、彼らの参入障壁を調べる。
- プロダクトのコスト、顧客の移動コスト、顧客への認知コストを考える。
- マーケットの立ち上がりと事業開始のタイミングを考える。
[技術者] すぐにサービスを作ろうとする
アイディアを思いつくと、すぐにサービスを作るためにプログラムを書き始めるという一番起業家がすると言われる失敗です。
よくあるのは、まず開発・リリースしてフィードバックを得ようという間違った考え方です。技術者なので、自分の持っている武器(プログラミング)で問題を解決しよう、としてしまいがちです。
そして、リリース後にユーザが集まらず、後にユーザの集め方を学ぶ、という一番見かける失敗に繋がります。
対策
- よく起こる起業の失敗をまとめたリーン・スタートアップや顧客開発を勉強する。今までどういう失敗が多く、それがなぜ問題で、どういう解決方法があるのか?が詳細に書かれています。
- ビジネス側が分かる人と一緒にやる
[起業]自分にしかできないことを事業にする
自分にしかできない技術を事業にして、プレゼンで競合にはできない(から凄い)とアピールしたりするミスです。
自分にしかできない場合、それは単なるSPOF(単一障害点)です。そこに障害が起きたら、会社としてどうしようもなくなります。
対策
- 属人化を防ぎ、組織としてそれができるようにする。
- マニュアルを書くなど知識を他人に移転できるようにしておく。
- スケールする方法や理由も考える、伝える。
[資金調達] 資金調達の知識がなく、ミスをする
特に投資の場合一回株を買ってもらうと、売ってもらうのが非常に困難になるので、気をつけましょう。
資金調達は、融資、投資があります。全く別次元の資金調達方法で、知識もやり方も全く違うので、知っておきましょう。
ビジネスモデルの違いは、大雑把には一言で言うとインカム・ゲインとキャピタル・ゲインの違いです。
融資
- 融資元: 知人、銀行、日本政策金融公庫、行政機関(区)、クラウドレンディングなど。
- 借りたら返す。
- 貸主がどういう場合に貸すのか、貸さないのかを理解する。
投資
投資は、意味を理解していないと後戻りができなくなります。
スタートアップの場合、投資の知識がないとそもそも事業をすることができないという位に話にならないです。
信頼できるファイナンスが分かる方か、インキュベーターに入って手伝ってもらいましょう。
- 投資元: エンジェル投資家、インキュベーター、VC
- 投資は、お金返さなくて良い。が、株をあげることになる。
- 一旦投資をしてもらうと、変更しにくいので資本政策を初めに作る。
- 純粋な投資でないが、転換社債、convertible note (J-KISS)も有名
- 最低限理解しておくべき用語: ラウンド(シード、アーリー、レイター、シリーズA/B/C...)、株の計算方法(DCF)、ストックオプション、Exit戦略
- VCのビジネスモデルを理解しておく。ファンドの組成元、期限、延長。キャピタル・ゲイン目的とCVCの事業シナジー目的の違い。
- 相場感(インキュベーターは、数百万円で数%の株式取得。シリーズAあたりの時価総額、数億円など)
- VCと企業は利益相反するが、一緒の船に乗って協力する仲間でもある。交渉やコミュニケーションに注意する。
- 投資をする側と投資を受ける側だと見え方が真逆なので、投資を受けたことのあるファイナンスに詳しい起業家の方か、両方の経験のある方からのアドバイスを受けられるのがベスト
- 資本政策の作り方
上記、ほんの一部で落とし穴が沢山あるので、信頼できる経営の先輩、仲間、プロに相談しましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングによる資金調達もあります。
これは、投資型、寄付型、購入型があります。
Kickstarterは、日本のチームでも数億円規模の調達例がありますが、アメリカに組織がないとダメとのことです。
- 寄付元: Kickstarter, キャンプファイヤー
ICO/IEO/STO等で資金調達
暗号資産、トークンと呼ばれるものを販売することで資金を調達する方法です。
ICO: トークンを販売して、資金調達する方法です。
IEO: トークンを暗号資産交換業者を経由して販売する方法です。
STO: 証券としてトークンを販売する方法です。
法的な問題、規制の問題などがあり、日本では簡単にできる状況ではありません。
(2023年5月時点では) 国内でIEOがいくつか行われていますが、まだ簡単な方法ではないです。
参考資料
[資金調達] 創業仲間との株の話
株を沢山持っている創業仲間が会社を去る時に、株をどうするのかで揉める問題
解決方法
- どの位の期間で会社を去った場合、どの位の株を手放すのかを創業時に決めておく。
- 参考: 複数人でビジネスをはじめる場合、最初に決めた方が良い事は?
