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WindowsServer2012R2からFreeNAS(9.3)へiSCSIでMPIOする手順

Last updated at Posted at 2016-01-21

#概要
WindowsServer2012R2(Standard)からFreeNAS(9.3)で作成したiSCSIターゲットに接続するための手順。
なお、接続はマルチパスI/O(MPIO)にて負荷分散と経路冗長を行います。

#システム構成
検証環境として次の2サーバを用意しました。
##FreeNAS

  • iSCSI用に2ポート、管理用に1ポート使用

##WindowsServer2012R2 Standard

  • iSCSI用に2ポート、管理用に1ポート使用

Untitled.png

#FreeNAS側設定
##事前準備
###ネットワーク
iSCSI用インタフェースにはそれぞれ別セグメントを設定し、WindowsServer側と直結させる。
1.png

今回使うインタフェースは「em0(iSCSI-1A)」と「em2(iSCSI-2B)」です。
残りのインタフェースは別環境と管理に使用しています。

###割当ボリューム
通常手順で作成します。
今回はhv-vmsの名前でzvolを作成しました。
2.png

##iSCSI設定

###ポータルグループ
まずはiSCSIポータルを作成します。

ポータルグループ1

  • 待受ポート 「192.168.1.1:3236」
  • コメント 「Portal_iSCSIA」
    ポータルグループ2
  • 待受ポート 「192.168.2.1:3236」
  • コメント 「Portal_iSCSIB」

3.png


上図では別サーバ用の「192.168.3.1:3236」「192.168.4.1:3236」も追加しています。

###イニシエータ
次にiSCSIイニシエータを定義します。
接続元として、WS2012R2側IPアドレスを指定しておきます。

グループID1

  • イニシエータ 「ALL」
  • 認証されたネットワーク 「192.168.1.2/32」
  • コメント 「iSCSI-A」
    グループID2
  • イニシエータ 「ALL」
  • 認証されたネットワーク 「192.168.2.2/32」
  • コメント 「iSCSI-B」

4.png


上図では別サーバ用の「192.168.3.2/32」「192.168.4.2/32」も追加しています。

###ターゲット
次にターゲットを設定します
tgt-iscsi-a

  • ポータルグループID 「1(Portal_iSCSIA)」
  • イニシエータグループID 「1(iSCSI-A)」
    tgt-iscsi-b
  • ポータルグループID 「2(Portal_iSCSIB)」
  • イニシエータグループID 「2(iSCSI-B)」

5.png
6.png
7.png

###エクステント
次にエクステントを作成します
エクステント名は「hv_vms」としました。

8.png

関連付け

最後に定義したターゲットとエクステントを関連付けます
ターゲット「tgt-iscsi-a」「tgt-iscsi-b」にエクステント「hv_vms」を関連付けます

9.png

FreeNAS側設定は以上です :laughing:

#Windows側設定

##事前準備
まずは必要な機能の追加と設定を行います。
###機能の追加
サーバマネージャから「マルチパスI/O」機能を追加します。
w1.png

###サポートデバイスの追加

  1. サーバマネージャから「MPIO」を起動します。
    w2.png

  2. 「マルチパスの検出」から「iSCSIディスクのサポートを追加する」を選択し、追加をクリックします。
    (後撮りのためグレーアウトしています)
    w3.png

  3. 再起動を要求されるため、再起動を行う。

  4. 再起動後、デバイス欄に「MSFT2005iSCSIBusType_0x9」が入っていればOK
    w4.png

##iSCSI設定
いよいよターゲットへの接続となります。
「iSCSIイニシエータ」を起動してください。

###ターゲットの検索

  1. 「ポータルの検索」をクリックし、ポータルを追加します。
    w5.png

  2. 「検出されたターゲット」欄を確認します。「tgt-iscsi-a」と「tgt-iscsi-b」が表示されているはずです。
    w6.png

###ターゲットへの接続

  1. 検出されたターゲットを選択し、「接続」をクリックします。
    「複数パスを有効にする」にチェックを付け「OK」をクリックします。
    w7.png

  2. 両方のターゲットにそれぞれ接続を行います。「接続完了」になればOKです。
    w8.png

###MPIOの状況確認
この時点ですでに負荷分散/パス冗長は行われています。
設定を変更する場合は、「デバイス」ボタンから「MPIO」を選択します。
負荷分散方式や現状のパス状態を確認できますよ。

w9.png

なお、「デバイス」ボタンではなく、「プロパティ」ボタンからも負荷分散の設定ができそうな画面になりますが、こちらはMCSというMPIOとは異なる方式です。
FreeNAS9.3はMCS方式はサポートしていないため、MCS方式の負荷分散はできません。
(どうも過去バージョンはサポートしていた模様)


無事にターゲットに接続出来たら後は通常手順どおり記憶域やCSVの設定をします。
参考までにCSV上の仮想マシンにて実施したベンチマークの結果を示しておきます。

シングルパス(非MPIO)の時のベンチ結果
非MPIO環境

MPIO構成の時のベンチ結果
MPIO環境

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