メモ：Rの関数の環境

『R言語徹底解説』8章を読んだので、Rの関数に関連する 4 つの環境について理解できたか確認したい。

名前	英語	調べる方法
エンクロージング環境	enclosing	environment(f)
束縛環境	binding	pryr::where("f")
実行環境	execution	environment()
呼び出し環境	calling	parent.frame()

次のような関数を用意する。

R

f <- function() {
  cat("x: ", x, "\n")
  eclosing_env  <- environment(f)
  binding_env   <- pryr::where("f")
  executoin_env <- environment() ; attr(executoin_env, "name") <- "execution_env"
  calling_env   <- parent.frame()
  cat("エンクロージング環境:\t", environmentName(eclosing_env),  "\n")
  cat("束縛環境:\t\t",           environmentName(binding_env),   "\n")
  cat("実行環境:\t\t",           environmentName(executoin_env), "\n")
  cat("呼び出し環境:\t",         environmentName(calling_env),   "\n")
}

これをそのまま呼び出すと、次のような結果になる。

R

x <- 1
f()

結果

x:  1 
エンクロージング環境:  R_GlobalEnv 
束縛環境:        R_GlobalEnv 
実行環境:        execution_env 
呼び出し環境:  R_GlobalEnv 

実行環境以外はグローバル環境である。

エンクロージング環境を変えてみる。

R

enclosing_env <- new.env()
attr(enclosing_env, "name") <- "my_enclosing_env"
assign("x", 999, envir = enclosing_env)
environment(f) <- enclosing_env

f()

結果

x:  999 
エンクロージング環境:  my_enclosing_env 
束縛環境:        R_GlobalEnv 
実行環境:        execution_env 
呼び出し環境:  R_GlobalEnv 

エンクロージング環境を変更できた。
x の値もグローバル環境の値からエンクロージング環境のものに変わっている。

次に、束縛環境を変えてみる。

R

binding_env <- new.env()
attr(binding_env, "name") <- "my_binding_env"
assign("f", f, envir = binding_env)
parent.env(enclosing_env) <- binding_env

f()

結果

x:  999 
エンクロージング環境:  my_enclosing_env 
束縛環境:        my_binding_env 
実行環境:        execution_env 
呼び出し環境:  R_GlobalEnv 

エンクロージング環境とグローバル環境の間に新しい環境を追加し、そこに f を置いた。
これは、関数 f() 内で f() という関数を呼び出そうとすると、呼び出されている関数とは別の、新しく作成した環境にあるものが呼び出されることになる。

さらに、呼び出し環境を変えてみる。

R

f2 <- function() {
  calling_env <- environment()
  attr(calling_env, "name") <- "my_calling_env"
  f()
}

f2()

結果

x:  999 
エンクロージング環境:  my_enclosing_env 
束縛環境:        my_binding_env 
実行環境:        execution_env 
呼び出し環境:  my_calling_env 

関数を呼び出す場所を新しい関数 f2() の中に変更した。
関数の呼び出し場所を変えれば呼び出し環境は変わる。

R　の環境について理解が進んだように思える。