- 遅咲きの狂い咲き: 起業家が結ぶべき「創業株主間契約書」とは。そしてその契約のポイント。
- スタートアップの"共同創業者"を選ぶ技術
- 起業時に結ぶべき「創業株主間契約」とは?締結の4つのポイントを解説 - 起業ログ
[マーケ] 事業開発の知識や経験がなく、需要のないものを作る
まず、サービスやプロダクトを作ってから、売ろうとするというミスです。
起業家がよくするミスとして、世界的に有名です。
対策
- 需要の確認をするか、顧客開発をする。
- 需要があるかわからない場合は、特にリーン・スタートアップを理解しておく。
[マーケ] マーケティングを知らず、売れないものを作る
「作ったけど、売れない」というよくある失敗です。
Webサービスを作ってリリースしたけど、ユーザが全然増えなくて、どうしようと考えて、ユーザを増やす方法を一生懸命勉強しはじめるというよくあるパターンです。
対策
- 作る前にマーケットについて理解しておきましょう。
- 作る前にユーザが増える仕組みを知って、対策をしておきましょう。
- Webサービスなら、Webマーケティング、アプリならユーザ導線のの基礎位は知っておきましょう。(SEO、広告の種類とか)
- マーケティングの本当の基礎の基礎をリリース前に勉強しておきましょう。
- ターゲット
- セグメンテーション
- チャネル
- マーケティングのプロに任せましょう
- 彼らはどこで何をすると、どのような機能をつけるとユーザが増えるのか?を実際に実行して良く知っています。そのような知人がいると本当に心強いです。
- ユーザ獲得とリテンション率向上は、別物ですが、AARRR、リーン・アナリティクスなど基本的なKPIは何か位は知っておき、補足しておきましょう。
[人事] 人材の確保ができない
思ったように人を集められないという問題です。
特に有名な起業家、企業でない場合、事業の最初は、会社も小さく信頼も実績もないことがほとんどでしょう。そして、大企業ほどの給与や福利厚生などを提示できることも稀です。それでも、自分や自分の会社でやってもらえるメリットを提示できないといけません。(多くの場合、ビジョンや理念や将来性などになります。)
人材を集めるための広告費や人材の費用もない場合が多いでしょう。
人材確保のコストは、採用関連企業を利用するとフィーが年収の30%などで、1000万円/年の人だと300万円ほどかかることがあります。そこまで支払えない小さい規模の会社ですと、知人経由、wantedlyなどを使っていることが多いです。
対策
- 他人にとってのメリットを考える。
- 人を巻き込む能力を身につける。
- 人間力、コミュニケーション能力を常に鍛えておく。
- 人が協力してくれるような自分になっておく。
- 何をしてきたか?という実績をちゃんと積み上げていく。
[PM]プロジェクト・マネージメントの知識、経験がなく失敗する
チームの中でしか開発をしたことがない、マネージメントをしたことがない、プロジェクト・マネージメントの知識がないために、プロジェクトが遅れたり失敗するというミスです。
プロジェクトのリスクや見積もりがちゃんとできないと、工数が思った以上かかる赤字プロジェクトのできあがりです。
ある程度のプロジェクトマネージャーになるには実務経験で3年など時間がかかると思われます。
対策
- まずは、プロジェクト・マネージメントの基礎を勉強しよう。
- 大雑把に以下を意識しましょう。
- 統合マネジメント
- リソース管理
- 時間管理
- スコープ管理
- リスク管理
- 品質管理
- ステークホルダー管理
[営業]営業をしないので、仕事がこない
営業をしないため、仕事がそもそもやってこないというミスです。
解決策
- 営業をしなくてもよいビジネスモデルを作る。
- 自ら営業をする。
- 営業ができる人にお願いする。
- フリーランスならエージェントのサービスを利用する。
[経理]経理を知らないので、期末に慌てる
経理や仕訳の仕方をよく知らない。確定申告や決算の直前に困る。
対策
- 経理、仕訳のサービスを利用する。
- freee、 money forward などのWebサービスで仕事用の口座と同期して、自動仕訳、自動経理する。
- 証票を送ると経理、仕訳してくれるサービスを利用する。
- 経理のサービスや税理士さんにお願いする。
- 自分で勉強して、自分でやる。
個人的には、会社で人を雇ってやってもらうより、バックオフィス全般をやってくれる企業に頼んだ方がコストは低くなると考えています。
なぜなら、人を雇う場合、時給以外にも求人や面接等の時間がかかるのと、辞めてしまうとさらに引き継ぎコストやまた求人から採用、オンボーディング等のコストがかかるためです。
