JPQLのLIMIT OFFSETの罠

確認したバージョン

GlassFish4.0にバンドルされているJPA2でDBはPostgreSQL9.2で現象を確認しています。

JPA2によるLIMIT OFFSET句

JPA2(EclipseLink)はJPQLで
javax.persistence.TypedQuery#setMaxResults(int)及びjavax.persistence.TypedQuery#setFirstResult(int)によってPostgreSQLのLIMIT OFFSET句をサポートしています。

例えば、ApplicationUserというEntityに対してfindというNamedQueryで取得するようなJavaのコードを以下のように書いた場合、

@PersistenceUnit
private EntityManager entityManager;

public List<ApplicationUser> find() {
    List<ApplicationUser> list = this.entityManager
        .createNamedQuery("ApplicationUser.find", ApplicationUser.class)
        .setFirstResult(0)
        .setMaxResults(10)
        .getResultList();

    return list;
}

SQLは以下の様に出力されます(必要部分のみに加工)

SELECT
    user_id,
    user_name,
FROM
    application_user
LIMIT 10 OFFSET 0

ここまでは期待通りなのですが、これをNativeQueryと絡めて実行した場合、以下の様になります

@PersistenceUnit
private EntityManager entityManager;

public List<ApplicationUser> find() {
    List<ApplicationUser> list = this.entityManager
        // この部分がNativeQueryかNamedQueryか違うだけ。
        .createNativeQuery("SELECT user_id, user_name FROM application_user", ApplicationUser.class)
        .setFirstResult(0)
        .setMaxResults(10)
        .getResultList();

    return list;
}

結果実行されるSQLは以下のようになります。

SELECT
    user_id,
    user_name,
FROM
    application_user

LIMIT OFFSET句が消えてしまっている事が分かるでしょうか。
ちなみに実行結果はどちらも同じになります。

この事から、NamedQueryを用いた場合はSQLによって処理が行なわれますが、NativeQueryを用いた場合は一旦全件取得した上で、プログラムにより結果件数のみ返すようになっているようです。

自分の場合は大量データを取得する場所でNativeQueryとsetMaxResults/setFirstResultが利用されており、パフォーマンス遅延でこの問題に気がつきました。

おまけ

お願いだから気を利かせて実行せずに、潔く実行時にExceptionで落としてください。。。