[法務] 法務を知らずに法的リスクをおってしまう
必要になる場面: 登記、契約、著作権、雇用・解雇、資金調達
よく起きる問題
- 会社設立、株や役員変更時に法務局に突っ返される。
- 不利な取引契約を結ばされる。
- 約束を守ってくれない人・会社が出てくる場合のリスクヘッジ。
- 投資契約で不利な条件を飲んでしまう。
- Webサービスなら、利用規約で法的リスクを負わないため。
対策
- 法律のプロ(弁護士)にお願いしましょう。
- 自分で時間が確保出来る場合は、自分で学んでやりましょう。
- 登記の場合、法務局に無料でアドバイスや修正をしてくれる方がいますので、相談するのも手です。
- Co-Edoさんがやっているエンジニア向け法律勉強会 Co-Edoで開催されている「エンジニアのための法律勉強会」は法律と向き合う肌感覚を教えてくれる - Blog::koyhoge::Tech
- AZXさんの参考になる記事 ベンチャーがやらかしがちな失敗16例 | AZX Super Highway(AZXブログ)
[法務] 契約の種類と内容を知らずに、契約を結びリスクを追う
請負契約、準委任契約、派遣契約とそのリスクを理解しないで契約してしまい、余計な業務や責任を追ってしまう失敗
対策
- 各契約の内容の意味を理解する。
- どのような仕事の場合、どの契約がいいのか?を理解しておく。
- どの契約だと、どのような責任を負うのか?を理解しておく。
- 法的な意味での参考: 業務委託契約における委任と請負の法的性格の違い
- 企業、クライアント、エージェント、常駐先の社員さんでも理解していない場合があり、何をお願いしていいのか?を知らず、頼んでいけないことを頼まれたりすることもあるので注意する。
- ちなみに下請法も知っておきましょう。
- フリーランスで働く人は「下請法」で守られている――おさえておくべきポイントとは?|弁護士ドットコムトピックス
[税務] 消費税
契約金額で消費税を決めておらず、不利な方の内税、外税を後から言われる
対策
- 先に消費税はどうなるのか?決めてから契約する。
起業時に電話番号をオープンにする
会社作った時に電話番号を公開するというミス。
法人設立時に電話番号が公報にのって、営業の電話がかかってきて無駄な時間を取られます。
対策
- 電話番号を公開しない。
- または、電話代理サービスに頼んで対応してもらう。
- 信頼できる人のみに教える。
- Webサイトからの問い合わせのみにする。
[マネージメント] 外注して失敗する
外注の見積もりと、外部とのプロジェクト・マネージメントは難しいので要注意です。相手と利益相反するので、ちゃんとしたコミュニケーションが必要です。
外注の方が逃げる、期限直前でやってませんでしたと言う、思っていたものと違うものが出来上がってくるなど、非常によく起きる問題を防ぐためのマネージメントをしましょう。
対策
- 先方の担当者が、技術を理解して見積もりができそうか?を判断する。
- 他に外注を受けた経験があるか?を確認する。
- プロジェクト・マネージメントの知識・経験がありそうか?チェックする。
- 仕様や意図を明確に伝える。
- 適宜意図をチェックする。
- 適宜進行をチェックする。
- 別の2つところにお願いしてリスクヘッジする。
[マネージメント] 外注の仕事を受けて失敗する
外注を受ける場合、プロジェクトや進行の責任者は誰なのか?を明確にした方がいいでしょう。
お互いの「普通こうするだろ」が、コミュニケーション問題を起こすことが多いです。共通認識があるかを適宜確認しましょう。
対策
- 先方の責任者は技術を理解しているか?を判断する。
- 先方の責任者が、プロジェクト・マネージメントを理解しているか?同じようなプロジェクトの経験はあるか?を確認する。
- 上記がない場合、ちゃんとプロジェクト・マネージメント説明するか、別のリスクヘッジをする。
- プロジェクト・マネージメントの責任者を先方の側に置く。
- 自分もちゃんとプロジェクト・マネージメントを勉強して、リスク管理をする。
- 先方のビジネス状況の変化や、担当者の変更に気をつける。
- もちろん支払いをしてもらうように気をつける。
- 瑕疵担保責任に気をつける。
[コミュ] 技術がわからない人とのコミュニケーションのミス
急に技術畑でない人と話することになり、当たり前と思って話したり、常識が通じなかったりするコミュニケーション上の失敗です。
例えば「プロなのになんで不具合があるプログラムを納品したの?」と普通に考える人とどのようにコミュニケーションを取るか?という問題です。
対策
- 技術がわかる人やお客さんとやるのが一番安全で楽。
- 先方に技術が理解できる人がいない場合、先方側にも技術の分かる、できれば経験のある人を立ててもらう。(現実的にできない場合が多い)
- 技術が分かる人がいない場合、技術料やリスクヘッジのために料金をあげたり、スケジュールに余裕を持たないと痛い目にあう可能性が高い。
[コミュ] 技術しかわからない自分のコミュニケーションのミス
上記の逆で、自分が◯◯がわらからない人の立場になる場合のミスです。
弁護士、会計士、税理士、司法書士、行政書士、社労士、銀行員、投資家(エンジェル、VC)、マーケティング、営業、採用、人事(労務)、デザイナーの言語が話せなくてはいけない場合があります。が、基礎用語を知らなかったり、その業界の常識を知らないということになりがちです。
なかなか自分では気付きにくいですが、他のプロとコミュニケーションのミスを犯しがちです。
対策
- 他の分野のプロと会話ができるようにする。
- 信頼できるプロに任せる。
[経営] 無駄に事業計画書を作ってしまう
事業をするには、まず事業計画書を作りましょう、みたいな言説に騙されて、よくわからず事業計画書を作って時間を無駄にするミス。
対策
- 事業計画書を作る目的と意味(資金調達?仲間の説得?自社の事業の管理?)を明確にする。
- 作るタイミングをちゃんと理解する。
- ちゃんとした事業計画書を作るには、1,2ヶ月かかります。立ち上げ期の重要な時期に、時間的コストに見合うか考えましょう。
- モックもなし、ユーザもなし、売上もないのに事業計画書を作るより、「ユーザいます」「売上あります」の方が投資家にとって、プロダクトが作れないというリスクやユーザーが獲得できないというリスクが排除できるのと、アイディアによっぽど説得力が出てくるので、プログラマなら事業計画書より先にプロトタイプなりサービスを作る、ユーザを獲得する、売上を上げる方が良い場合もある。
[創業準備]会社員の時に、会社の人と何も考えず接する
会社員の時に会社の人と何も考えず仕事をしてしまうミスです
対策
- 一緒に働く会社の人は、自分こと(仕事の仕方や信頼性)を良く知っています。そのため重要な「見込み客」である場合が多いです。あなたを信頼している場合、仕事をもらえたり、紹介してもらえる可能性は高い。
- 重要な見込み一緒に働いてくれる人(共同創業者)でもある。
- 一緒に起業しようと言って断れれるような状況だと、成功すると思ってもらえてない、評価されてないというサインなので、起業してからも苦労する可能性がある。
- 初期の資金調達元の可能性の高い人々でもある。
- 辞める時に引き止められるなどの行動を引き出せる状況が理想。そうでない場合は、あまり評価されてないなど仕事やコミュニケーションに何か問題がある可能性があるし、仲間を増やすのが難しい理由があるかも知れない。
- 理想論は、会社にいる時も社外での評価を得ること。
- 安定収入があり収入証明ができるうちにクレジットカード、ローンカードを作っておくと助かることがあるかも。
つまり、会社員の時点でも仕事や人として信頼され、評価されていることが重要です。
評価されてない場合、外に出て仕事をしても評価されそうかを考えましょう。
自分の過去の実績もプロフィールに乗せることになるので、社外でも説得力がある実績があるのがベター。
[PM]工数見積もりの失敗
プログラマなので、プログラミング関連の工数しか見積らない、見積もりができないという失敗。
何かトラブった時に、工数も時間もなくなって、必死に働いて解決するという選択肢しか取れなくなるパターン。
対策
- 進行管理(ディレクション、プロジェクト・マネージメント)の工数を考慮に入れる。
- 人的リスク(人が辞める、病気になる等)の工数を考慮に入れる。
- ミーティングやコミュニケーションの時間、工数を考慮に入れる。
- ドキュメントを書く工数も考える。
- 顧客の知識が足りない場合の、教育の時間を考慮に入れる。
- バックオフィスの経費(契約や法務、会計処理)も考慮に入れる。
- 営業のコストも考慮に入れる。(プリセールスや見積もりを無料でやっているなら、そこのコストも)
- 本などで見積もり方法を学ぶ。
[健康] 働きすぎて、体を壊して何日も休む
起業したてでやる気もパワーもあるから、運動もせず一日16時間以上休みなしで仕事をしまくった結果、結局体を壊して休んで意味がないという失敗
- 起業の場合、休みのある短距離走でなくずっと走り続けるマラソン。
- フリーランスの場合、休むと稼ぎが0になるなら、「体壊す」 = 「収入なし」です。会社も国も守ってくれません。労働基準法や、雇用保険はない。
- フリーランスだと激しく働き、数ヶ月休むというパターンもある。
- 自宅作業の場合、家を出ない、誰とも話さないなど精神的な不健康に注意。
- 鬱で数年休むとか、病気や事故でも痛手となる。
対策
- 運動をスケジュールに組み込む。
- 休むのも仕事。
- 自分が休んだ場合のリスクヘッジもしておく。
- 仕事が廻るようにしておく。(ドキュメントを書くなど)
- お願いできる人を増やす。
- 信頼できる人にお願いしておく。
- 旦那、嫁や保険でリスクヘッジ。
早めに体力・精神力の限界を知っておくのも良いかも知れません。
その後、限界から自分のマネージメントができるようになったり、限界を上げたりできるようになります。
- 非常に参考になります いつも働きすぎの CEO におくる、スタートアップの成功のための心と体の健康管理入門
[健康] 精神的に落ちる
利益が対立することが多く、それを調整する立場になります。起業家の精神病の率は高いようです。
起業すると様々な苦痛(ハードシングス)がやってくると言われています。金額でもめる、品質でもめる、スケジュールでもめる、方針でもめる、給与でもめる、現金がなくなる、激しく働かざるを得なくなる、人が急に辞めたり、問題起こしたり、喧嘩したり、首にしたり、裏切られたり、問題を起こして叩かれたり、訴えられたり、お金を使い込まれたり、持ち逃げされたり、と様々な状況で色々な問題が起きることでしょう。その場合、悩んだり責任を負うのは自分一人しかいない場合も多いです。
お金がなくなって、借金を背負うリスクが高い状況が続くことも多いでしょう。
精神的にタフでないと続けれらないです。
対策
- 精神力も鍛えておく。
- 体力が落ちると、精神力も落ちるので体力もつけておく。
- 自分なりの息抜きの方法と、休む方法を確立する。
- 先輩や仲間の起業家に相談できるようにしておく。
[創業準備] 収入源が決ってないのに起業する
先に確実に買ってくれる顧客や仕事をくれるクライアントを確保しておかず起業して、お金が減っていく恐怖と毎日戦うというミスです。
対策
- 起業前に確実に収入が入る状態にしておく。
- 起業前に顧客を確保しておく。
- 副業でやる、週3回働く、など半分収入を確保しながら、半分本業の仕事をする。
- 借金をせず投資を受ける。
無駄に人に会って時間を無駄にする
ブログを書いていたり、会社社長をしていると話したいという人が多く現れます。会っても大抵時間の無駄です。
仕事を増やすために人脈を増やそうとイベントに行って色々と人に会っても、目的やどう仕事を増やすのか、相手のメリットを明確にしないと、名刺が増えるだけで、相手も仕事を頼む理由がよくわからず、仕事が増えないという時間の無駄が発生する問題
対策
- 会って時間を使うのであれば、アウトプットを明確にしてから会いましょう。
- 時間を使うなら、時間というコストに合うリターンを得られるか?を意識しましょう。
- 大手VCさんは新しい会社ができると若手が営業アポをとる事も多いので、自社が凄いわけではない。そして、最初に合った人が担当になることが多いので本気で調達をしたい場合は注意する。
- 単に興味があるとか、相手にとってメリットがあるだけの場合が多いので、事前に判断しましょう。
- 逆に人に会う場合は、相手の時間というコストに見合うものを自分が提供できるのか?を考えましょう。
- イベントなどに行くときは、相手のメリット、覚えてもらうための方法を考える。
[資金調達] 事業アイディアを秘密にする
アイディアを盗まれるんじゃないか?と思って秘密にしたり、NDAを結んで下さいと言ったりするミスです。
対策
- 全部オープンにしましょう。仮説を仮説のままにするのではなく、オープンにしてフィードバックをもらいましょう。
- 「素晴らしいアイディアにほとんど価値はなく、実行することに価値がある」というのが、ほぼ世界的な常識。
- 投資家にNDAを結んで下さい、と言ったら投資のことを知らない人だと思われる。(投資家が同じような他の投資案件に投資する機会を失います)
- 特許は、一部を除き回避されるので無意味とされると言われることが多く、それで自社ビジネスを守ろうとする会社は一部の特殊なビジネス以外では少ない。
- 外部にビジネスを公開・開始した時点で分かってしまうビジネスだと、その時点でマネされる状況になる。ステルスでやる方法もあるが、ステルスでやったから成功したという事例は思いつかない位少ないです。
- ほとんどの事業は、儲かると分かった時点でマネをされる。大手が巨額資金を使って市場参入した時の対策など、参入障壁を考えるのが自分の仕事。
- 自分のビジネスアイディアが公になったら、競合が出てくるようなアイディアはスタートアップには向いておらず、情報が公になっても戦えるようなアイディア、方法、戦略を考える。
- 外部から見えるアイディアで事業のマネをしても、その選択肢を取った理由がわからないようにしたり、急激な事業環境の変更で根本の理由がわからず、上辺だけマネしたら失敗するようなビジネスアイディアで勝負する。自分にしかわからない一次情報などを元にしてアイディアを考え、実行する。
上記ほぼ常識に近いかと思うので詳しい理由を知りたい場合は、ググって下さい。
起業の工数がわからない
起業をしたら、どんなことにどのくらいの時間が取られるのかが、検討つかず、思った以上に時間を取られる。つまり、開発が遅れたりするミス。
一年位ほぼ雑用と言う方もいらっしゃいます。
対策
- 現状、自分で一回経験するしかない。
- 時間があれば、どの作業にどの位の時間がかかるのか?をリストアップと工数を出してみたい。
[経営] 自分のサービスを作るための資金を得られない
自分でサービスを作りたくて起業したが十分なお金もなく、受託開発を始めるが受託でも利益率が高くないためにお金も貯まらず、結局サービスが全然作れないで何年も過ぎるという起業家の中では非常によく見かけて、なかなか解決策がない問題。
フリーランスの人で時間売りをやめたくてサービスを作ろうとするが、生活のための受託をしながらだとサービス開発の工数を取れず、結局サービスができないという自分も経験した問題。
対策
- 資金調達する。(ただ、資金調達できないからこのパターンに落ち着いていることが多い)
- 資金調達できるだけの、アイディアやチーム(トラッキングレコード)が必要。
- 受託開発の効率化をする。 (自社サービスに関係ある所の受託を受けて、利益率を上げる)
- 自分だけでサービスを作るのは、かなり難しいので誰かと組む。
- 誰かと組むために、信頼できて、できる人を探す工数と、巻き込む能力が必要。
- よい解決策を知らないので良かったらコメントへ
[資金調達] サービスを作りたいが、お金のために受託をするジレンマ
自社でサービスを作りたくて起業したが、資金も調達できず、受託開発でお金を稼ぐことをするが、受託開発も忙しく、利益もさほどでないために、サービスを作るための時間やお金も集まらず何年も時間を過ごす、という本当によく見かけるジレンマ
解決方法
大抵の場合、解決方法がないためにこの状況に陥ります。
- 魅力的なサービスのアイディアを作り、人を説得し資金調達をする。
- 価値の高い受託開発を行うことで高い利益を出して、そこの資金でやる。
- 受託でも新サービスに関係あるか、特化することでコードの共通化をし、コストを下げることで高利益にする。
[経営] 受託開発の仕事がない
開発者だから困ったら受託開発をすればいいや、と思って受託開発の仕事を探すが仕事が全然ない、もしくは安すぎるという状況に陥ってお金がなくて忙しい状況になる問題。
受託開発の開発者や会社としての実績がない、強みもない、営業力もない、などの問題で、仕事が取れるだろうと思っていたが、全く仕事が取れない、または仕事はあっても利益が出ない、という状況に陥る。
対策
基本的に自分を知ってもらえる機会と、顧客が選んでくれる理由を作らないといけません。
受託開発市場における自分・自社の強みやポジショニングをして、営業をしなくても知人経由で利益率の高い仕事が途切れず入ってくるのが理想です。
- フリーランスの場合
- エージェントの登録して常駐、リモートの仕事を探してもらう。
- 週3日だけ常駐の仕事をする、などをして徐々に自分のサービスの時間を増やしていく。ただ、このパターンはちゃんと考えないと、お金も貯まらないし、サービスを作るのに十分な時間も確保できないパターンになることも多い。
- 会社の場合
- 今まで勤務していた会社から仕事をもらう。
- まずは実績を作るために安くやる。
- クラウドソースのサイトから仕事をもらう。 (敵が多く価格が安くなりがち)
[内部統制] 内部の人が不正をする
役員や社員やバイトや外部委託の人が、不正をして何百万〜何十億円の損をする。
お金を盗んだり、横領したり、不正に発注したりする。
対策
- 内部統制のシステムを作る。
- 監査の人や監査システムを導入する。
[採用] 採用で失敗する
間違った人を採用した、カルチャーマッチしない人を採用した、不正する人を採用した、全然働かない人、サボりまくる人を採用した、社内に悪影響を与える人を採用した、正社員雇用(試用期間)や解雇関連の法律を知らずに採用してのちのち困る、などなど採用でのミスは必ずすると言われる位するでしょう。
そして、数百万円単位の金額で損をする経営インパクトが大きい失敗なため、最も気をつけるべきリスクの一つです。
今まで採用をしたことがない、採用のプロではない、雇用関連の法律を知らない、という状況だとほぼ失敗するのではないかと思われます。
人を多く雇えば、解雇をしなくてはいけない時がやってきます。解雇規制が厳しいと言われている日本での解雇の条件や、裁判や裁判に負けた時に支払う金額(給与の数ヶ月〜1年等)の金銭的リスクの目安を知っておきましょう。経営の勉強をしていると、正社員は雇うな、日本では固定費などと言う人もいますので、正社員の雇用は特に慎重になりましょう。
対策
- まずは、基本的な雇用形態の種類と、法律(労働法等)を勉強する。
- [ベスト] 一緒に働いた実績があり、仕事のやり方や信頼できる事がわかっている人を雇用する。
- 信頼できる人の紹介で雇用する。 (リファラル)
- 採用のプロに頼む。 (小さい企業では費用が出せない場合が多い。採用面接をしてくれないことも。)
- 採用に関する勉強を相当してから雇用する。 (時間が取れないことが多い)
- 雇用の前に、解雇条件、解雇要件(何をしたら解雇できて、何では解雇できないのか)について知る。
- 解雇の方法について知っておく。(解雇・退職勧奨の違いなど)
- 正社員の試用期間での終了は容易ではない(正社員の解雇と同じ)ので、お試しをした場合は契約社員や業務委託の契約にしておく。
* 就業規則を作成することを検討する。(社労士への支払いなどお金と時間がかかる。) - 採用に強いチャンネル(エージェント・媒体など)や費用ついて知る
- 面談・面接の方法を学ぶ
- オンボーディングについて学ぶ、仕組み作る
- 必ずお互いに期待していることのすり合わせをする(会社側の期待は文章化して署名してもらうのがおすすめ)
経営は人財が非常に重要で採用も非常に重要です。そして、学ぶべき事が非常に多い分野です。経営者がかなり時間と労力を使わないといけない分野ですが、お金やプロダクトを優先して後回しになりがちかとも思うので気をつけましょう。
組織づくりで失敗する
会社組織の作り方を知らずに失敗する
対策
自分もまだ学習中な身ではありますが...
どのような企業文化を作るか、採用ブランディングをどう行うか、採用計画(どのような人からどのような順番で採用するのか)、どのような状況になったら採用するべきか、どういう人は採用するべきではないか、どう自律的に働いてもらうか、不正をどう防ぐか、どのタイミングでどのくらい資金調達すべきか、給与体系、評価制度、内部管理体制などなど、会社組織の作り方を勉強する。
- 上記を知っている人のアドバイスを聞く、雇用する。
- 基本は上(マネージャークラス)から雇用する
人前でのプレゼンが得意でない
代表なのでプレゼンをする機会も多いでしょう。
対策
- がんばれ
- 他の人にやってもらう(あんまりあり得ないけど)
最後に
必要な知識のまとめ
その道のプロにお願いするにしても、最低限の知識がないと会話ができなかったり、リスクがあるので知識を得ましょう。
- 起業・スタートアップ (リーン・スタートアップ、顧客開発、市場、ベンチャーファイナンス)
- 経営 (ランチェスター戦略等)
- マネージメント(プロジェクト、ステークホルダー等)
- ファイナンス
- 資金調達(助成金、融資、出資)
- 会計・財務(B/S、P/L、キャッシュ・フロー)
- 税務
- 経理(経費、仕訳、簿記)
- マーケティング (Web(SEO)、アプリ、B2B)
- 営業
- 広報・宣伝
- 法務(登記、商法、契約、著作権等の権利、訴訟)
- 人事(雇用、人事評価制度、給与、勤怠管理、社内規定の作成、解雇)
- 業界の知識、トレンド、市場の動き
知っているといいこと
- プレゼンの技術
- 交渉の技術
- 総務(どこが安いかなど)
- デザインの基礎
- オフィスに良い場所、安いところ
外部のプロ
以下の人たちが、何をする人でどういう時に何のために何をお願いするのかの理解と、彼らが話す内容の意味や専門用語を理解できるようになる、彼らの常識やコミュニケーションの方法を学習する必要が出てきます。
実際に外部のプロにお願いする時には、信頼できる人を探す方法、相場感、パフォーマンスの判断などができる必要があります。
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 会計士
- 税理士
- 社会保険労務士
上記の知識を、仕事をしつつ、最新の技術の勉強をしつつ、業界のトレンドの追っかけながら、身につけていく必要があります。(マラソンしながら、勉強しているイメージ)
数年で一人で全部やるのはほぼ無理でしょうから、他人にお願いしつつ、失敗しながら学ぶことになるかと思います。
顧客開発、マーケティング
- 大抵の事業の失敗は、需要がない、入金がないために資金がなくなるパターンではないかなと思うので、顧客開発、マーケティングをちゃんとやりましょう
起業・フリーランス仲間
- 事業を行うのに必要なアドバイスをしてくれる先輩起業家、メンターがいると一番心強いです
- フリーランス、起業家ともに苦労を理解してくれ、協力してくれる仲間がいると、事業としても精神的にも救われます
- 表に出ない旬でリアルな情報が沢山出てくるので、定期的に会うのも良いと思います (個人的にはグループを作って定期的に会っています)
仲間探し、メンター探しの方法が書いてある文章ありましたら、教えて下さい。
人に対する理解
- 仲間集めも、資金集めも、営業も、何かを売るのも、どれだけ人を理解していて、対応できるか?なので、そこの能力を上げる努力も必要だと思います。
- 結局、仲間探しも、仕事もらえるのも、支払いしてもらえるのも、資金調達も「自分を信頼してもらえるか?」「相手は信頼できるか?」に集約できると思います。
- プログラムと違い、人は思ったようにも書いたようにも動かないことが多いです。仲間を増やしたり、仕事を増やしたり、仕事をしてもらったり、お金を出してもらうために、人に対する知識、能力、技術を身につけることがかなり重要かと思います。
- 1937年に書かれた名著です。基本なので読んでおきましょう。 人を動かす - Wikipedia
書かなかったこと
インターネットの時代でも実際に会って話さないと出てこない話が、沢山あります。
情報を知っているだけでかなり状況が変わることもあります。情報持っていて、なおかつ秘密にせず話してくれるような方がいると、素敵です。
同時に自分もそのような情報を持つ人間で、情報を提供できる側になれるようにならないといけないでしょう。
- 市場状況: どこが儲かっている、どのような人材に需要があるなどの情報
- どこの会社、投資企業、サービスは問題がある、という話。(訴えられる可能性があるので)
- どのような人は、危ないという傾向があるのか?とその判断方法 (僕がやりにくくなるので)
- どのような人にアドバイスを聞くべきでないか?という判断方法
- どの人材紹介会社さんがいい?的な情報
- どの企業、どの人がどんな事業をしようとしているのか?の情報
今後書きたいこと
- プログラマ視点で、どのようなフリーランスさんや企業さんだったら、働きたいと思うか?
- どのような企業、案件は、地雷か?の判断方法
- 日本語の本や起業情報でリアルで役だったものは、個人的にはほぼないです。(だから、よくある失敗を自分もしてしまった。)英語情報の方が、役に立つことが多いと思います。(いつか良い英語情報リストを書くかも)
- 最近、日本でも少しずつ役立つ情報が出てきました
感想
- 知人が起業したいというので、とりあえず思いついたものをザーッと書いただけ、から、かなり思いついたものを随時追加しています
- 上記、仕事しながら理解しようとすると2,3年位かかる気がします。理解してそこそこできるようになるのに5,6年かかる印象です
- プログラマの成長と一緒です。知識だけで数年。実務はさらに数年は必要かと。
- プログラマが関わっているのは、ビジネスのほんの一部でしかないという痛感。仕事を作れるフリーランスや社長は凄いと思うようになりました。
- ビジネスの世界では技術者としての経験しかない場合、ビジネスのことはわからない人と判断されます。プログラマと同じで、MBA持っていても実務経験がないと、ビジネスの実務ができないと思われます。
- 経営、マーケティング、営業などのプロの方々は、本当にその道のプロ。技術と同じく沢山の知識と経験を持っており、ビジネスという点では非常に重要です
- はてブに、起業仲間がいれば解決する問題が多いという指摘がありましたが、まさにその通りだと思います。技術者の欠点を補う仲間がいれば、ほとんど解決すると思います。ただ、その別ジャンルのスペシャリストの「信頼できる」仲間探しして仲間になってもらう(高くない報酬で多くの作業をせざる得ない環境で)がかなり難しいです。
- 詳細を書いたら、一冊の本になりそうな位のボリュームになってきた。本を書いたら世の中のためになるなら、本を書くかも。(オープンソースなり、Kindle出版なり)
- 本音を言うと、僕が起業する前にこういう情報や本があったらこんなに失敗しなかったのに、こんなに無駄にお金と時間を使わなかったのに、と思っています。(お金にしたら、数十万〜数百万円は違っただろうと。)
- この情報がフリーランスの方や起業する方のお役に立てて、もっと独立・起業する方の苦労や無駄なコストが減って、みんなの失敗確率が減ればいいなと思います。
- 自分に余裕が出てきたら、上記のようなフリーランスや技術者の起業に関する問題を解決する活動なり事業をしたいと考えてます。→ フリーランスのエンジニア向けのサービスはいくつか出てきていて、3-5年でかなり環境が良くなってきた印象。